オーバーロード・オーバーライト #1

これがラブコメであってたまるか
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事の発端
劉度 @arther456

ところで聞いてくれ。嘘だとしか思えないだろうし、俺だって未だに信じられないけど、本当に見てしまったから聞いてくれ。 夢の中で『やたらボディタッチやスキンシップの多い学生時代の幼馴染』としてゴトランドが出てきた。

2020-01-09 00:42:51
本編
劉度 @arther456

(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。感想・実況などは #ryudo_ss をお使いいただけると大変ありがたいです。忙しい方はtogetterまとめ版をどうぞ。それでは暫くの間、お付き合い下さい)

2020-06-24 21:01:00
劉度 @arther456

【オーバーロード・オーバーライト】

2020-06-24 21:02:00
劉度 @arther456

「優月、起きて。もう朝だよ」久しぶりに名前を呼ばれた。提督が目を覚ますと、青い瞳に覗き込まれていた。「おはよう、優月。早く起きないと、寝坊しちゃうよ?」後ろで編んだ青い髪、透き通った白い肌。北欧系の整った顔の少女が、にっこりと微笑みかけてくる。「あー……おはよ、ゴト」1

2020-06-24 21:03:00
劉度 @arther456

ゴトランドが部屋のカーテンを勢いよく開けると、朝の日差しが部屋に差し込んできた。「うーんっ、素敵な朝!朝ってほんと気持ちいいねっ!」朝日を浴びた彼女の笑顔はキラキラと輝いている。「朝ごはん、今日はゴトが作ったから。もう用意してあるよ。冷めない内に食べちゃおう?」「うん」2

2020-06-24 21:06:01
劉度 @arther456

提督はベッドから這い出すと顔を洗ってテーブルについた。パンとコーヒー、目玉焼き、切ったオレンジ。ゴトランドがよく作る朝食だ。「いただきます」「いただきまーす」きちんと手を合わせて、提督とゴトランドは朝食を食べ始める。「はい、ジャム」「ん、ありがと」3

2020-06-24 21:09:01
劉度 @arther456

「今日は何かあったっけ?」「陸軍の倉田さんが来るよ」「そうだ、今日戻ってくるんだ」以前の出撃で提督と艦娘たちは精神にダメージを受け、倉田の下で《精神鑑定》を受けていた。提督たちは早めに帰ってこれたが、長引いた艦娘もいて、彼女が今日ようやく帰ってくるのだ。4

2020-06-24 21:12:01
劉度 @arther456

「大変だったよねえ、ジャカルタのアレは」「うん。倉田がいなかったら危なかった」「優月もぶり返したら、ちゃんと相談するんだよ?」「はーい」そんな話をしながら、2人は和やかに食事を終えた。「それじゃ、私は着替えるから。ゴトは先に行ってて」「え?いいわよ、私待ってるわよ?ここで」5

2020-06-24 21:15:01
劉度 @arther456

「あー、いや。着替えを見られるのはまだちょっと……ねえ?」「……ふうん」ゴトランドは何やら訝しんでいるが、やがて納得したように頷いた。「ま、いっか。それじゃあ先に行ってるから。遅れないように、ね?」提督の額を人差し指で軽くつつくと、ゴトランドはバッグを持って部屋を出ていった。6

2020-06-24 21:18:00
劉度 @arther456

提督の主な仕事は、前線の兵站管理と護衛船団の運用だ。そのため、物資を求める連絡は毎日ひっきりなしに届いてくる。お陰で午前中の仕事はメールと書類の確認だけで終わってしまう。そして、メールの中には表に出せない内容のものも含まれていた。8

2020-06-24 21:21:00
劉度 @arther456

「燃料・弾薬各15000、糧食1ヶ月分、新型戦闘機の優先配備……タウイタウイめ、ふっかけてきたなあ……」先日、ジャカルタで酷い目に遭った際、タウイタウイに救助して貰った。その返礼を求めるメールだ。量が法外なのは、その時に深海棲艦とつるんでいた事に対する口止めも含まれている。9

