2020年5月29日

【北朝鮮の鉄道】赤旗1号はどこから来た?

赤旗1号はチェコスロバキア製機関車を原型としたというのが通説となっている。本当にそうだろうか?
4
赤旗1号とは

1962年に国内で開発され、多数が製造された国産の6軸直流電気機関車であり北朝鮮の機関車の中で最大の勢力を誇る。「赤旗6号」や「万景台」などの派生型が生まれ、現在も「赤旗」の名を冠する機関車は製造され続けている。

チェコのスコダ(シュコダ)社が開発・製造したE499.0形電気機関車のコピー車両であるというのが定説となっているが、今回はこの説に対しての疑問点と新説を述べる。

※チェコスロバキアのスコダE499.0は22E2や141など複数の呼び名を持つが、便宜上ここではスコダE499.0と呼ぶことにする。


ツイートのまとめ
ARMY-G @armyghobby

定説では赤旗1号はチェコスロバキアのスコダ E499.0形の設計を基にしたとされるが、これは違うんじゃないかと思う。 参考文献のない新説にはなるが、自分としては、少なくとも車体設計に関してはポーランドのPKP EU20形が赤旗1号の基になっていると考えている。

2019-02-12 05:23:28
ARMY-G @armyghobby

(根拠その1) PKP EU20形に酷似した赤旗1号の製造中の写真( commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Red_… )が存在していること。 比較:(2枚目) commons.m.wikimedia.org/wiki/File:EU-2… pic.twitter.com/BKC2izvk3Q

2019-02-12 05:31:31
拡大
拡大
ARMY-G @armyghobby

(根拠その2) 車体各部がE499.0と比較して共通部分が多いこと。 ・屋上機器の形状 ・台車形状 ・車体袖部の帯(リブ)の有無 など 特に顕著な点が台車であり、製造元のポーランドでさえ同設計の台車の採用車種は他にない。 1枚目 locomotives.com.pl/Electric%20Loc… 2枚目 nic.funet.fi/index/pics/rai… pic.twitter.com/61ebHkmp9V

2019-02-12 05:59:34
拡大
拡大
ARMY-G @armyghobby

車体側面のグリルの有無こそあるものの、全体としてスコダE499.0よりも共通点は多く、そもそも2軸ボギーの動力台車を戦後復活間もない北側が独力で改良し量産化したと見るのには無理があるように感じる。 参考(スコダE499.0) commons.m.wikimedia.org/wiki/File:Olom… と同写真の台車部拡大 pic.twitter.com/dvMld407fM

2019-02-12 06:10:43
拡大
拡大
ARMY-G @armyghobby

E499.0系列は22E2形と30E2形が輸出されているが(両数不明)、PKP EU20形は輸出もライセンスの話も聞いたことがないので詳細は謎。先ほどの写真を比較してみるとスカート部分の差異が見られること、EU20は1958-59製造なのに対して赤旗1は1960以降製造であることからライセンスの線もあるのではないか。 pic.twitter.com/ufPHde9la8

2019-02-12 06:21:09
拡大
拡大

1号機はチェコスロバキア製のE499.0そのままの機材を国産として発表したとの文献もみられ、ほぼ現在の定説となっているが、現在確認できるE499.0は赤旗型を名乗らず「電気」形50番台とされている。すくなくとも現時点では、「赤旗=E499.0」ではないのだ。
また、純粋な国産の「赤旗1号」初号機が存在し、公式メディアにも映っている点も考慮しなければいけない。(参考:下の画像)

赤旗1号型初号機とみられる≪赤旗1号≫

リンク 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします 【写真】45年目を迎える北朝鮮の電気機関車 中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします
ARMY-G @armyghobby

このE499.0形、ずっと赤旗1号形だと思っていたのだが、車番は『전기52(電気52)』のように読める(少なくとも赤旗ではない)。また、前面の赤旗レリーフも付いていない。 flickr.com/photos/3268189…

2017-09-26 00:42:14
ARMY-G @armyghobby

赤旗1号がE499.0由来だと知った時、(金星形や北製造の自動車や軍用車両などと比べて)原型とのあまりの見た目の違いに「ンなアホな」などと思っていましたが、やっと納得できそうな答えが見えて来たので報告しました。これ以降は調べられる気がしないので、欧州鉄などの皆さんにお任せします。

