2020年5月11日

掌小説語り~自作つぃのべる集~54

自作つぃのべるのまとめです。 2017年10月分。
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リュカ @ryuka511

叶わぬ恋の果てに、泡になった人魚の行方を探している。海の泡になった後、その魂はどこへ向かったのか。天国へ行ったのか、大気に溶けて大地を巡っているのか。真実の愛が彼女を救えるという。私の愛が真実なら、彼女は蘇るはず。なぜ人間などに恋したのか。さぁ、我らの海へ戻ろう #twnovel

2017-10-01 00:46:34
リュカ @ryuka511

この孤島を包む海はどこまでも続いていて、どこにも他の島は見当たらなかった。ここがどういう場所で、自分は一体いつからここにいるのか、もう覚えていない。だがこの島を出る必要もないのは、海を見渡せば明らかだ。時間と季節だけが巡り、ただ静かにこの生が終わるのを待っている #twnovel

2017-10-02 00:32:35
リュカ @ryuka511

まだ幼い竜や天馬を捕らえ、密かに売りさばく悪徳商人がいる。幻獣を守るべく少年達は立ち上がった。商人を尾行する。移動手段は何か、一人になるタイミングはあるか。商人が馬車を降りる瞬間、足元に魔法陣を敷く。追跡、攻撃、捕縛、何でもできる魔法陣だ。皆の苦しみを、思い知れ #twnovel

2017-10-03 01:15:55
リュカ @ryuka511

私と契約を交わした人間が死んだ。復讐の為に私の力を求め、悲願を果たし死んだ。自分が死んだ後は歯でも骨でもご自由にと言っていたが、悲壮で凄絶な復讐劇に私の何かが揺れた。人間の亡骸を抱え飛ぶ。恋人の墓だと言われた場所へ。質素な石を立てただけの墓。その隣に埋めてやった #twnovel

2017-10-04 00:54:17
リュカ @ryuka511

気高く孤高な君。誰も寄せ付けず、一人きりで突き進む君。君の世界の、ほんの片隅でいいから、僕に守らせてはくれないか。僕では君の力に到底及ばないけれど、君の行く先や君の背後に迫る危機を、払うことならできるだろう。一人で行く君を止められないけど、一人では逝かせない #twnovel

2017-10-05 01:02:48
リュカ @ryuka511

街の灯が燈る夜に、人々の暮らす温もりが満ちる。飾り立てたわけではないのに、この灯は心を和ませた。この街を守れて良かったと、青年は微笑む。人々は知らない。彼の決死の戦いを。だがそれでいいと彼は思う。彼は人々を愛していたが、人々も彼を愛するとは、考えにくかったから #twnovel

2017-10-06 01:15:46
リュカ @ryuka511

この土地を拓いたのはもう遠い昔の事だ。厳しい寒さや日照りに耐え、山や森や海の恵みに感謝し、共に生きた。やがて秩序や組織や階級ができた。それは様々なものを生み出し飲み込み、時代という大きなうねりとなった。やがてそれは収束し、枯れてゆく土地と共に、我々も消えていく #twnovel

2017-10-07 00:48:55
リュカ @ryuka511

砦が襲撃され銃撃戦になった。敵の兵力は僕らを圧倒的に上回る。銃を手に指示を飛ばし駆ける。「隊長!」悲痛な叫びが聞こえた刹那、胸に熱と衝撃が走った。だめだ、僕が倒れたら、ここは。遠のく意識。誰かが駆け寄る気配。もう、何も見えないや。見上げたはずの目に、空は映らない #twnovel

2017-10-08 00:59:23
リュカ @ryuka511

マフィアのボスに拾われたあの日から俺の人生は変わった。雑用係から徐々に要人誘拐の運転手や麻薬の運搬と、重要な犯罪に関われるようになった。スラムで野垂れ死ぬより遥かにいい。あの日喧嘩をふっかけてきた奴に感謝してやろう。俺が半殺しにしたそいつはボスの仇敵だったそうだ #twnovel

2017-10-09 01:21:34
リュカ @ryuka511

死者達を黄泉へ送り、死神は目を伏せ死者達を見送る。死の象徴として恐れられる死神だが、好き好んで死を招いているわけではない。死は天命であり、死神が死を決めているわけではないのだ。恐怖と呪詛を受けながら、それでも死者達の安寧を願う死神の祈りを、誰も知らない。 #twnovel

2017-10-10 01:53:49
リュカ @ryuka511

魔王軍の奇襲に城は炎に包まれた。民衆の保護を、王の無事を確認せねば。襲い来る魔物を斬り伏せる。猛る炎が夜闇を照らし出す。それは、見たくもない光景を見せつけた。どうしてこんな事に。感傷に浸るのは後回しだ。動ける部下に指示を飛ばし馬を駆る。魔王軍の好きにはさせない #twnovel

2017-10-11 00:46:34
リュカ @ryuka511

魔王が斃れた後、炎や血で穢された土地を浄化する旅を始めた。救世の勇者だけでなく、王宮の騎士に街や村の戦士達も魔王軍と戦い、世界中が戦場となった。枯れ果てた地に触れる。無抵抗のまま破壊された大地に胸が痛んだ。木々が、水が、剣を取れたら、その刃はどこへ向かうだろう? #twnovel

