ハムレットと異文化 カルチャーギャプ

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安田鋲太郎@再勉強中 @visco110

人類学者ローラ・ボナハンがアメリカン・インディアンのティヴ族に『ハムレット』を語るエピソードはくっっっっっそ面白い。彼女は『ハムレット』が文化の違いを越えた普遍的な物語だと信じているが、ティヴ族は全然思ったような感想を抱いてくれないのである→

2020-06-03 14:43:26
安田鋲太郎@再勉強中 @visco110

ハムレットは母ガートルードが父の死後に再婚するのが早すぎると嘆くが、ティヴ族にとっては、ガートルードの再婚までの期間は充分に長く、「よくこれだけ我慢した」ということになる。 致命的なのは、ティヴ族が霊の存在を信じていないことで、ハムレットの父の霊の出現がどうやっても理解されない→

2020-06-03 14:45:28
安田鋲太郎@再勉強中 @visco110

「亡霊とはなんだ? それはまぼろしなのか?」 「いいえ、死んではいるけれども、歩き回ったり、話したりできる存在のことです」 「それはゾンビのことか? ゾンビなら、魔術師によって歩かせることが出来る」 「えーと、ゾンビではなくて死人なんです」 「死人が歩くわけがないだろう」 で吹いたww

2020-06-03 14:47:51
安田鋲太郎@再勉強中 @visco110

それから、亡霊が何人かの目の前に現れたあと、最終的にハムレットに重大な事実を告げるシーンではティヴ族の年寄りたちが憮然としたという。 「そういう大事な話は、まず年寄りにするべきだ」

2020-06-03 14:52:31
安田鋲太郎@再勉強中 @visco110

最終的には、ティヴ族の長老が 「まあまあ、この女さんの国では死人はゾンビでなくても歩くことが出来るんだろうw」 と皆の衆をなだめ、袋からコラノキの実を取り出して、毒入りではないことを示すために一口かじったあと、ローラ・ボハナンに差し出したのであった(めでたしめでたし)

2020-06-03 15:05:09
安田鋲太郎@再勉強中 @visco110

伸びてるっぽいので出典を記しておきます 《Hamlet chez les Tiv》trad.Jean Verrier,in Revue des Sciences Humaines,Presses Universitaires de Lille(1995) 日本語では下記にて比較的詳しく紹介されています ピエール・バイヤール『読んでいない本について堂々と語る方法』 amzn.to/2ZZIP8t

2020-06-03 15:55:31
リンク www.amazon.co.jp 読んでいない本について堂々と語る方法 読んでいない本について堂々と語る方法 816
Sserunjoggi (Gaku P. Moriguchi) @ugmpola

失礼ながら、ティヴは「アメリカ・インディアン」でなく、西アフリカの民族。ちなみに人類学者の名前はローラ・ボナハンでなく、ローラ・ボハナン Bohannan。つまらない正誤の指摘に思えるかも知れませんが、夫のポール・ボハナンと並び、著名な人類学者の方ですので。 twitter.com/visco110/statu…

2020-06-03 16:25:07
Sserunjoggi (Gaku P. Moriguchi) @ugmpola

原典はこちら。 "Shakespeare in the Bush," Natural History, August/September 1966。 stuy.enschool.org/ourpages/auto/…

2020-06-03 16:38:57
安田鋲太郎@再勉強中 @visco110

失礼しました。どちらも訂正のとおりです。 twitter.com/ugmpola/status…

2020-06-03 16:43:50