「井の中の蛙大海を知らず」には、続きがある? 言葉の真意とルーツを探るツイート群

まとめ主はアスキーアートで知ったので 職人さんの創作だと思っていました
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神野オキナ「PMCレッドネスティア・ヴァンパイアマローダーズ」連載中! @OKina001

「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」という言葉は最近になって出始め、「広い世界なんか知らなくてもこの安定した狭い世界で十分だ」という感じがして奇妙だと思ったら勝手に日本で付け足してるんだそうで。

2020-06-23 03:19:51
芦辺 拓 @ashibetaku

「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」という格言?の後半はそもそも捏造だし、これぐらい日本の凋落を感じさせる言葉はないのでたまらなく嫌なのだが、検索してみたら「深い」だの「感動した」「付け加えた人えらい」というのばかり出てきたので、何かどうでもよくなりました>RT

2020-06-23 05:14:38

初出はどこなのか?

永六輔氏説

杉村喜光:知泉(三省堂辞典発売中 @tisensugimura

#ガセ雑学 >井の中の蛙大海を知らず/されど空の蒼さを知る 「井の中の蛙大海を知らず」の続き「されど空の蒼さを知る」という、狭い場所で満足しているカエルをフォローするかのような続きは本来存在せず、1970年代にラジオ『永六輔の誰かとどこかで』で創作されたモノ。 (↓続

2020-05-21 07:31:25
杉村喜光:知泉(三省堂辞典発売中 @tisensugimura

「井の中の蛙大海を知らず」の元になった漢文は、紀元前中国の思想家・荘子が書いた文章で、その漢文ではカエルに関しては「広い海を知らない」と語られているだけ。 そのためにその後、様々な形で伝聞され「空の高さ」「空の深さ」とバリエーションが生まれてる。 (↓続

2020-05-21 07:31:26
杉村喜光:知泉(三省堂辞典発売中 @tisensugimura

原文は「井蛙不可以語於海者、拘於虚也。夏蟲不可以語於冰者、篤於時也。曲士不可以語於道者、束於教也。」 ・井戸の中にいる蛙は広い海を知らない ・夏の虫は(冬の)氷を知らない ・田舎の学者は道を語れない ・宗教的な縛りに捉われているから というもの。カエルは海を知らないだけで終わる (↓続

2020-05-21 07:31:26
杉村喜光:知泉(三省堂辞典発売中 @tisensugimura

「でも良い言葉だからウソでもいいじゃん」的に広まったものと考えると『江戸しぐさ』と根は同じ。 昨年10月「井の中の蛙/空の青さ」をキーワードにアニメ映画『空の青さを知る人よ』が公開され、主題歌をあいみょんが歌っているけど「されど空の蒼さを知る」みたいな歌詞がなくホッとする。

2020-05-21 07:36:54

北條民雄氏説

風のハルキゲニア @hkazano

@tisensugimura ハンセン病で隔離されていた北條民雄が、昭和12年に「かつて大海の魚であつた私も、今はなんと井戸の中をごそごそと這ひまはるあはれ一匹の蛙とは成り果てた。とはいへ井の中に住むが故に、深夜冲天にかかる星座の美しさを見た」と書いているのがルーツではないかと。aozora.gr.jp/cards/000997/f…

2020-05-21 18:46:22
風のハルキゲニア @hkazano

@ashibetaku これは、ハンセン病作家として有名になった北條民雄が、「療養所の中しか知らないお前は井の中の蛙だ」と揶揄され、「かつて大海の魚だった俺は井の中の蛙になったが、それでも空の星の美しさは知っているのだ」と怒りを込めて書いたのが最初じゃないかと思います。 twitter.com/hkazano/status… twitter.com/hkazano/status…

2020-06-23 09:54:03

河井寛次郎氏説

風のハルキゲニア @hkazano

@tisensugimura もうひとつ陶芸家の河井寛次郎が初出という説もあります。河井は批評家から「井の中の蛙大海を知らず」と評され、「されど井の中の蛙 天を知る」と答えたのことで「井蛙知天」という書を残しています。いつ頃のエピソードかは不明ですが書は昭和30年代なので永六輔よりは前です。 pic.twitter.com/0Ke6wF7MfZ

2020-05-21 19:07:06
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杉村喜光:知泉(三省堂辞典発売中 @tisensugimura

@hkazano 自分も調べているうちに河井寛次郎と北條民雄に辿り付きました。この辺はもう少し調べて書こうと思っています。 永六輔さんはどちらかの逸話に触発されたのか、オリジナルで考えたのか不明ですが、とりあえず広く使われている「されど空の蒼さを知る」は永さんのラジオ発ということで書きました

2020-05-21 19:14:12
杉村喜光:知泉(三省堂辞典発売中 @tisensugimura

@hkazano そしてこの言葉に関して「井の中の蛙には続きがある、そんなことも知らないのか」という物言いをされた人もいるということで。 ただし「ガセ雑学」というハッシュタグシリーズなので「ガセ」という扱いになってしまいましたが、実際には「原典には続きは無い」ぐらいの扱いです。

2020-05-21 19:17:25
B-POP @BG_POP

@hkazano @ashibetaku とはいえ、それはあくまでも「井の中の蛙大海を知らず」を引用、揶揄した文学表現でしかなく「されど~」という後半(続き?)がこの慣用句にはある、というのはやっぱり捏造でしかない。 それを「続きがあって」というのは無知、勘違いも甚だしい。あくまでも別物であるという認識はきちんと持つべき

2020-06-23 14:59:25

なお、現実では

元いんど@プロテインワールド仮説信奉者 @hajimeindo

@ashibetaku でも井の中の蛙は空の青さしか知らず、大海に出たものは空の青さも海の青さも知っているわけよ。

2020-06-23 10:23:33
芦辺 拓 @ashibetaku

@hajimeindo これは名言です。どうももともとある故事成句への「反論」として語られたものなので、セットにして言うのがおかしいようですね。

2020-06-23 12:37:35

結論

芦辺 拓 @ashibetaku

未明、神野オキナ先生の問題提起(と他人のせいにする)でとりあげた「井の中の蛙大海を知らず、されど空の青さを知る」は、囹圄幽囚、あるいは病床にある身を「蛙」に喩えられた人が「されど」と反駁した、つまり一つの故事成句ではないと考えると腑に落ちます。みなさんご教示ありがとうございました

2020-06-23 12:44:25