2020年5月31日

掌小説語り~自作つぃのべる集~58

自作つぃのべるのまとめです。 2018年2月分。
0
リュカ @ryuka511

暗い空に浮かぶ赤い月に愕然となった。故郷で何が起きたのだ?任務を放り出して帰りたい衝動に駆られる。だが、今から帰っても手遅れだろう。「怖いの?」地球での友が心配げに問う。「珍しいけど、単なる自然現象だから心配ないよ」曖昧に微笑む。たとえ故郷がなくなっても、秘密は明かせない #twnovel

2018-02-01 00:07:03
リュカ @ryuka511

「どうぞ召しませ」生ぬるい闇と寄せた唇に眩暈を感じる。違う、そんな事をしに来たんじゃない。奴が足しげく通う遊郭の遊女達なら何か知っているかもしれないと潜入した。だが、彼女達は壊れた心で愛して下さいと請うばかり。何も得られなかったが、彼女達を壊した奴を、必ず断罪してみせる #twnovel

2018-02-02 00:41:38
リュカ @ryuka511

出陣を控え俺達を鼓舞した女王は最後に告げた。「生きて帰れ」意外な言葉に頭を上げれば、女王はいつもの厳しい表情で俺を見る。「どうかしたか?」「それはご命令ですか?」女王は微かに目を伏せた。「これは命令じゃなく、懇願だ」貴女の願いを叶えるのが俺達の使命。必ず生きて帰りましょう #twnovel

2018-02-02 23:12:52
リュカ @ryuka511

浴室で倒れていた彼女の死因は感電死であり、彼女は失恋を苦に自殺したと断定された。だが私の直感は違うと告げている。彼女はあいつに殺されたのだ。証拠があればいいのだが。そうだ。 #twnovel 「ん?被害者の飼い猫か」「警部、猫を飼ってる人が飼い猫のその後を考えず自殺するとは考えにくいです」

2018-02-04 01:46:37
リュカ @ryuka511

異国から嫁いできたあの人はいつも愁い顔だった。違う言葉、違う文化。これが大恋愛の末の結婚なら、それらを受け入れ馴染むのは苦ではなかっただろう。だがあの人は政治の道具にされただけ。蒼く揺れる瞳の水面に映すのは、望郷の念だろうか。私を見てくれたなら、少しは愁いを晴らせるのに #twnovel

2018-02-05 01:08:05
リュカ @ryuka511

砦を守っていた戦士は敵軍の猛攻に全滅した。残された者達は戦いの心得を持たない者ばかり。敵は投降を呼びかけてくる。一同は顔を見合わせ決意を固めた。投降しようが戦おうが無事では済まないのは明白。ならば。戦士が残した剣や槍を手に立ち上がる。希望ある明日へ。鬨の声が砦に響いた。 #twnovel

2018-02-05 23:23:35
リュカ @ryuka511

今宵も貴女を想い歌を詠みます。貴女の下には数多の文が届けられると聞きました。位の高い家の貴女を射止めれば我が家は安泰と、父は私を鼓舞します。しかし私は家の事や立身出世も関係なくただ貴女を欲しているのです。あの暗き夜、御簾越しに聞いた貴女の声に、私の心は捕らえられたのです #twnovel

2018-02-07 01:00:38
リュカ @ryuka511

のどかな草原で草笛を吹く羊飼いは、かつて魔王を討伐した勇者だった。穏やかな笑みで羊の群れを眺めるその姿に、悲壮な顔で旅をしていた頃の面影は無い。大切な人を守りたい、それだけだったのに。人々は英雄が人間である事を許さなかった #twnovel 地上には今、羊の群れと元勇者以外に、何もいない。

2018-02-08 01:11:03
リュカ @ryuka511

悪疫が流行る時代には魔女狩りも横行する。邪魔者を密告し抹殺できる絶好の機会を利用しない手はない。考える事は誰しも同じ。悪疫で命を落とす者、魔女狩りの犠牲者、街の人口はあっという間に激減した。 #twnovel 本物の魔女は嘲笑う。他者のせいにしか出来ない愚かな人間共、せいぜい殺し合うがいい

2018-02-09 00:06:35
リュカ @ryuka511

どうしてそんな顔が出来るのだ。私を襲う村人を皆殺しにしたのだ、怖くないのかと問うとお前は笑って答えた。君こそ僕が怖くないかと。自分は理不尽に私を殺そうとした村の人間なんだと。村人を斬り殺し躊躇いなく私に手を差し出す。もう私を脅かす者はいないと。私という魔女が死んだ夜の事 #twnovel

2018-02-09 23:35:36
リュカ @ryuka511

革命は成らず、革命軍は逆賊として追われることになった。散り散りとなり、官軍の手を交わし逃げる。戦いには時勢を見極める必要がある。決起するには早かったのだ。まだ今は息を潜めて、機会を待つ時だ。どれ程の時をかけても、腐った王朝を倒し世を変えてみせる。希望は引き継がれるのだ #twnovel

2018-02-11 00:57:48
リュカ @ryuka511

「ごめんね、痛いでしょう?」貴方は工具も持たずに千切れた私の腕を必死に繋げようとする。「大丈夫、痛覚はありませんから」貴方の作業を止めるべく手を握ると貴方はぽろぽろと涙を零した。プログラム通りの行動なのに、貴方の反応に混乱する。貴方を泣かせるなんて、私は判断を誤ったのか? #twnovel

