編集部イチオシ

ゲーム開発の思い出

3年ほどアーケード・ゲーム開発をしてた時の思い出話です。30年以上前の話です。加齢による忘却の前に記録しておこうと(笑)
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S.F. @SFPGMR

まあそんなこんなでFM77ーAVも購入して6809のアセンブラも覚え、ゲーム会社に滑り込んだわけですが。

2020-06-05 20:59:50
S.F. @SFPGMR

私はそのゲーム会社に中途採用で入社した。その会社はアーケード・ゲームやファミコンのゲームを作っている会社でね。私はアーケード・ゲーム(いわゆるゲーセン)の課に配属となった。新入社員だと研修があったようなんだけど、入社した時はなかった。後で入ってきた新入社員と一緒に研修は受けたな

2020-06-05 21:03:03
S.F. @SFPGMR

プログラム知識はあるということで、いきなりゲームのプログラム・リストの束と基板を渡されて、勉強するように言い渡された。当時はラインプリンタに両端に穴の開いたプリンタ用紙で、5センチくらいの厚さがあったかなあ。。そういうのを読みながらICE使って動きを覚えるんだよね。

2020-06-05 21:05:15
S.F. @SFPGMR

一応ソースコードにはコメント書いてあって、それを紐解きながらICEでステップ実行して勉強していく感じだったな。ICEはHP-64000というやつ。ICEもその会社で初めて見た。こんなすごいの使ってゲーム作るんだ。ほんと感動したよ。最初。

2020-06-05 21:07:33
S.F. @SFPGMR

ICEというのはいわゆるデバッガですよ。CPUのソケットにプローブを差し込んで、ICEがCPUの動きをまねるわけですな。

2020-06-05 21:09:15
S.F. @SFPGMR

そしてまあHDDや本体は空調が効いたマシンルームのようなスペースに置いてあったな。漬物石みたいな形をしてるんだよね。当時のHDDってね。。それも生まれて初めて見た。

2020-06-05 21:10:43
S.F. @SFPGMR

ゲーム基板って、RAMが極端に少ない。16Kとか4Kとかそんな感じだった。プログラムはROMに置くから、ワークエリア分のRAMだけでいいんだよね。

2020-06-05 21:13:08
S.F. @SFPGMR

ROMは製品版はマスクROMというやつなんだけど、開発途中は頻繁に中身の更新が発生するからEEPROMを使用してた。EEPROMを消去するための紫外線照射するスペースもあった。EEPROMは主にグラフィックデータのやり取りで使ってたよね。USBメモリのイメージだな。プログラム自体はICE側で保存してた。

2020-06-05 21:17:00
S.F. @SFPGMR

その会社ではペンタブのようなデバイスでドット絵を描く自社開発のエディタがあって、それでドット絵を描くと最終的にEEPROMに焼くことができた。それをプログラマに渡すか自分で基板に指してキャラクタを動かしてもらって動きを確認してたんだよね。

2020-06-05 21:19:55
S.F. @SFPGMR

いや、昔はライト・ペンっていってたような気がするな。

2020-06-05 21:20:19
S.F. @SFPGMR

その会社はゲームの企画部門はひょっとしたらあったのかもしれないが、あってもごくごく大まかなコンセプトだけで、あとは数人のプログラマ・グラフィックデザイナでチームを組んでゲームの内容を考えていたね。

2020-06-05 21:24:32
S.F. @SFPGMR

プログラマの裁量も大きくて、キャラクタのイメージなんかも主導してグラフィック・デザイナーに伝えてつくってもらうこともできたように思う。

2020-06-05 21:26:00
S.F. @SFPGMR

ハードウェアは幾つかのゲームで再利用されるものなので、ハードウェア・エンジニアと接することは少ない。サウンド・エンジニアも最初のゲーム・デザインのところでは登場せず、ゲームの製作に中盤から終盤に差し掛かったところで登場してきて、ゲームに合う音楽を制作する感じだった。

