向川まさひでさんによる「右傾化」「保守化」現象の本質

「右傾化」「保守化」と言われる現象の本質
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向川まさひで(大和高田市議・日本共産党) @muka_jcptakada

「抗議」へのカウンターが「興味なし」というところから見ても、俗に「右傾化」「保守化」と言われる現象の本質は「私化」の深化だと改めて思う。それは私生活を豊かにしようという志向にとどまらず、自らの私生活を専らの価値基準とし、私生活を超えたもの、豊かにしないものを忌避・拒絶するものだ。

2020-05-11 22:45:23
向川まさひで(大和高田市議・日本共産党) @muka_jcptakada

これは消費社会の進展とともに進んでいると言われているが、特に個人単位の消費が広がった昭和50年代以降に顕著であると思う。そして新自由主義と適合的だ。個人をまず生産・消費活動のプレイヤーと見なし、それを妨げる規制や規範を除くことを求めることは、「私のもの」を求めることと相性が良い。

2020-05-11 22:45:23
向川まさひで(大和高田市議・日本共産党) @muka_jcptakada

そうした中で、「自分が自由であること」「自分が自分らしくあること」といったキーワードが用いられる。しかし注意深く見れば、それは経済活動、特に「消費」を通じてなされるように整えられている。規制や規範、イデオロギーから自由なようで、実際には消費社会のイデオロギーにからめとられている。

2020-05-11 22:45:23
向川まさひで(大和高田市議・日本共産党) @muka_jcptakada

経済活動から離れた趣味や文化も、市場での流行に左右されていたり、プラットフォームや発信源は商業媒体であったりする。これ自体が非倫理的とか反道徳とかいうものではないが、こうした環境に適応すると、自分にとっての商品価値の薄いもの、消費できないものへの顧慮が弱まる。

2020-05-11 22:45:24
向川まさひで(大和高田市議・日本共産党) @muka_jcptakada

クリエイターの政治的意思表示への反発も、自分の私的な消費領域に消費できないものが持ち込まれたように感じているものだと思う。そこに欠けるのは、消費できない他者の人格・人権への敬意であり、自分の私生活を超えた社会の存在だ。

2020-05-11 22:45:24
向川まさひで(大和高田市議・日本共産党) @muka_jcptakada

政治もまた、消費の対象となり、俗に「ワイドショー政治」と言われるような、鑑賞し消費できる部分のみが受容され、イデオロギーや政策の論争は捨象される。政治に「関心」は高まっても、それは「消費者」としての関心で、自ら問い問われる主権者としての意識は弱まる。

2020-05-11 22:45:24
向川まさひで(大和高田市議・日本共産党) @muka_jcptakada

こうした「私化」の深化は、民主主義社会にとってきわめて良くないと思う。しかし私は、政治が直接個人のライフスタイルや心理に手を突っ込もうとは考えないし、してはならないと考える。ただ、これを増幅している新自由主義の構造とイデオロギーを克服することで、転換が可能ではないかと思う。

2020-05-11 22:45:25