藤子・F・不二雄 先生 作品における科学技術の光と影 及び 人工合成食品のウマそうなこと

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SOW@ @sow_LIBRA11

幼心に「ドラえもん」に出てくる料理で、食べてみたいと思ったものの中に、「プランクトンを加工して作った料理」がある人は多いと思うんだ。 pic.twitter.com/rMB3l8EYPS

2020-06-14 22:04:36
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藤子先生の作品って、のちのグルメ漫画などでは否定されがちな「加工食品」の類を肯定的に描いているのよね。色々言われるが、科学の力によって食料の安定供給が成され、過去においては栄養不足で死んだような人たちが減ったのは事実なんだよな。 pic.twitter.com/riqNMUOfKx

2020-06-14 22:07:46
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海底鬼岩城ってそういう意味では「科学の光と闇」を描いていて、かつ「人が科学と如何に向き合うか」というテーマを、意識させずにそれでいてしっかりと伝えていた、歴代大長編ドラの中でも屈指の傑作だと思うのだよ。 pic.twitter.com/s2nrMuuIDr

2020-06-14 22:09:08
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「海底鬼岩城」のボスキャラポセイドンは、かつてあった海底国家アトランティスの防衛用コンピュータで、国が滅びてなお領海を侵犯する航空機や船舶を攻撃し続けていた。それがいわゆる「バミューダ・トライアングル」という設定。 pic.twitter.com/MYspnCedQM

2020-06-14 22:13:07
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それが海底火山の噴火を、敵国ムーの攻撃と誤認し、世界全てに大量破壊兵器を撃ち込もうとする。それをドラたちが止めるわけだが、ここらへん小松左京の「復活の日」のオマージュなのだろう。 pic.twitter.com/59VhCFJKNa

2020-06-14 22:14:28
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近年、コロナ災禍の影響で、注目を浴びている「復活の日」・・・凄まじい致死力を持つウイルスが世界規模で蔓延し、人類社会がほぼ崩壊。その中でなおも稼働し続けた「報復システム」が、地震をきっかけに起動し、南極基地にわずかに生き残った人々がそれを止めるという筋書き。 pic.twitter.com/jglZsdzMVI

2020-06-14 22:16:33
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ちなみに主人公は若き日のパッパこと草刈正雄。普通に超絶美男子。「人類が滅びてなお、己が死んだ後に復讐をするために作られた機械が、無人の戦争を行う」という点では、「海底鬼岩城」「復活の日」は相似の関係だが、そこには大きな差がある。それこそ、「科学への希望」だと思う。 pic.twitter.com/6yRoryqcTR

2020-06-14 22:19:01
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その存在こそが、ゲストキャラ「バギーちゃん」である。海中用高性能車両のAIであるバギー、しかし性格がクソ悪いためにドラたち一行を困らせる。そんな彼を唯一可愛がり、彼らもなつかれていたのが、しずかであった。 pic.twitter.com/PaehQLcslM

2020-06-14 22:22:54
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最終決戦時、奇岩城に乗り込むドラたち一行であったが、一人また一人と倒れ、最後にたどり着いたドラも力尽きる。人質になっていたしずかは悲しみに涙するが、ポケットの中にいたバギーはそれを知って無理やり飛び出し、「しずかを泣かせた者を倒す」ために、壮絶な特攻をかける。 pic.twitter.com/RGZwqZYnhb

2020-06-14 22:25:20
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ここらへん、ポセイドンと対になっているのよね。「滅びた国家が遺した報復兵器」ポセイドンと、「たった一人の女の子を守るために挑んだ」バギー。憎悪で造られた機械を倒したのは、愛情を注がれた機械だったのよ。 pic.twitter.com/8mCXfU0tuJ

2020-06-14 22:29:46
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SOW@ @sow_LIBRA11

