- fussoo_moe
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年末年始に話題になった、この話題「矢24本の価格は日給5日分」 togetter.com/li/1450742 戦国日本について話題が広がっていたけど、具体的事例がなかったので戦国終了時の日本のガバガバな推算をしてみました。 資料は以下。 hi.u-tokyo.ac.jp/publication/ki…
2020-01-14 23:44:35近世ヨーロッパ軍事史好き。「小説家になろう」で社畜が戦列歩兵になる小説も書いてます。 歴史系では、騎兵合同誌で近世ヨーロッパの騎兵戦術の変容を寄稿。「私家版近世欧州軍事史備忘録」シリーズを刊行中。BANZAIまがじん様にも寄稿中。最新はVol.15号の「ワーテルロー会戦における騎兵」。サロン・ダルメ所属。
中世イングランドの矢24本の価格からはじまった戦国末期における弓矢と火縄銃の運用費用についての結果をまとめる。 twitter.com/Hatashirorz/st…
2020-01-18 22:26:19平戸商館の記錄に従えば 大阪夏の陣の時期、弓は弓1張+矢27本で約2.54グルデン=銀8.65匁 弓と矢の値段比を23:1とすると弓1張1.17グルデン=銀3.97匁 矢1本は0.05グルデン=銀0.17匁 一方で鉄砲は1挺10.64グルデン=銀36.2匁
2020-01-18 22:29:05仮に鉄砲が3匁のものとすると弾丸径は12mm。 材質を鉛とすると弾丸重量は10.22g。 鉛1kgは1.2匁なので10.22gで銀0.046g=0.0004グルデン 装薬は近世ヨーロッパの標準に合わせて弾丸重量の三分の一とし記錄には木炭価格がないので、硝石:硫黄=8:2として算出する。
2020-01-18 22:29:05記錄から硝石は1gで0.00049グルデン、硫黄は1gで0.00013グルデン。 よって硝石2.73gは0.00133、硫黄は0.68gで0.00009。 合わせて装薬の価格は0.0014グルデン。
2020-01-18 22:29:06これと弾丸1発を合算すると、1発の素材費は0.005グルデン=銀0.017匁となる。手間賃を加味しても0.01グルデン=銀0.03匁以上ということはないだろう。 矢1本が0.05グルデン=銀0.17匁。この運用における5倍の費用差と銃と弓の9倍の導入費用差をどう考えるかは、色々と興味深いところである。
2020-01-18 22:29:06また、矢も弾丸も再利用できたことも忘れてはならないだろう。 雑な結論としては、初期導入費用は間違いなく銃兵隊の方が高くつく。 運用は、やり方次第だが、銃の方が長持ちするし、矢の再利用にも限度があることから、長期的には銃兵でもペイできそうである。
2020-01-18 22:29:07よって、初期投資の財力で銃が適切か、弓が適切かは判断されるという普通に想像できる結論を補強した結果となるかな。
2020-01-18 22:29:07この時代が銃と弓が併存した最終期になるとすると、この導入費用と運用費用の逆転状況が、ちょうど損益分岐点なのかもしれないね。
2020-01-18 22:51:01