タチャンカという兵器について概説

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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

タチャンカについて概説する タチャンカは割と人気な兵器であるが、誤解されていることが多い兵器であるように思う 実態はずばり(あり合わせの)馬車に機関銃が載っているというだけの兵器である これを活用したのは(主に)騎兵であった これの登場以前のロシアの騎兵から少し話をしたいと思う pic.twitter.com/QQF6io9TNP

2020-05-14 21:25:16
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

ロシア軍騎兵はこういうイラストのせいかなんか槍騎兵とかが多そうに思うが、実態はだいぶ違うっぽい 槍騎兵はいたかもだが、この時期ロシア軍の騎兵の写真を見ると礼式以外で槍を持ったものは少ないというか、コサック騎兵ですら白兵はサーベルのほかを持っていない (3枚目が日露戦争時のコサック) pic.twitter.com/qGF9jkSNhx

2020-05-14 21:25:16
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実際ロシア軍はこのころから騎兵の下馬戦闘を重視し始めていたようで、軽機関銃すら与えている 日露戦争中、ロシア軍はマドセン機関銃を1250から1280挺程度導入していたが、そのうち600挺程度が騎兵に与えられていた 騎兵にどれだけいきわたってたかわからん(当時のロシア軍騎兵の写真を探してる)

2020-05-14 21:25:17
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

が、日露戦争中に日本の騎兵が敵騎兵から軽機関銃を鹵獲しているあたり、戦場にそこそこの数投入されていたのだろう (当時のロシア騎兵がマドセン機関銃持ってる写真を見つけたら教えてね。主に私が喜ぶ) そして、日露戦争の後ロシア軍騎兵はその戦訓をもって「騎兵用の機関銃」を要求した

2020-05-14 21:25:18
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

それがこれだ 銃自体はオーソドックスなマキシムなので、説明は必要ない 注目すべきはその騎兵向けに設計された三脚である 手早く折り畳め、そして高さも可変で取り扱い簡易 当時のロシア軍騎兵が要求したすべての要素が三脚に詰まっている 一気に据え付けパッと撃ち、すぐに撤収することもできる pic.twitter.com/sZY0Fo1ZHz

2020-05-14 21:31:24
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これは軽機関銃とともに騎兵が運用した 当然だが騎兵にとって扱いやすいものであっただろう しかし、第1次大戦がはじまると、大きな問題が発生してしまう それは「機関銃の生産が間に合わない」ことだ 生産力の限界があって、ロシア軍全体でも機関銃が足りなくなってしまう そして、それは起こった

2020-05-14 21:35:22
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

要は騎兵向けの三脚機関銃の生産が『当面の間』中止されてしまう 当時のロシア軍に歩兵向けのマキシムというのはこの写真のようなものだ これは騎兵にとって扱いやすいものではなかった もともとこの銃架に車輪があるのは陣地侵入を補助するためなのだが、つまりそれが必要なほどこの銃架は重い pic.twitter.com/fuYdRMXqw8

2020-05-14 21:43:39
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

さらには分解搬送も想定していない どのくらい想定してないかといえばこの写真のように、歩兵部隊では架台ごと丸々馬に乗せて移動させていたくらい (写真の馬は歩兵科の馬だそうで、馬丸ごとドイツ軍に鹵獲されてしまった時の写真だそうな) 車輪の径は小さく、曳いて移動することすらできない pic.twitter.com/kGhtJIlNEr

2020-05-14 21:47:46
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

当時のロシア軍騎兵将校は頭を抱えたことだろう 日露戦争の戦訓として騎兵に重機関銃がないわけにもいかず、しかし与えられるものは歩兵用の使いにくいものばかりだ 最初に誰が思いついたかわからないのだが、馬車にその扱いにくい歩兵用の機関銃をそのまま据えてしまえばいいと思いついたものがいた

2020-05-14 21:52:03
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

それがタチャンカである 馬車の大きな車輪は騎兵に追随でき、機関銃を配置に付けやすくなった 副次的な要素として移動時にも撃つことができるようになったことと弾が余計に持ってけるようになったことがあるが、これは当時の騎兵が欲しがった要素かはわからない 三脚の時に考慮されていない要素だ pic.twitter.com/6ICIpJpgo4

2020-05-14 21:56:30
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ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

これは便利であったためとかくたくさん作られて活用されたらしい ロシア革命の時代の象徴的な兵器扱いされるほど普及したそうだ タチャンカは本当にあり合わせで作られた兵器であるが、それは騎兵にとって扱いにくい歩兵用機関銃をどうにか有効に活用するための工夫の結晶と言えるだろう

2020-05-14 22:01:08
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

個人的に言うとあまり美しくなくて好きでないのだが、議論のたたき台として使われているこの兵器の認識が正しい例が少ないのでこのような概説が必要であると思い私が実施したものである タチャンカのついてもっと詳しい人や、あるいはその運用まで語れる人がいたら適宜補遺をしてほしい

2020-05-14 22:06:15
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

タチャンカの経緯はある程度わかるんだけど、使い方とか、もっと詳しいところまではわからんのです

2020-05-14 22:08:40
ウォルフガング・ゴッテンベルク【残余二万文字】 @C11katao

これはタチャンカとされる画像であるが、MGが載ってるのは火砲の前車か後車(要は弾薬や火砲のメンテナンスキットが入ってる車)っぽいので、どっちかというと砲兵向けの自衛火器かもだ 普通の馬車っぽくない pic.twitter.com/nufLWme6Ws

2020-05-14 16:54:44
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