だけどこのバギーも、決して善政の存在ではなく、自分をこき使ったジャイアンとスネ夫を見殺しにする冷たい面もある。それゆえに、一度壊されそうになるのだが、そこでのしずかのセリフこそが、本作の大きなアンサーだと思うのだ。 pic.twitter.com/AKJzTJmFuU

2020-06-14 22:31:22
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SOW@ @sow_LIBRA11

「機械にいいことと悪いことを区別する力はない。命令されたから従っただけだ」と、それこそまさに、人類と科学の付き合い方の第一前提であり、忘れてはならないことなのだ。 pic.twitter.com/hyJPTpa6jG

2020-06-14 22:33:04
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SOW@ @sow_LIBRA11

科学はあくまで、知識であり技術でしかない。それを用いるものの心を映すのみ。歪んだ使い方をしたものが、歪んだ結果をもたらしたからと言って、科学自体を否定するのはお門違いなのだ。 それは、「自らが死した後の生命の存在を許さない」という憎悪のもとに造られたポセイドンが象徴している。

2020-06-14 22:35:10
SOW@ @sow_LIBRA11

そんな藤子先生の「科学への希望」を感じるものとして、「アニマル惑星」も大きい。ここでも「奇岩城」と同じく、人工食料が生産されるシーンがある。 pic.twitter.com/tgrrQHihJU

2020-06-14 22:36:47
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SOW@ @sow_LIBRA11

歴代大長編の中で、環境問題をテーマとした今作だが、問題の多い地球、その問題を放置したまま崩壊したニムゲ社会、そして理想郷として描かれるアニマル惑星。アニマル惑星が問題を克服した理由こそが、科学の力だったのだ。 pic.twitter.com/kvrZkplORY

2020-06-14 22:38:12
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SOW@ @sow_LIBRA11

アニマル惑星は多種多様な動物種族がいながらも、その間に対立はなく、満ち足りた社会を築いている。なにせ軍隊どころか、警官が持っているのが「弾丸六発の麻酔銃」程度なのだ。だがしかし、それをもたらした彼らの科学技術は、崩壊以前のニムゲ社会が由来であったことがわかる。 pic.twitter.com/PGggEyoT7r

2020-06-14 22:43:16
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SOW@ @sow_LIBRA11

そこからも藤子先生の「科学への希望」と、同時に「科学の光と闇」の、読者へ問いかけがある。同じものを使っても、崩壊した世界を作るか、理想郷をもたらすかは、いつだって「使う者」に問われているのだと。 pic.twitter.com/XBhwSFo2fI

2020-06-14 22:46:10
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SOW@ @sow_LIBRA11

ここらへん、安易な自然回帰主義にとどまらず、「科学と自然が調和した世界を作れるほど、科学が進化し、かつ人間がそれを使いこなせる叡智を持つことが重要」的な、考えがあるのだろうと、先に述べたが、仮に二百年過去に戻れば、確実に人類の9割は餓死する。人類増加のグラフを遡るわけだからね。 pic.twitter.com/XgXNgBNfRr

2020-06-14 22:48:59
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SOW@ @sow_LIBRA11

ここらへん、同じ巨匠でも、「人工的に作られた食料」をネガティブな描き方をしている宮崎駿と比べても、興味深いところよね。 pic.twitter.com/LH1UdWcnex

2020-06-14 22:50:56
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エンゴ @gorogoro56566

@sow_LIBRA11 横から失礼 小山田いくのどん亀サブマリンでも同じ事やってましたね あれから30年くらい経ってるし、そろそろ実用化されても良さそうです pic.twitter.com/hlgB3ifxhY

2020-06-14 22:14:22
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SOW@ @sow_LIBRA11

@gorogoro56566 小山田先生の自然と人類との関わりは、「フォーナが走る」でも描かれていますな。

2020-06-14 22:53:18
エンゴ @gorogoro56566

@sow_LIBRA11 フォーナは最近読み直したのですが、後半の急展開は凄すぎましたね

2020-06-14 22:54:09