バキは弱さを認められない弱者の物語、だからおもしれーんだよッッ #baki .

「範馬勇次郎のパラドクス・ジレンマ」を解消してくれたのはピクルと刃牙だけッッ!?
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けむりのなかに @THG_SOCI

今週のバキ、読み方を工夫すれば、ちょっと面白いかもしれない。

2011-06-23 16:22:15
けむりのなかに @THG_SOCI

<地上最強の生物>である範馬勇次郎だが、作中で語られる、その強さの秘密とは、彼の尋常ではない自我(エゴイズム)の強固さ=「己こそ最大・最強という理念」であり、それは裏を返すと「己以上の強者の存在を絶対に許さないという、世界一の我儘」なわけですよ

2011-06-23 16:25:13
けむりのなかに @THG_SOCI

そして、話は変わって餓狼伝の神山の姫川戦直前の語りを思い出す

2011-06-23 16:27:54
けむりのなかに @THG_SOCI

我々の一般的な認識である<武道による人格形成>なるものへの徹底した懐疑(厳しさはどんなものにもある、書道にも、ジョギングにも、英会話にも、車の免許取得にも、惚れた女を誘惑するのにも、なのになぜ、人格形成に必要な厳しさをわざわざ「殺人術」にもとめるのか!?)を述べた上で

2011-06-23 16:30:19
けむりのなかに @THG_SOCI

自分が空手をやっているのは、そんな人格形成(人格者になる、社会的地位・成功を勝ち取る)ためではないのだという「喧嘩に勝ちたいからやってんだッ!!やっつけたいからやってんだッ!・・・・私は喧嘩に負けた自分を許せる「強さ」がない・・・だからこっそり空手の練習なんかやってるんです・・」

2011-06-23 16:31:57
けむりのなかに @THG_SOCI

のだという、この場面を見たとき・・・・・・痺れたねぇ

2011-06-23 16:32:20
けむりのなかに @THG_SOCI

勇次郎にも、神山にも、おそらく作者にもあるのは「弱いこと」、あるいは「弱い自分」に対しての徹底的な、病的と言えるほどの忌避感情だと思うのですよ

2011-06-23 16:35:03
けむりのなかに @THG_SOCI

あるいは「強い」と言う事は、絶対的な存在としてそれのみ完結しているのではなく、結局のところ、自らよりも「弱い」他者との関係において成立するのだとしたら、他者を最も必要としなさそうな、勇次郎こそが他者に対して依存しているジレンマがあるのではないだろうか

2011-06-23 16:38:28
けむりのなかに @THG_SOCI

これを俺はひとり勝手に「範馬勇次郎のパラドクス・ジレンマ」と長年呼んでたんだけど、今週のバキではそれが見えた気がした。そしてそれは板垣氏の漫画の最大のテーマでもあると思う

2011-06-23 16:39:35
けむりのなかに @THG_SOCI

メイキャッパーでは美≒醜悪であることへの不寛容さだし、バキだったらそこで問われる強さ≒弱さに対する忌避意識なわけで、そこで描かれている価値は、それだけで自己参照的に成立するようなポジティブなものではなくて、つまるところ他者参照を絶対的に必要とするネガティブな関係態だと思うのですよ

2011-06-23 16:42:33
けむりのなかに @THG_SOCI

その点良くも悪くも、よくある少年漫画(典型的なのはDBのゴクウかな?)みたいなのは、そういうじめじめしたものがない、単純に強い者と闘うのが楽しかったり、強さへの憧れだったりする。

2011-06-23 16:44:16
けむりのなかに @THG_SOCI

それらを強者の物語とするなら、しかしバキは違うのだよ、バキは強者の物語ではないのですよ、やはりあくまでも(弱さを肯定できないと言う意味での)弱者の物語なんですよ。じめじめしてんだよ、だからおもしれーんだよ。

2011-06-23 16:45:32
けむりのなかに @THG_SOCI

たとえば「格闘士列伝」だったと思うが、作者がもし今酒を飲んでる相手と突然喧嘩になったらどうしようかという、物凄い恐怖がある、それは相手に対しての恐怖じゃない、相手に負けること≒自分が積み重ねた技術(格闘技)が相手に通用しなかったらどうしようっていう恐怖なんだ

2011-06-23 16:49:36
けむりのなかに @THG_SOCI

ここらへんにバキの深層が垣間見える気がする、あるいは作者の兄との関係の話だったり、やはりある種の存在の「不承認」による傷つきがある

2011-06-23 16:51:31
けむりのなかに @THG_SOCI

意識の高い中学教師などが言うらしいのだが、生育歴において他者からの承認を受けそこなった子どもは、「100か0かの思考」に陥りやすく全能感と無力感の切り替わりが激しいのだと言う。つまり、まぁまぁという発想が困難らしい

2011-06-23 16:54:06
けむりのなかに @THG_SOCI

言うまでもなく、範馬勇次郎は全能感の人だけど、もし「その勇次郎が負けたら」どうなるかという問いが死刑囚だったと思う(これはとら氏の読みだったと思うけど)、そこで描かれたスペックやドリアンやシコルスの敗北後の姿に100から0へ、極端な全能感から極端な無力感へというのを読める気がする

2011-06-23 16:58:36
けむりのなかに @THG_SOCI

こういうのを踏まえた上で格闘士列伝のあとがきを読むと馬鹿に出来ない記述があるんだよね「地上最強は、案外この世にゴマンという女性たちじゃないのかな、ちゃーんちゃん」っていう

2011-06-23 17:00:08
けむりのなかに @THG_SOCI

つまり、勇次郎もバキも花山も、克己も作者も強いんだ星人=「喧嘩に負けることを絶対に許せない弱い人間」だが

2011-06-23 17:02:01
けむりのなかに @THG_SOCI

女性は肉体的に弱く生まれてくる故(ここ多分にジェンダーバイアスかかってる本質主義です、自覚してますごめんなさい)はなから勝負から「降りること」できる

2011-06-23 17:02:54
けむりのなかに @THG_SOCI

つまり勝負から降りれない人間が、勝った負けたで深刻な一喜一憂をしてる間に、そんなゲームからはとっとと降りて別の世界に参入してける。板垣氏「女性にとっては誰が一番強いのか?なんてのより、今日明日の献立や、部屋のインテリアの方が100倍大事にキマッテル、そしてそれでいいんだと思う」

2011-06-23 17:04:59
けむりのなかに @THG_SOCI

なんだかうまくまとまらない。ただ、今回の話は自分にとって結構重要な回になった。まぁ勇次郎の顔芸が見れる、それだけで十二分に重要回なのかもしれないがw

2011-06-23 17:06:54