2020-06-05 21:27:48
S.F. @SFPGMR

ただ私が最初チームとして参加したゲームはそのゲーム基板を使って作る最初のゲームだったので、ハードウェア・エンジニアとはそこそこ会話した記憶がある。

2020-06-05 21:29:17
S.F. @SFPGMR

入社した当初は開発の終了した基板で勉強を続けてきたわけだけど、ようやく本格的にゲームを作るフェーズに入ったわけ。

2020-06-05 21:30:42
S.F. @SFPGMR

そしてゲームの製作に入るわけだけど、その基板はまだ開発中で手元にないので、取り急ぎ別の基板を使って開発を開始した。最初はメインのプログラマの人が、メインプログラムというのを作るんだよね。これはまあOSみたいな立ち位置のプログラム。ジョイ・スティックやボタンのI/Oとかね。

2020-06-05 21:32:41
S.F. @SFPGMR

もちろんスプライトや背景BGとかのI/Oとかね。ゲーム基板の特徴的なところとしてはコイン・カウンタのI/Oとかね。ここ結構重要。

2020-06-05 21:34:21
S.F. @SFPGMR

あとはテスト・プログラムとかランキングとかね。ランキングはチームの別のプログラマがやっていたな。ちなみにプログラマの構成はメイン一人、サブ2人。私はサブの1人だった。もう1人のサブ(新人)のプログラミングを指導しながら、自分のプログラムも作る役割。

2020-06-05 21:37:21
S.F. @SFPGMR

ちゅうか私もお初のゲームだから新人みたいなもんだが、悲しいかな中途採用で3か月ほど早く入社したし、CPUの知識もあったから4月入社の同じ課の新人数人にプログラムの指導をする役割を任されてしまった。それはプレッシャーでしたな。。

2020-06-05 21:39:31
S.F. @SFPGMR

ただそのころには、ソースコード読んだおかげで三角関数のテーブル化やarctanによる方向検知、固定小数点演算の知識を吸収することができた。それをまたすぐ新人に伝えるわけですよ。自転車操業ですな(笑)

2020-06-05 21:41:30
S.F. @SFPGMR

新人さんは自機とボス、私は雑魚敵の動きおよび中ボス、ボスあたりの動きを担当した。まあこの新人さんというのが特徴的な子でね。なかなか奇抜なアイデアの持ち主で、ほぼこの子のキャラでこのゲームのイメージがきまってしまったくらい。

2020-06-05 21:46:39
S.F. @SFPGMR

グラフィックは名作中の名作のグラフィックを担当した主任、中堅の先輩、そしてうちの嫁(笑)が担当。当時は嫁さんになるとは思わんかったが、人生というのはわからんもんですな。。嫁も新卒採用の新人だったが、グラフィックには非凡なものがあったなあ。私に比べれば雲泥の差ですわ。

2020-06-05 21:50:23
S.F. @SFPGMR

まあこの名作中の名作のグラフィックを担当した主任というのが、メタリックな質感を持ち込んでゲームにしてはかなりリアリティのあるキャラクタを作る人で、そりゃもう受け取る私はプレッシャーですよ。ほんと。キャラに負けない動きを作らんといかん。作れませんでしたが(笑)

2020-06-05 21:54:04
S.F. @SFPGMR

そうこうしているうちに、ゲーム基板の試作品が来た。ブレッド・ボードと呼んでいたね。これがまた巨大なもので、畳半畳ほどの多層の基板で、ワイヤーラッピングされた手作り感漂う代物だった。なんかチップに集積される前ってこういう感じらしいね。

2020-06-05 22:00:26
S.F. @SFPGMR

これを恐る恐るICEの横に数人がかりで運んで設置するわけ。なかなか大変作業。そしてメイン・プログラマがメインを作り始めるわけ。なんかやっぱりハードウェアもバグのようなものがあるらしく、エンジニアが来てラッピングしなおしたりしてたような気もする。。

2020-06-05 22:04:02
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