『若おかみは小学生!』は家族を人為的被害で亡くした経験のある人にはつらすぎる説…「織子は過剰適応に見える」「ただの小学生としてのおっこはどこに」など

若女将を見ていて辛くなる根源
86
若おかみは小学生!

小林星蘭,水樹奈々,松田颯水,薬丸裕英,鈴木杏樹,ホラン千秋,設楽統(バナナマン),山寺宏一,遠藤璃菜,小桜エツコ,一龍斎春水,一龍斎貞友,てらそままさき,高坂希太郎,吉田玲子

浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

作家。一般社団法人日本推理作家協会員&変格ミステリ作家クラブ会員。著書「されど罪人は竜と踊る」等。Discord上に公式ファンクラブがあります。★FF外は見えない設定です。支援:amazon.jp/hz/wishlist/ls…

asaippoi.blog51.fc2.com

浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

「若おかみは小学生」を見たが、家族を人為的被害で亡くしたことがある人にはきつい。  事故で両親を失い、イマジナリーフレンドを三人も必要とする深刻なPTSDを受けた小学生が、労働によってしか存在価値を示せず、また事故とはいえ両親の死の原因となった加害者を許すほどの成長を求めるのが。

2020-05-16 20:19:43
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

自著でも他人の原稿への指摘でもやったが、過剰適応だと思う。周囲や社会が望み好ましい、若おかみという仮面と役職に悲しみを封じこめて解決したように見えるが、過剰適応は後々にうつ病やパニック障害を引き起こす。子供には子供らしい悲しみの回復過程があってもいい。早く大人になる子は不幸だ。

2020-05-16 23:59:22
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

「勉強やスポーツをして親や教師にいい顔をして、見えないところでちょいとしたいじめや薬で気張らしやって、大企業に入って人生を上手くやればいい」と社会をそのまま自分だと内在化して過剰適応した結果、大企業の近くのメンタルクリニックにはエリート患者の行列ができる、となっているわけで。

2020-05-17 00:05:16
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

だいたいの場面が、若おかみのおっことしての立場で他者と会う。同年代とただの小学生の織子として遊ぶ場面も少なく、織子として関われるイマジナリーフレンドたちは消えていく。残るのは若おかみという仮面で、両親の死という激烈な悲しみ、そしてただの小学生としての織子自身はどこへ行くのだろう。

2020-05-17 00:22:08
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

いつもの小ボケをしていたら、フォロワーさんから「今は小ボケでなく、バズったら宣伝です!」と大合唱される。ええと「されど罪人は竜と踊る」「TOY JOY POP」「Strange Strange」等、人を傷つける本を書いていますので、買ってから読まずに良いリプなりクソリプなりしていただけるとありがたいです。

2020-05-18 20:09:07

共感

余咫弐(鍵をつけたり外したりします) @YoshiyoshiMarie

@AsaiLabot2 私がモヤモヤしていたことを表現してくださって落ち着きました。子供の頃に母が病死だった私でも、イライラして💧途中で見るのをやめました。男の子なら「若旦那は小学生」やるのか?とも。あの話が理想だと信じ、遺児に押し付ける人がいないか、も心配です。遺児の立場でも様々でしょうけど。

2020-05-17 12:01:45
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

@YoshiyoshiMarie 私は児童心理や精神医療の専門家ではないですが、家族を失った子供や人に必要なのは、支援や通常生活だと思います。作品は異常に強い子供の特殊で限定的な回復例だとしておいてほしいところです。 仕事や立場という仮面で支えることも、大人なら可能かもしれませんが、それでも辛いでしょう。

2020-05-17 18:56:20
モミルン @oppai_momirun

@AsaiLabot2 織子が巻き込まれたのは 多重衝突事故だから 現実世界の大人の事情で 作品を引き伸ばそうと思えば 第二第三の加害者を登場させられる 残酷な構造を持ってる作品なのが 若おかみ

2020-05-17 06:25:46
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

@oppai_momirun 一人目の加害者は後悔して謝罪するタイプでしたが、たいていの場合加害者は「自分こそが被害者だ」と言いはるか思っていて、そもそも弁護士を通して事務的な言葉を伝えるだけで会いに来ないです。子供にそれは受け止められないでしょう。

2020-05-17 19:07:39
長田莉々/Riri Osada @FreeWhipped

@AsaiLabot2 @chigurisu 同じ理由で難病ものの作品も、手が出ないです(本当に素晴らしい作品もあってそれも退けてしまってるかもですが)覚悟のいる設定を、単に物語のフックの1つとして捉えるかのような作品には違和感を覚えます ポイントがずれてしまってすみません😭

2020-05-17 22:25:15
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

@FreeWhipped ご指摘のように、別の話となりますが「大人が正しいのは分かるけど、子供には子供の言い分があるんだ」という作品の場合、最終的には親が出てきて決断して責任を取る、というのは創作者としては避けたくなります。決断して責任を取ることこそ、たいていの主人公の資格だと思われているはずですので。

2020-05-17 22:32:28

評論に関するオススメ本

浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

起きたら1・9万いいねになっていた。評論を初めて見た、という人はクソリプをしがちなので、まずここらの本がいいのではないかと勧めてみる。初手は「批評理論入門」廣野 由美子がお勧め。 twitter.com/AsaiLabot2/sta…

2020-05-19 03:35:05
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

評論や分析で遊んでみたい人向けの本なら、ここらがいいんじゃないかなと思う。 「ナボコフの文学講義」ウラジーミル・ナボコフ 「大学教授のように小説を読む方法」トーマス・C.フォスター 「批評理論入門」廣野 由美子 「人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か」スティーブン・ピンカー pic.twitter.com/ARBupRkzEE

2020-05-06 19:33:08
浅井ラボ@されど罪人は竜と踊る24(2023年2月17日発売) @AsaiLabot2

評論や分析で遊んでみたい人向けの本なら、ここらがいいんじゃないかなと思う。 「ナボコフの文学講義」ウラジーミル・ナボコフ 「大学教授のように小説を読む方法」トーマス・C.フォスター 「批評理論入門」廣野 由美子 「人間の本性を考える ~心は「空白の石版」か」スティーブン・ピンカー pic.twitter.com/ARBupRkzEE

2020-05-06 19:33:08
拡大
拡大
拡大
拡大
ナボコフの文学講義 上 (河出文庫)

ウラジーミル ナボコフ,野島 秀勝

ナボコフの文学講義 下 (河出文庫)

ウラジーミル ナボコフ,野島 秀勝

大学教授のように小説を読む方法

トーマス・C. フォスター,矢倉 尚子