妖夢と魔理沙

ハチ🐾 @hachisu716

妖夢が桜吹雪の中で刀を振り回してるので、稽古で桜の花びら斬ってるのかなーでもなんかぜんぜん当たってないぽいなって魔理沙が思うんだけど、考えてみれば実際は桜がこんなに舞い散ってるのにデタラメに振り回してて当たらないほうがおかしくて、

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実は桜のわずかな間隙を瞬時に見極めて、花びらの間を直線で結んで斬ってる、とかだとかっこいいかなっていう。

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魔理沙「桜を斬らないようにしてるのか？」 妖夢「あ、よく分かりましたね」 へたくそに見えたでしょ、と笑う妖夢。 魔理「最初はな。でも、そんなわけないよなあ。こんなに不規則に降ってて、当たらないほうがおかしい」 妖「さすが、よく見てますね」

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魔理「なんか意外。なんでも斬ってやるって感じだったからさ」 妖「斬れないものなどない、を目指してたからね」 言いながら、刀の切っ先を滑らせて、流れるように鞘におさめる妖夢。 魔理「“あんまりない”段階まではきたんだろ？」 妖「まだまだ」

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妖「あんまりないって、口上としてはちょっと恥ずかしかったよね」 魔理「んーなことは思っちゃいないけどさあ」 笑って頭の後ろで腕を組む魔理沙。 魔理「真面目だよなあ。とりあえず大げさに『無い！』って言っときゃいいのに」 妖「実力以上のものを云うのは恥ずかしいよ」

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妖「……近頃はね、目標が変わったんだ。全部を斬る、っていうんじゃなくて、斬らないものを増やせるようになろうって決めたの」 楼観剣のおさまった鞘を握りながら妖夢がつぶやく。 魔理「ほーお？」 妖「斬らないものを決めるのは、全部をたたっ斬るよりずっと難しいから」

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魔理「じゃあ、わたしのことも斬らないものに入れてくれよ」 けたけたと笑う魔理沙。 妖「どうかなあ。行いによるんじゃない？」 魔理「ひでーなあ。斬らないって言って、縁は簡単に斬るじゃないか」 つられて笑う妖夢。 妖「それは斬らないものじゃなくて、斬れないものかもね」

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妖「そんなにすっぱりいかないよ。魔理沙は根に持ちそうだもん」 魔理「よく分かってるじゃないか。宴会のたびに皮肉を言うぜ」 妖「わあ、絶対にこじらせたくない」 頭を振る妖夢に笑う。 魔理「仲良くしてくれよ」

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妖夢ちゃん西行寺家の従者として話すときは敬語使うけど、友達として話すときはちょっとラフになってわりと使い分けるような感じかわいくない？　と思う。 でもきっちりではない、みたいな。

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魔理沙が来ると「いらっしゃい」って言って、一旦「今日はどのようなご用件ですか」って訊くけど、 魔理沙が「よっす」って片手上げて挨拶しながら「暇つぶしのおばけ見」って言うと、 「またあ。そんなこと言うと、取り次がないよ」 ってちょっと崩すかんじ

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魔理沙「いいよ、別に。中に入らなくてもおばけはここにいるじゃん」 妖夢「あ、なんだ。わたしに用？」 魔理沙「お前のおばけに用」 妖夢「わたしは？」 幽霊部分が、くるりと妖夢の周りを回って妖夢の手元に来る。 まるで大型犬が従うように。

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妖夢がそれの一番ぽってりと膨らんだ、いわゆる先端部のような、頭のような部分に手を置く。 頭があるのかは知らないが。 そのふよふよとした半透明の霊的なものを面白そうに眺めながら、魔理沙が笑う。 魔理沙「“わたし”ってことは、浮いてるそっちがおばけ担当？　お前は人間のほう？」

