茂木健一郎 欠点

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茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(1)自分の欠点のすぐそばに、長所がある。だから、人間を減点法で考えてはいけない。欠点に目を向けるのではなく、長所にこそ注目し、のばすべきである。これは、多くの人に届けられるべき応援メッセージではないか。

2011-06-26 07:26:35
茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(2)そもそも脳の資源は有限である。ある一つの能力を伸ばすと、それが資源を使ってしまう。だからこそ、異常な長所は、必ず残念な欠点と抱き合わせになる。スピノザの神のように、すべてに無限な人など存在しないのだ。

2011-06-26 07:28:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(3)人と人が力を合わせるというチームワークにおいて、お互いの長所を組めばよい。そのためには、それぞれが長所を伸ばせばいい。それで始めて組体操が空に届く。欠点を補うのは簡単だから、とりあえずそれは放置していてかまわない。

2011-06-26 07:29:22
茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(4)欠点を持っているというコンプレックスが、その人の飛躍のきっかけになることがある。身長が低かったナポレオンしかり。人よりも劣っていることがあると思うと、それを超えた時の報酬系の活動が増す。そのことによって、強化学習のバネが金剛に。コンプレックスは資産なのだ。

2011-06-26 07:31:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(5)欠点を持っている人は、他人に愛される。こいつはひとりで放っておくと困るから、助けてやろうと思うのだ。欠点は、いわば、他人の愛を導く空白である。何ごとにも完璧であろうとする秀才ほどつまらぬものはない。欠点を開けっぴろげでさらけ出す人間の大らかさを持とう。

2011-06-26 07:32:19
茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(6)欠点とうまく付き合うためには、メタ認知が不可欠である。自分の欠点をわかった上で、それをユーモアを持ってプレゼンテーションできること。そんな欠点はないと否認するのが最悪の選択である。「そうだね!」と認めてしまっていい。あなたの長所は他にきっとあるのだから。

2011-06-26 07:33:32
茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(7)多様化する世界の中で、人の価値を高めるのは「過剰」と「欠落」のコントラスト。過剰は、世の中に対するその人の「贈り物」の起点となる。欠落は、お互いに支え合う利他性の呼び水となる。欠落をメタ認知さえしていれば、あとは過剰を強靱にすることだけを考えればいい。

2011-06-26 07:35:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(8)他人の欠点を前にした時、とるべき唯一の態度は、それを補おうとしたり、手助けをしたりすること。そのことによってあなた自身が伸びる。最悪なのは非難したり、修正したりすること。人のあり方についてのモノカルチャーは、他人も自分も貧しくする。その愚に陥りやすい日本。

2011-06-26 07:37:14
茂木健一郎 @kenichiromogi

欠点(9)動きをつくり出すのは、差異である。それぞれが過剰と欠落でデコボコ、メリハリがあるから、人と行き交うのが楽しい。優等生同士の付き合いはつまらないね。みんな落第でいいんだ。「みんな欠けてて、みんないい。」「みんな過剰で、みんないい」。うれしいね。

2011-06-26 07:39:21
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、「欠点」についての連続ツイートを、沖縄からお届けしました。

2011-06-26 07:39:42