「『堀江貴文さんの本日午後の収監について』 @kenichiromogi さんのツイート集　2011-06-20 06:41~ 06:59」

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（１）本日、２０日に収監されると堀江貴史さん（ @takapon_jp）にうかがって以来、その日が近づくにつれて、御本人が体験していること、そのことの日本の社会における意味について考えて、次第に気が重くなっていった。堀江さん、どうぞお身体にお気をつけて。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（２）堀江貴史さんを検挙したことについて、多くの論者が「国策捜査」だったと語る。その時検察が守ろうとした「国益」とは何か？　ベンチャーの雄をつぶし、経済の新しい動きを止めることで、「既得権益」を守ることはできたかもしれないが、日本の停滞は決定付けられた。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（３）「やらかす」ことについては、堀江貴史さんもフェイスブックのマーク・ザッカーバークも同じ。一方では逮捕し、会社を事実上つぶす。一方はベンチャーの雄として、新しい経済の星となる。日本とアメリカの浮沈は、秩序の破壊と創造についての両国のセンスの優劣に発する。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（４）堀江貴文さんのテレビ局買収の動きが「エスタブリッシュメント」の虎の尾を踏んだとも。結果として「既得権益」は守られたかもしれないが、通信との融合が一向に進まない日本の放送業界は、一周も二周も遅れてしまった。アップルやグーグルの黒船はすぐそこに迫っている。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（５）堀江貴史さんの言動に眉をしかめていた「良識」ある人々の「良識」とは何なのか？　インターネットやグローバル化という文明の激動の本質を理解せず、旧態依然たる世界観にしがみつく人たちの策動により、日本はすっかり「失敗国家」になった。もはや中国の背中も見えない。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（６）堀江貴史さんを五月祭のゲストとして呼んでおきながら、直前にキャンセルした東京大学の関係者に対して、卒業生の一人として深い失望と憤りを感じる。国際化に真摯に取り組まず、政府と一体となって既得権益の壁を作る東京大学は、今のままでは世界の中の地位は低下する一方。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（７）堀江貴史さんは、会ってお話すれば技術についての造詣も深く、論理的にものを考え抜く力があり、中長期にわたる虹の補助線を引ける人である。このような逸材を失脚させ、塀の中に閉じ込めることで、停滞日本は一体どこに向かおうとしているのだろうか？

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（８）堀江貴史さんが自ら身体を張って言挙げするのに対して、堀江さんを指弾し、既得権益を守る側は匿名性のベールの中に隠れて、一向に顔が見えない。この非対称性こそ、日本病の本質。一人ひとりが自立し、偶有性の海の中で結び合う新文明の文法から程遠い。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ほえ（９）ぼくは堀江貴文さんにオスカー・ワイルドの『獄中記』をプレゼントした。時代の寵児だったワイルドは、やはり嫉妬と偽りの正義感のために獄中に入り、そこで自分を見つめてキリストの本質にたどり着いた。堀江さんが、塀の中で自分の中の井戸を掘って下さることを期待します。

茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、本日収監される堀江貴文さんについての連続ツイートでした。途中、お名前の変換ミスをしてごめんなさい。（後から気付いた）堀江さん、どうぞお元気で。日本は停滞したままですが、いつかきっと変わると思います。時代があなたを必要とすることでしょう。