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妖夢「どっちでもないけど。みんなこっちを完全な幽霊側って思うらしいから」 魔理沙「ま、そうだろうな」 妖「だから人間側って呼ばれると、わたしかなって思って答えるの」 魔理「まあ、無難だよな」 妖「魔理沙はどっちを見て言ってたの？」 魔理「んー？　別にどっちとかじゃないけど」

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魔理「お前という生き物が全体的に面白いなって思って」 妖「あんまり嬉しくないね……半分は生きてないし」 魔理「まあまあ。つまりは仲良くおしゃべりしましょってこと。女の子同士でしょ」 急にばちばちまばたきしてウインクする魔理沙に変な顔する妖夢。 妖「変なの……」

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魔理「おりゃ」 妖夢の半霊を抱えあげようとする魔理沙に気づいて、半霊をさがらせる妖夢。 妖「捕まえようとしないでよ……」 魔理「なーんかふかふかで気持ち良さそうなんだもん」 妖「もんじゃない……」

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魔理沙が妖夢と隣り合って座って談笑してて、友達とソファーでクッション抱えるみたいに妖夢の半霊抱えておしゃべりしてたらかわいくない？

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妖「お菓子くず零さないでよ……いつまで抱えてるの」 魔理「いやあなんか生あったかくって気持ちくてこれ」 妖「それもわたしそのものなんだからね」 魔理「でもなんかこう……クッションじゃん」 妖「もう」 と短くため息をついたと思ったら、 魔理「うおっ！？」 魔理沙がぎょっとして目を見開く

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魔理沙がクッションのように抱えていたものが、いつのまにか妖夢そのものになっていたからだ。 不満顔で魔理沙に抱えられている腕の中の妖夢は、ため息をついて、魔理沙が零した肩の菓子くずを払った。 驚いて隣を見ると、そこにもむろん妖夢が座っている。呆れ顔で。

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魔理沙が思わず腕を離すと、菓子くずを払った妖夢はすっとまた透けて溶けるようにいつもの半霊の姿に戻った。 魔理「び……っくりした。なに、お前そんなことも出来んの。分身みたいな」 妖「分身じゃなくて、半身。……あれ、見せたことなかったっけ」 魔理「初めましてだっての」

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妖「ちゃんとスペルカードにもしてるよ」 魔理「名前はよ？」 妖「幽明の苦輪。体術まじりが許されたときだけね」 魔理「おもしろ。わたしも分身したいなあ」 妖「魔理沙はひとりで充分だよ」 魔理「どーゆー意味だよ」 妖「ふたりいたらうるさいもん」 魔理「切れ味よすぎない？」

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カップリングではないけれど仲のいい妖夢と魔理沙はかわいいのでは？

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みんなで神社にお泊りして怖い話パーティーしたときに、じゃあ寝よっかおやすみーってなったとき、妖夢が魔理沙の裾つまんでて 魔理沙「……ん？」 妖夢「…………」 魔理「どした」 妖「いや……えっと」

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バツが悪そうな妖夢に、きょとんとしてこう言う魔理沙。 魔理「平気な顔してたから、案外いけんのかなー、と思って」 妖夢がおばけ苦手なのを本人から聞いてて普通に知ってた魔理沙。 妖「……そんなわけないでしょ……背中冷や汗でぐっしょりだよ」

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魔理「顔に出せよなあ。それか、やめてって言えばよかったんに」 苦笑しながらぽんぽんとつまんだ妖夢の手を優しく叩く魔理沙。 妖「だって、せっかく盛り上がってるのに、わたしだけ……」 魔理「そゆとこ真面目だってゆーのよ。だからお前んとこのお嬢様もこうやって外に出したんだろ」

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妖「うぅ……」 ぎゅっと目をつぶってうなる妖夢。 元々半霊のためか青白い顔をしているのに、さらに青ざめて見える。 魔理「ほれ、ちょっとここに座って休んでろよ。お茶淹れてきてやるから」 妖「……ひ……ひとりで？」 魔理「じゃ、幽明苦輪の妖夢ちゃんと一緒にいろ」