2017-10-12 00:18:15
リュカ @ryuka511

なぜお前はまだ王に忠誠を誓うのか。民衆の苦しみを、怒りを共に聞いたのに。俺達の蜂起を知ったお前は城に残ると言った。それが自分の道だと。そうして俺達は敵になった。振りかざす槍の先に見た、お前の笑み。「後は頼んだよ」 #twnovel 王制を内側から崩壊させたお前も、革命軍の同志だ

2017-10-13 00:00:31
リュカ @ryuka511

もう何もするまいと決めたのはいつだったか。人里離れた地に結界を張って密かに生きようとしたのに、遠くからもよく見える極彩色の虹を生成してしまった。強すぎる魔法の成果物は自分で消す事もできやしない。諦めて黙々と機を織る。単純作業に集中し魔法を封じる。死ぬまで、淡々と #twnovel

2017-10-14 01:32:53
リュカ @ryuka511

旅立ちの時、いやそれ以前から選択の余地なんか無かった。一方的に救世の勇者だと言われ旅立ちを命じられた。行く先々で依頼される魔物退治や人探しも、断る術が無かった。一体何の為に旅をしているのだろう。世界が魔王の手に落ちた所で、現状と何が違うのか、誰か教えてくれないか #twnovel

2017-10-14 23:58:08
リュカ @ryuka511

流行り病に罹り村を追い出された僕を救ったのは、森の奥に住む吸血鬼だった。始めは僕の血を狙って助けたのだろうと思っていた。けど、屋敷で介抱されるうちに違うと気づいた。彼は本気で僕を心配し助けてくれた。見知らぬ吸血鬼と見知った人間、今後どちらと生きるか。答えは明白だ #twnovel

2017-10-15 23:31:06
リュカ @ryuka511

長く過酷な旅の果てに、ついに仇を討つ事ができた。形見の短剣を奴の心臓に突き立てた感触が、まだ手に残っている。反撃を喰らった傷が疼き、仰向けに倒れた。全て終わったのだ。薄れゆく意識で見た雲ひとつない青空は、復讐劇の終幕に似つかわしくなくて、軽く笑って目を閉じる #twnovel

2017-10-17 00:28:16
リュカ @ryuka511

世界が闇で覆われし時、最後の光より希望が生まれる。古の言い伝えを信じ人々は希望を、救世の勇者の誕生を待ち望んだ。だが魔王軍の侵攻は進み人々は希望を捨てていく。所詮は古い言い伝えだと。人々は忘れていた。人々の希望こそ最後の光。光を失う世界に、勇者はまだ、生まれない #twnovel

2017-10-17 23:47:33
リュカ @ryuka511

かつて、この路地の先には実家があった。憂いなど何一つ無かった幼い頃。変わらない幸せな日々がずっと続くと信じていた。借金を背負わされ、遠くの親戚に預けられ育った。両親の消息を知ったのは最近だ。数年前の新聞、全焼した家屋と2名の死者が出た火災現場は、この路地の先 #twnovel

2017-10-18 23:48:56
リュカ @ryuka511

隣国の王との会談は、形式だけのものになっていた。国力の差は圧倒的で、こちらの要求など呑んではもらえない。民衆の暮らしを守ることは出来たが、王は国力を楯に次第に増長し始めている。形ばかりの笑顔で、いったい何度目の握手? 我々がいつまでも弱小国のままだと思うなよ? #twnovel

2017-10-20 00:53:12
リュカ @ryuka511

機械化された脳が勝手に僕の身体へ破壊を命じる。僅かに残された僕自身の脳が必死に抵抗する。僕の手には大きすぎる剣で、僕の手が街を破壊していく。僕を見て驚愕する君。切っ先が君に向く。僕を止めようと駆け寄る君。「ありがとう」 #twnovel 最後の気力を振り絞り、僕は僕の頭を破壊した

2017-10-21 00:26:42
リュカ @ryuka511

隣国に我が国の情報を売る。王族が自国の情報を売るなど、道に反するだろうか。しかし王の圧政に不満と怒りが満ちている。だが、力と恐怖で支配され人々は立ち上がれない。王位から遠い私も同様だ。外から崩してもらうしかない。国を売った私はどうなっても構わない、民を救ってくれ #twnovel

2017-10-22 03:12:00
リュカ @ryuka511

君は俺の帰る場所であり生きる希望だった。だから君を亡くしたあの夜に、俺は全てを失った。君の生命は理不尽な暴力で奪われた。ならば君の生命を奪った輩に、理不尽な暴力を返してやると誓った。復讐は何も生まない、そんな事はわかってる。だから何だ? 俺自身の破滅も覚悟の上だ #twnovel

2017-10-23 00:51:08
リュカ @ryuka511

やっぱり森の中は落ち着く。一仕事終え草むらに寝転がった。魔具に残った呪いを祓う。誰が私を貧民街に捨てたのか知らないが、物心ついた時から側にある魔具は唯一の相棒であり生きる術だ。この魔具の使い方が分かった時、自分の生きる道を見つけた。願いは一つ、世界を奪いこの手に #twnovel

2017-10-23 22:48:59
リュカ @ryuka511

「流れ星なんて一瞬でしょ。願い事なんて言えない。無駄だよ」彼女は何に対しても諦めた目で無駄だと言う。子供の頃から入退院を繰り返していたから無理もない。だけど。「ちょっと来い!」強引に外へ連れ出す。流れ落ちる無数の星。「一瞬で消えても次がある、簡単に諦めんなよ!」 #愛の流星

2017-10-24 23:39:27
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