【平川さん解説】検察庁法改正案についての論点すり替えに注意(2020.5.17作成)

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Hideyuki Hirakawa @hirakawah

検察庁法改正案についての論点すり替えに注意。(連投) 1.「定年延長は高齢化社会対応だから問題ない。」 —問題はそこではない。公務員の定年延長そのものや、検察官の役職定年の導入には誰も反対していない。反対されているのは、準司法官として独立性が求められる検察官幹部の役職定年延長を…

2020-05-17 09:46:00
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)…内閣・法務大臣が裁量・都合で行うのを許すことで、時に政権に検察が忖度し、政府や有力政治家の不正が見逃される恐れが拡大されることである。

2020-05-17 09:46:48
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)2. 「検事総長・次長検事・検事長の任免権は現行の検察庁法でも内閣にあるとされおり、内閣に人事権があるのは問題ない」 —これにも反対はない。また慣習として、準司法官としての独立性を護るために内閣による検察人事への関与は抑制的に行われてきた。

2020-05-17 09:53:21
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)…しかし今回の改正によって検察官部の役職定年を内閣の裁量で決められるようにすることは、検察の独立性を護る従来の法と慣習の壁に穴をあけることになる。 たとえていえばシステムへの不正アクセスを可能にするセキュリティホールをわざわざ作るようなものである。

2020-05-17 09:54:35
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)また内閣は最高裁判事の任命権も持っており、準司法たる検察に対する内閣の介入の度合いを強めることは、立法・行政・司法の三権分立をより脆弱にする恐れを高める。

2020-05-17 09:55:30
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

3. 「今回の改正により三権分立が侵害されることはないし恣意的人事が行われることもない」 —役職定年延長についての具体的な法的規則・基準がないままに延長可否の判断を内閣に委ねることは法治主義を否定した人治主義である。

2020-05-17 09:57:42
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)仮に現在の政権が節度を守って恣意的な人事を行わないとしても、将来の政権もそうしないとは保証できない。これを将来に渡って保証するのが法の役割(法による安定性と予測可能性の保証)であり、そのための法規則を欠いた改正案は致命的なセキュリティホールを組み込み放置する欠陥品である。

2020-05-17 09:59:17
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)そもそも安倍政権は、これまでも、各省庁の幹部人事や最高裁判事人事、さらには黒川弘務東京高検検事長の定年延長など、恣意的介入を強く疑われる人事を繰り返してきた。「恣意的人事は行われない」という安倍首相の弁を信用することは愚か。また、これは信用するか否かの「判断」の問題ではない。

2020-05-17 10:01:06
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)繰り返すが、法的規則なしに定年延長の可否を内閣に委ねることは法治主義の否定であり、「論理」の問題として安倍首相の主張を受け入れることはできない。

2020-05-17 10:01:58
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

4. 「検察庁法の改正は検察の暴走を防ぐためのものである」 —確かにしばしば検察は不当な捜査や起訴を、公人・私人問わず行ってきた。そうした「暴走」を防ぐのは、実務的なところでは刑事手続法の改正や、検察官適格審査会、検察審査会等の適性な運用による制御、さらには立法・行政・司法の…

2020-05-17 10:03:11
Hideyuki Hirakawa @hirakawah

続)三権の相互牽制や、最後は国民・市民や報道による監視によって、不断に検察権力の適正な行使を促すことによるのであり、役職定年を内閣が自在に行えるようにすることは有害無益である。 (連投終わり)

2020-05-17 10:05:15

関連メモ

内田 @uchida_kawasaki

【検察トップの人事権は誰が持つべきか】 改正案は「指揮権発動の制度化」と早大・水島朝穂教授 dot.asahi.com/dot/2020051600… @dot_asahi_pubから 『安倍政権が検察トップを“トモダチ化”して、検察を私物化しようとしている。こんな露骨なやり方は、まともな法治国家ではあり得ません』

2020-05-17 09:24:39
内田 @uchida_kawasaki

『これまでに唯一、指揮権が発動されたのが、1954年の「造船疑獄」事件です。安倍首相の大叔父にあたる佐藤栄作自由党幹事長(当時)が収賄の疑いで逮捕される見通しでしたが、犬養健法務大臣が…』 twitter.com/uchida_kawasak…

2020-05-17 09:25:52
内田 @uchida_kawasaki

造船疑獄 - Wikipedia ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A0… 『自由党への金の流れについては佐藤栄作と自由党会計責任者が後に政治資金規正法違反で在宅起訴されたが、国際連合加盟恩赦で免訴となった。』

2020-05-17 09:27:16
内田 @uchida_kawasaki

『後に犬養は『文藝春秋』1960年5月号に、「指揮権発動により法務・検察幹部を軒並み引責辞任させ、意中の男を検事総長に据えようという某政治家と検察幹部の思惑があった」とする手記を寄せている。』 twitter.com/uchida_kawasak…

2020-05-17 09:29:11