土屋誠一くんがツイッターを唐突にやめたことについて、まだ考えている。なんだろう。象徴的な死っていう感じがするよね。それで、直接メッセージのやりとりをした。
2020-06-29 14:04:54「土屋追悼連続ツイートするわ」って言ったら「死んでねーw」とともに、いろいろな事由が重なったものであって、特定の誰かとか特定の発言によるものではない。なので、誰かが攻撃にさらされないように注意してやってくれ、と言われた。 お前、いいやつだなあ。
2020-06-29 14:07:08しかるに、最近の田中功起くんの「自分語り」ともシンクロしているような気がしないでもない。(僕も含めて3人とも同い年)。なんと言うか、「おっさん」のあり方をきちんと問うているのだろう、というのがまずある。
2020-06-29 14:10:03まず、土屋くんのツイートのほとんどが「教え子」に向けてなされていたことを確認しよう。彼は、自分の教え子を溺愛している。僕が軽く引くくらい。読書量、社会的事象へのコメント、アート関係での自分の立ち位置の取り方、などは全て教育的に機能している。
2020-06-29 14:20:25(ここで「東京の美大」批判が沖芸のリアリティと、おそらくはかなり、かけ離れていること、そのことを、東京のアート関係者の多くが想像できていないだろうこと、を強調してもいい。)
2020-06-29 14:21:58つまり、コロナ以前から粛々と進められてきた、オンライン授業の一環だったとも言える。ミーハーなところや、自己承認欲求が強いところなど、割と素の部分を出してくれるタイプの先生だ。
2020-06-29 14:24:41そして、何度も、自分が「性的少数者性を有している」が「マッチョ的性向を持っており」、「左翼である」が「オタクであり」、「コミュ障である」が「普通に妻子持ちであり」、「エリート気質に憧れがある」が、「所詮庶民である」ことを表明している。しつこいくらいに定期的に表明している。
2020-06-29 14:30:12実名で、かつ自分の階級やジェンダー、(沖縄にいるヤマトンチュという)エスニシティを明示している。さらに言えばある種の「不安定さ」を、そのまま露呈させるというスタイルが一貫している。
2020-06-29 14:41:20自分のことを棚に上げていうが、ある程度の名前や肩書きがあり、組織に所属しているないし、組織的な仕事をする可能性がある人間にとって、「不安定さ」を公的に見せることはリスクでしかない。みんな、土屋くんの偉大さ、というかダメさが、わかってない。
2020-06-29 14:44:00宣伝をする、他者を褒める、とりとめのないことを言う、が、安全なツイッターの使い方。たまーに、ほんの少しの「真っ当なこと」や「知的なこと」を、受け入れてもらえそうな範囲で呟く。アート業界の常識人たちは、みんなそうやって使ってる。だが、土屋は違うんだよ。
2020-06-29 14:49:24土屋くんは常に「愛すべきバカ」の存在を忘れていなかった。それは彼が知る作家だったり、学生だったり、沖縄の誰かだったり、オタク仲間だったりするのだろう。ゆえに、権威かつマッチョに見られかねないのを承知の上で、自分のバカさ加減、弱者性を示さずにはいられない、という無理が発生している。
2020-06-29 14:58:04単純に言って、キモい。彼を直接知らない限り、彼のツイートの機微を丁寧に追わない限り、どこまでいっても、偉いおっさんの、めんどくさい、じゃれである。(追悼するツイートのはずなんだが。。。)
2020-06-29 15:11:01話は変わるけど、メッセージのやりとりで分かったのは、少し前に彼のツイッター内でバズった「アンケートでセクハラって、美術史どうやって教えるのよ!」問題とその余波が、彼のツイッター死の大きな原因の一つであること。
2020-06-29 15:22:22うろ覚えで恐縮だが、その一連の流れの中で、土屋くんの立場はちょっと変わっていた。教養の場である大学を擁護しつつ「文脈も込みで勉強せい!」の一言で済ませられそうなところ(実際、多くの人がそう助言していたにも関わらず)、彼はそれとは違う視点を手放していなかった。
2020-06-29 15:25:11美術史におけるジェンダー的転回を含めるという理論的正解、単純に事前告知を徹底するという実践的正解を、「めんどくさいし時間的に無理」などと、はぐらかしつつ、彼が忘れていなかった(と僕が推測する)のは、それでも、否応なく傷ついてしまう、傷ついたと言いうる、言えうる、学生の存在だった。
2020-06-29 15:31:02僕も実感があるが、こういう学生はいる。多くの場合、無視されたり、流されたり、してしまうが、確実にいる。そういう学生の声がアンケートに反映されているのだ、と土屋は考えた(と僕は想像する)。
2020-06-29 15:32:59この場合、土屋くんはもはや「存在そのものがセクハラ」である。だって、偉そうで、教養主義で、マッチョで、コミュ障で、めんどくさくて、エロい画像見せてくるんだよ。もう、無理だよ、こんなやつ。と思われ「うる」。
2020-06-29 15:35:06(土屋くんの存在を「現代美術」に置き換えても、大体、通るように書いています。この追悼(=ツイート。おやじや。)はまだまだ続きます。土屋くん、言い返せないと思うと、さくさく書ける。あとでメッセージで怒られそうだけど。)
2020-06-29 15:41:20ここで思うのは、多分それ本当の意味でのセクハラじゃないんだよ(本当にセクハラしてたら今頃土屋くん、栄町あたりで一人ぼっちや)。これは「それって日本へのヘイトでは?」、「男性だって差別されている」、「だったらこんなのもアートでしょ?」と互換可能。
2020-06-29 18:27:03それはセクハラではないし、ヘイトではないし、差別ではないし、アートではない。しかし、それを教条的に諭しても難しいことが分かっている。大体、これだけのものが互換可能ということは、ここには構造がある。
2020-06-29 18:28:54ざっくり言ってしまうと、そこには「私を無視しないでください」、「私を下に見ないでください」というメタメッセージがある。土屋くんのあり方は、そういう学生を生んでしまうし、リベラルな物言いは、現代美術は、そういう層を生んでしまっている。これは事実。
2020-06-29 18:31:49土屋くんの、件のバズったツイートはこのように始まっている。 「いわゆるセクハラについて、ムカムカしていることがあるので吐き出しておくと」。 これを多くの人は、当該の学生に対するムカつきだと受け取った。まあ、基本そのようにしか読めない。
2020-06-29 18:42:55そのようにしか読めない以上、強い側のものが弱い側にムカついているわけで、結果的に人の感情を掻き立ててバズっている。本人は反省したほうがいい。書き方をまずっている。これが死に至る傷を呼び込んだわけだから、余計にね。
2020-06-29 18:46:01