日銀当座の財政等要因による増減

定義は「一般財政支出+(民間保有)国債償還ー国債発行」
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齊藤 誠 @makotosaito0724

以下は、日銀当座の財政盗要因による増減。定義は「一般財政支出+(民間保有)国債償還ー国債発行」通常は、政府が国債発行で得た資金のほとんどは、財政支出と(民間保有)国債償還に充てられるのでゼロ近傍のはず。21世紀に入っての大幅マイナスは、国債発行資金が日銀に滞留。 pic.twitter.com/ZyR5ORSI5y

2019-12-14 17:13:25
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齊藤 誠 @makotosaito0724

こうして日銀に滞留した国債発行資金は、日銀保有の政府短期証券や国債の償還に充当か(最初の図)、政府預金として日銀に残る(2番目の図)。これら滞留資金は、金融調節の買いオペの資金原資となるので、日銀当座減分を丸ごと回復。日銀当座を拡大させずに大幅な長期国債買入目標を達成できた背景。 pic.twitter.com/yueEMbRQWX

2019-12-14 17:13:28
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齊藤 誠 @makotosaito0724

ただし、ETF、JREITのオペは民間資金供与となる。ETFオペは、年間6兆円の規模なので、半端な規模ではない。なお、以上は、日銀金融調節と財務省国庫の統計から pic.twitter.com/HdgG0khb1L

2019-12-14 17:28:35
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齊藤 誠 @makotosaito0724

これまで、日銀の金融調節のデータだけを見ていて、日銀と政府の国庫の間での動きを記録したデータを見てこなかった。すべてが、日銀当座を経由していると勘違いしていたから。1990年代末までは、その思い込みは正しかったけど、21世紀は全然違う。

2019-12-14 17:33:08
齊藤 誠 @makotosaito0724

財政等要因で大幅な当座預金減となったのは、第一に、01年までは短期国債は借換え引受けをしていたが、その後、短国⇒長国切り替えのため、いったん短国を全額償還させ長国買切りオペに切り替えた。もし、新規発行された長国を日銀が買切れば、資金の流れは結局、借換え引受けと同じ。

2019-12-15 14:27:26
齊藤 誠 @makotosaito0724

これは、日銀による事実上の長期国債の直接引受と解釈されても仕方がないように思う。新規発行の際は、民間銀行が自己資金で長期国債を購入するが、日銀が当該国債を買切る資金原資は、その国債で調達して政府に払い込まれた資金で日銀に還流したものだから。ただし信用は追加的に創造されない。

2019-12-15 14:27:27
齊藤 誠 @makotosaito0724

第二に厄介なのが政府預金。政府預金の急拡大は、16年2月の負の金利政策の直前。+0.1%の付利の超過準備でどうにか資金調達をしていた日銀はそれができなくなり、政府に国債調達資金を原資に日銀で預金してもらった。政府預金増分だけ超過準備増額幅を圧縮可。01年の量的緩和でも初期に政府預金活用。

2019-12-15 14:27:27
齊藤 誠 @makotosaito0724

それにしても何のために…と思ってしまう。悲しいのは、積極推進派のいう日銀の投融資・債務の両建てが信用創出の出発点となっていなくて、その背後では、事実上の借り換えの場合、資金が官民で一周しているだけで、政府預金の場合、資金の出所が結局は長国を購入した民間という意味で超過準備と同じ。

2019-12-15 14:27:28
齊藤 誠 @makotosaito0724

もっと悲しいのは、金利リスク、株価リスク、一部には信用リスクも日銀に移転してしまっているので、このオペレーション自体を巻き戻すわけにはいかないということ。

2019-12-15 14:27:28
齊藤 誠 @makotosaito0724

それにしても、こうした破廉恥なことを本質的な仕組みを知らずに騒いでいた人々は「おめでたい」としか言いようがないけれど、仕組みの本質を知って淡々と進めた人々は本当に悪人。でも、職を賭して辞めた方々、そっと身をひた方々がたくさんおられることは、将来に向けての希望だと思う。

2019-12-15 19:15:30
齊藤 誠 @makotosaito0724

もうひとつ、日銀勘定や国庫の会計データについて、自然に全幅の信頼を置けるところは、民主主義の国なのだと思う。

2019-12-16 07:56:51