2020-06-24 21:24:00
劉度 @arther456

こうした内容が多いので、メールや電文のチェックは信頼できる艦娘にしか任せられない。例えば不知火や五十鈴、金剛。そして――。「優月。電文、持ってきたよ」「ありがとう。そこに置いておいて」ゴトランドは印刷された電文を2つに分けて置いた。公式なものと、非公式なもの。10

2020-06-24 21:27:00
劉度 @arther456

「枢機卿からも手紙が来てるけど」「あー……後で見る」「あの人と付き合うの、あんまり良くないと思うよ?」「でもねえ、お陰で色々助かってるから、今更止めるってわけにもいかないんだよなあ」「……助けて貰う代わりに、優月は何をしてるの?」書類を読む手が止まる。11

2020-06-24 21:30:01
劉度 @arther456

「……まあ、色々と」「優月」ゴトランドは提督の肩に手を置く。「あんまり悪いことしちゃダメだよ?」「……うん」「それに、優月が傷付くのもダメだからね」「え?」提督が顔を上げると、ゴトランドは少し悲しそうに笑っていた。「いくら私たちのためでも、優月が苦しそうだと誰も喜ばないよ?」12

2020-06-24 21:33:00
劉度 @arther456

「……うん。考えとく」提督の返事に、ゴトランドはやや不満そうだったが、やがて肩から手を放した。「忘れないでね。明日の会議資料は私が準備しておくから」そう言うと、ゴトランドは足早に部屋を出ていく。残された提督は、深く溜息をつくと、止まっていた仕事の手を再び動かし始めた。13

2020-06-24 21:36:00
劉度 @arther456

「びええええ!びええええ!」「ほぽぉ……」ものすごい泣き声が聞こえてきた。何事かと向かってみると、廊下の曲がり角で佐渡が頭を抑えてびゃあびゃあと泣いていた。すぐ側ではほっぽちゃんが零戦のプラモを持ったまま立ち尽くしている。15

2020-06-24 21:39:00
劉度 @arther456

「何、何があったの?」「びええええ!」「ずいうん……」「瑞雲?」ほっぽちゃんが指差す先には、破壊された瑞雲のプラモがあった。「何、瑞雲壊れちゃったの?んじゃあまた買ってあげるから」「ぢいいがああううう!」「違うの?何が……」「びええええ!」佐渡は泣いてばかりで要領を得ない。16

2020-06-24 21:42:00
劉度 @arther456

提督とほっぽちゃんが困っていると、ゴトランドがやってきた。「どうしたの?」「どうしたんだろう……瑞雲が壊れたみたいだけど、佐渡は違うって言ってるし」「ふうん?」ゴトランドは壊れた瑞雲を見て、廊下を見て、それからほっぽちゃんを見た。「優月、佐渡ちゃん見てて」「えっ?あ、うん」17

2020-06-24 21:45:00
劉度 @arther456

提督はとりあえず佐渡の頭を撫でてみるる。その間にゴトランドはほっぽちゃんに問いかけた。「ほっぽちゃん」「ぽ?」「佐渡ちゃんとぶつかったの?」ほっぽちゃんは目を逸らして黙り込む。「怒ってるわけじゃないから。確かめたいだけ。佐渡ちゃんとぶつかったの?」ほっぽちゃんは小さく頷いた。18

2020-06-24 21:48:00
劉度 @arther456

「わざと?」「ぷ!」ほっぽちゃんは体ごと首を横に振る。「ほっぽはこっちから走ってきて」曲がり角の片方を指差し。「さどはあっちから走ってきた」曲がり角のもう片方を指差す。「見えなかったもん」「曲がり角でぶつかっちゃったのね」「ほぽぉ……」それで佐渡が泣いてしまったようだ。19

2020-06-24 21:51:00
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