2019-02-12 06:28:59

おまけ・赤旗1号ファミリー

赤旗1号形の原型・発展型とみられる車両を以下にまとめました。一部の説明はWikipediaなどの他サイトや書籍と異なっている部分がります。

※形式の表記は「形」、車番は「番台」に統一してあります。「型」「クラス」は海外車両の形式名や軍艦の艦級などに使用されるものの、鉄道形式として国内で使用される頻度としては「形」が一般的なため。「シリーズ」も同様。
※「~号」は形式名を指す場合もあれば単一車両を指す場合もあるため、形式名を指す場合、ここでは便宜上「~号形」と記載する。

  • スコダ22E2形/電気形50番台
    B-B 箱型
    1950年代半ばに北朝鮮に輸出されたチェコスロバキアの電気機関車。赤旗1号の技術的基盤になったと推測される。
  • スコダ30E2形
    B-B 箱型
    北朝鮮に輸出されたチェコスロバキアの電気機関車。赤旗1号の技術的基盤になったと推測される。
  • 赤旗1号(붉은기1호)形
    C-C 箱型 1962~
    車両番号:5000・5100・5200・5300番台
    北朝鮮で開発された初の本線用電気機関車とみられる。多数が製造され、北朝鮮の電気機関車の最大勢力となっている。
    5300番台の途中からは全部形状の流線形が赤旗6号形に近いものとなった。これが赤旗2号形あるいは万景台形と分析される場合もある。
  • 赤旗2号(붉은기2호)形
    C-C 箱型
    赤旗1号形の改良型。該当車両不明。
  • 赤旗6号(붉은기6호)形
    B-B+B-B 箱型・連接
    車両番号:6000番台
    赤旗1号に類似した北朝鮮最初とみられる連接機関車。平羅線の難所である陽徳(ヤンドク)峠を越えるために金日成主席の指示で制作された。この機関車と同時に100トン積の8軸大型無蓋車が開発されている。
    100トン積貨車についてはSY1698氏のまとめをご参照ください。
  • 赤旗7号(붉은기7호)形
    B-B+B-B 箱型・連接
    CSE26-2や赤旗形5400番台に似た車体形状をもつ連接機関車。赤旗2.16号とも呼ばれ、平壌の三大革命事績館に1両が保存されている。
  • 万景台(만경대)形
    C-C 箱型
    赤旗1号形の改良型。≪万景台(만경대)≫号がこれにあたるとされる。
  • 赤旗(붉은기)形100番台
    B-B 箱型
    車体形状は4000・4100番台と同様だが、前頭部形状が平滑になっている。参考画像
  • 赤旗(붉은기)形 900番台
    900-XXという番号で主に機関車形の電車に附番されている。これに加え、赤旗1号と同一形状の車両にも附番されている。
  • 赤旗(붉은기)形2000番台
    B-B L字型(エンドキャブ)
    ロードスイッチャー(本線走行も行う入換機)のように本線用機関車級の大きさをもつ片側キャブの機関車。
  • 赤旗(붉은기)形4000・4100番台
    B-B 箱型
    赤旗1号形の4軸版ともいえる車両たが、前部の形状は赤旗1号形の流線形よりもやや直線的な形状となっている。
    また、近年製造された車両はCSE26-2形ディーゼル機関車に近い角形の形状となっており、4054号機が三大革命事績館に保存されている。車両番号は新旧で前後しているため、製造順および車体形状に対応していない。
  • 赤旗(붉은기)形5400(90000)番台
    C-C 箱型
    現在製造されている赤旗系列の機関車。車体形状はCSE26-2形ディーゼル機関車に近い角形の形状。
    2016年に5437号機『朝鮮職業総同盟第7回大会記念号』が完成した時には公式報道がなされた。2019年には新線開通式典の列車をけん引している姿が公式メディアに掲載されている。
  • 先軍赤旗1号(선군붉은기1호)形
    B-B 箱型 2011
    2011年公開された。初号機は国旗を想起させる赤と青を基調とした初採用とみられる塗装をまとっている。但し2号機以降は、車体形状が変更され、塗装も一般的な緑系統の塗装となった。

コメント

ARMY-G @armyghobby 2020年5月29日
まとめを更新しました。
0
ARMY-G @armyghobby 2020年6月3日
まとめを更新しました。 中央日報の『【写真】45年目を迎える北朝鮮の電気機関車』のリンクを追加
0
ARMY-G @armyghobby 2020年6月3日
まとめを更新しました。 「おまけ・赤旗1号ファミリー」を追加
0