2018-02-12 01:51:17
リュカ @ryuka511

厄介な拾いものをしてしまった。使い魔にするには魔力が無い、食うには骨と皮しか無い。雑用でもやらせるか。 #twnovel 数年後。私の留守中を襲撃した人間が、こいつの仕掛けた罠に殲滅させられた。「手先は器用なんで」無邪気な笑みでえげつない罠を指す。頼もしいじゃないか #魔女集会で会いましょう

2018-02-13 00:40:24
リュカ @ryuka511

神託に選ばれた勇者によって魔王は倒された。人々は、世界はたった1人の勇者に救われたと語る。そうじゃないと、少女は首を振る。ここで魔王軍の侵攻を食い止めた戦士達がいたのだ。全滅してしまったが、魔王軍にも壊滅的な打撃を与えたという。父と兄を想い、少女はそっと一輪、花を手向ける #twnovel

2018-02-14 00:37:33
リュカ @ryuka511

妙に浮かれる夫の鞄からチラッと見えた包みはどう見ても手作りチョコ、しかも本命だろう。そう。やるなら今日だ。手袋をはめて慎重に包みを解き、味噌汁に入れるつもりだった物をチョコに混ぜた。 #チョコラ 深夜。「おっ、あの娘からのチョコはアーモンド入りかぁ。……っ!」 #レッドバレンタイン

2018-02-15 00:35:43
リュカ @ryuka511

僕が恋した人は人間ではなかったらしい。「君と私は生きる世界が違うんだよ」彼女は楽しそうに笑って手を振った。「全てを捨てたらまたいらっしゃい、王子様」気がついたら城に戻されていた。そんな事できないと思われたのか。僕は第二王子、ここにあるのは何もかも兄の物。僕は貴方と生きる #twnovel

2018-02-16 00:28:52
リュカ @ryuka511

私が心惹かれたのは美しき王女、の異母妹である少女だ。王の娘でありながら側室の娘である彼女の、悲しげな瞳は私を惹きつけた。王女の替え玉である彼女は、王女以上の危険にさらされる。建国祭のパレードも彼女が出る。彼女の馬車に近づき囁く。「護るから、俺が」私は貴女の騎士になる #twnovel

2018-02-17 01:12:32
リュカ @ryuka511

岬から孤島を包む海を臨む。どこまでも遠く水平線が見えるばかりで、逃げ道など無いという現実を突きつけられる。だがそれでも、王国へ戻って無実を証明し、復讐を遂げなくてはならない。あの王国で暮らす民の為、私を信じてくれた人々の為。次期国王の肩書きを、捨てたつもりはない #twnovel

2018-02-18 01:29:12
リュカ @ryuka511

少女の細い首に少年はそっと手をかけ力を込めた。だがそれは殺意にあらず。少女が少年の手を包む。苦しげに開かれた少女の唇に少年の涙が落ちた。不治の病から少女を救いたくてなのにこんな方法しか知らなくて。少女が微笑むから、少年は泣きながら笑み返す。すぐに追いかけるから、待ってて #twnovel

2018-02-19 01:55:35
リュカ @ryuka511

魔王に攫われた私を助ける為、あの人が勇者を名乗り旅立ったと聞きました。魔王は配下の兵に勇者討伐を命じます。私はあの人の勝利を祈りました。しかし、魔王を討ったのは別の人。その手を私は拒みました。あの人はどうして来ないの?私はいまでも此処にいます、いまでも貴方を待っています #twnovel

2018-02-20 00:04:13
リュカ @ryuka511

戦闘には勝利したが街は壊滅的な打撃を受けた。人々の非難は悪の組織だけでなくヒーローにも向いた。ヒーロー不要論が高まる中、テレビを消し少女は呟く。「私達、何の為に戦ってるんだっけ」暗い画面を見据える少女の頬を少年の手が包んだ。「俺はお前のいるこの星を守りたい。それだけだ」 #twnovel

2018-02-21 01:35:37
リュカ @ryuka511

神官兵によっていくつもの村が焼き払われた。それは王の命令であり、神官達は何も聞かされていないという。それでも神官達は盲目的に命令を遂行した。隣国へ逃げ延びた村人は震えながら語る。王も恐ろしいが、何の疑いも持たず村を攻撃する神官達の、感情の無い目が何よりも恐ろしかったと。 #twnovel

2018-02-22 01:09:00
リュカ @ryuka511

荒廃しきった世界に、歌うように呟く少女の姿があった。枯れ果てた地に、花の種を植えましょう。水も肥料もやれないけれど、この地に生命があった証に。たとえ咲いた花を見る者がいなくとも、死にゆく大地への餞と贖罪に。もしもこの地にまた花が咲いたなら、奇跡は希望となるでしょう #twnovel

2018-02-23 01:10:12
リュカ @ryuka511

棺桶の中に眠る聖女を見つめる。世界を救うには彼女を蘇らせなくてはならない。彼女は世界が危機に陥る度に蘇り、世界を救う為に死ぬ。それは彼女が望んだ事なのだろうか。世界を救う為だけに存在する聖女。眠る彼女の顔からは何も読み取れない。彼女をまた蘇らせるのは、果たして正しいのか #twnovel

2018-02-24 01:19:47
リュカ @ryuka511

異世界で魔王を倒し元の世界に帰った、はずだった。呼び戻されたこの世界は更に荒廃している。召喚師は憂い顔で語った。「世界は魔王に対抗する事で一つになっていました。魔王がいなくなり国同士で争い始めたのです。」「それで、私にどうしろと?」「魔王を蘇らせる為に、力を貸して下さい」 #twnovel

2018-02-25 00:03:48
残りを読む(3)

コメント

コメントがまだありません。感想を最初に伝えてみませんか?