スポーツについて『夢や感動を「与える」』という表現には違和感が。

27
平尾 剛 / 新刊『スポーツ3.0』(ミシマ社)絶賛発売中‼️ @rao_rug

スポーツを語るときに頻用される『夢や感動を「与える」』という表現には、ずっと違和感があります。夢や感動は、それを感じる主体が能動的に抱き、感知するもので、あらかじめ用意されるべきものではないはずです。→

2020-06-18 12:31:48
平尾 剛 / 新刊『スポーツ3.0』(ミシマ社)絶賛発売中‼️ @rao_rug

この表現は、スポーツ大会の認知を企てた広告代理店的な発想から生まれたものではないかと僕は考えていますが、こうしたわずかなニュアンスからスポーツはその本質を損ない、興行的要素を強めて資本の増殖を促すツールとして消費されるのだと思います。→

2020-06-18 12:31:48
平尾 剛 / 新刊『スポーツ3.0』(ミシマ社)絶賛発売中‼️ @rao_rug

この種の表現は、白井聡氏が『武器としての「資本論」』のなかで指摘した「魂・感性・センスの包摂」がまさにスポーツにおいても粛々と進行していることの証左だと思われます。新自由主義の魔の手から逃れる為にも、ここは声を大にして指摘しておきたい。

2020-06-18 12:31:48
平尾 剛 / 新刊『スポーツ3.0』(ミシマ社)絶賛発売中‼️ @rao_rug

今や高校球児もインタビューなどで「感動を与える」という表現を使うようになった。感動なんて与えなくてもいいし、本物の感動なんて与えることなどできやしない。一所懸命に白球を追う姿を観た者が、あくまでも結果として感動するのであって、あらかじめパッケージされた感動なんて幻想に過ぎない。→

2020-06-18 12:31:49
平尾 剛 / 新刊『スポーツ3.0』(ミシマ社)絶賛発売中‼️ @rao_rug

スポーツを語る者として、どうしても拭えない違和感なのでつい呟いてしまいました。些細なことかもしれないけれど、言葉遣いにはそれを発する者の考えや意図が滲み出ることを思えば、看過することはできません。→

2020-06-18 12:31:49
平尾 剛 / 新刊『スポーツ3.0』(ミシマ社)絶賛発売中‼️ @rao_rug

物質化された夢や感動が送り手から受け手へと手渡される。こういう図式からは早急に脱却すべきだと僕には思われます。

2020-06-18 12:31:49
平尾 剛 / 新刊『スポーツ3.0』(ミシマ社)絶賛発売中‼️ @rao_rug

神戸親和大学教員 元ラグビー日本代表|「京都新聞夕刊[現代のことば]」、WEB雑誌「プレジデントオンライン」にてコラムを連載中|著書・監修に『スポーツ3.0』『脱・筋トレ思考』『近くて遠いこの身体』(ともにミシマ社)『たのしいうんどう』(朝日新聞出版)他

canvas-dialy.hatenablog.com