しーなまさんによる拙著『デザインから考える障害者福祉』のランニングコメンタリー

2つの修士号をもつ障害者福祉施設の支援員、しーなまさん(社会福祉士)による拙著『デザインから考える障害者福祉』のランニングコメンタリーです。読者に恵まれるとはまさにこのこと。 『デザインから考える障害者福祉』はラグーナ出版からお求めいただくのが一番早いようです。 (こちから直接お求めいただくか、お問合せフォームにてお問合せいたださい) http://lagunapublishing.co.jp/books/design/ 続きを読む
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しーなま @shiinama

@5nY3BXbQFS1A0lt こんにちは。福祉サービスと一般企業の違い、と一概にくくっていいのかわかりません。ただ、一般就労などの環境の変化で、振る舞いが大きく変わる人は見てきました。あくまで私の管見の限りですが、特にメンタル面は環境依存的な面が大きいのかな、と感じています。

2020-04-24 21:33:29
しーなま @shiinama

第6章 障害者本人との関係をデザインする

2020-04-29 08:28:31
しーなま @shiinama

「意思決定支援」を特に「オーサーシップ」と「常識的知識」との関係から整理してくれている。

2020-04-29 08:30:51
しーなま @shiinama

バイステックの「自己決定の原則」にヤバみを感じる。

2020-04-29 08:32:17
しーなま @shiinama

「厚生労働省は、意思決定支援には「日常生活や社会生活等に関して自分自身がしたい(と思う)意思が反映された生活を送ること」の支援が含まれるという認識を示している。バイステックの「自己決定の原則」は本人が望んでいたわけではない選択を、さまざまな事情を調整することで自らさせること…

2020-04-29 08:34:51
しーなま @shiinama

…であり、この点については対照的である。」p.132

2020-04-29 08:35:20
しーなま @shiinama

ここに、ちょっとひっかかった。私の理解では、意思決定支援において、利用者の意思を反映することと、本人が当初望んでいたのとは別の選択肢を自ら選択させることは、対照的ではなく、むしろ同じことの表裏だから。

2020-04-29 08:39:47
しーなま @shiinama

利用者の意思を反映することと、利用者が当初示した選択をそのまま実現することは、イコールではない。利用者が当初示した選択の深いところには、どのような欲求やニーズがあるのか、それを可能な範囲で最大限実現するためにはどうすればいいか、を利用者と一緒に探るのが意思決定というイメージ。

2020-04-29 08:46:21
しーなま @shiinama

たとえば、「みんなが知っている有名な企業に就職したい」と利用者さんが言うときに、それはお金をたくさん稼げるからなのか、周囲の人々に立派だと思われたいからなのか、その方が雇用が安定しているからなのか、TVでたまたま見たからなのか、とか、色々と考えられるわけで、それをまずは探るよね。

2020-04-29 08:50:30
しーなま @shiinama

この原則は、特に「狭義の意思決定支援」(就職など、非日常的な法的・契約的決断の支援)で明確になるけど、「広義の意思決定支援(日常的な生活にかかわる決定を含めた意思決定支援)」でも同様。ただ、後者は「手足論」の限界に示されるように、まずは介助者が動くことからはじまる。

2020-04-29 08:55:46
しーなま @shiinama

この「手足論」の限界については、『良い支援?』に示唆的な論考が載っていて、それは私自身、日頃の支援の参考になっている。

2020-04-29 08:57:25
しーなま @shiinama

意思決定と常識的知識に関する話は、ごもっとも感ある。この常識的知識といっかい距離をとってみた上で、ある決定とみなされている選択は、本当に利用者が意思決定したものなのか、というオーサーシップを考えるのは重要だけど、日頃このあたりで私は周囲の支援者と意見が合わなくなることが多い。

2020-04-29 09:02:31
しーなま @shiinama

というのも、みんな常識的知識を前提に生きているし、それと距離をとるにはある種の訓練がいるからだと思う。いわゆる人文的・社会的教養によく挙げられるよね。

2020-04-29 09:03:47
しーなま @shiinama

加えて、支援者としては、常識的知識を前提に支援した方が楽なんだよね、きっと。就労移行支援を利用しているんだから就職したいはずだ、やる気がないのか利用者のせいだ、(同年齢の多くの人は働いているのだから働いて当然なのに)働かないのはダメだ、と利用者のせいにしてりゃいいんだからね。

2020-04-29 09:06:18
しーなま @shiinama

でも、それは支援じゃないよね。私も気をつけます。

2020-04-29 09:07:22
しーなま @shiinama

「オーサーシップの問題を単一の人間に割り振らなければないない理由がないならば、主なオーサーはクライエントと支援者の二人である。広義の意思決定は主に意思決定者と支援者(介助者)たちの協働でなされているからである。」p.140

2020-04-29 09:09:45
しーなま @shiinama

これはごもっともですが、一方で、支援者としては、やはりオーサーシップに関する悩みを持つわけです。その理由の一つは、前述のように、支援者が「意思決定支援」をするときに、ある決定が利用者の意思に沿っているかどうかは、直接的には確認できないから。「本当の」意思は明確に示されない。

2020-04-29 09:13:55
しーなま @shiinama

もちろん、「本当の」意思なんかない。それは支援者と利用者との協働の過程で、事後的に構成される。それを「本当の」意思が最初からそこにあって、利用者の反応を確認しながら見出していくように支援者は感じているだけだ、といえば、それはそのとおりですが、それは支援者の悩みを解決しない。

2020-04-29 09:16:32
しーなま @shiinama

となったときに、支援者は、やはり不安になる。利用者さんの意思をきちんと反映できているのか、「本当は」もっと別の理由があるのではないか、あるいは、利用者さんの意思をもっと適切に反映する選択肢があったのではないか、と。

2020-04-29 09:19:16
しーなま @shiinama

支援者の問いかけや提示する選択肢によって、利用者さんの意思が形成されてくるからこそ、そのような協働的な営みが意思決定支援だからこそ、支援者は悩むのではないだろうか。

2020-04-29 09:20:48
しーなま @shiinama

と読みながら、著者の記述とは直接関係ないことも含めて色々と考えたけど、そういうことを考えるのにも、「複数の参与者の対面相互行為的達成を記述する相互行為分析の研究」が役立つのかしら?

2020-04-29 09:23:08
しーなま @shiinama

そして、そこには私の大学院のときの一個下の後輩の研究が参照されている、という。ちょっと驚いて、嬉しい。元気にしてるかな。

2020-04-29 09:24:47
しーなま @shiinama

読了した。補論、卒論でこれというのはすごいな。解説を読んで、載せた意図も納得。意味わからんことやってるから出ていけ、と言われた精神障害者向けの施設が、その施設の思想を記述した卒論のおかげで、意味がわかるものとして認められた、という話は非常にいい話ですね。

2020-05-03 09:38:11
しーなま @shiinama

謝辞のくだりでめっちゃ三部さん(修士のときの一個下の後輩)が出てきてほっこりした。

2020-05-03 09:39:59
バーニング @burningsan

@shiinama おー懐かしいです。そういえばご専門が会話分析やエスノメでしたっけ。

2020-05-03 09:43:38
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