【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第293話「蜀皇帝」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第15巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」01】 第293話です。魏では曹丕が皇帝を名乗りました。これを持ちまして、漢帝国は正式に滅亡。しかし、これを良しとしない勢力があります。それが、劉備玄徳が率いる蜀です。

2020-07-06 13:02:33
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」02】 孔明以下重臣たちが、この時点では漢中王を名乗っている玄徳を訪れます。今こそ皇帝の位につき、祖廟の霊をなぐさめ、又もって万民を安んずべき時、と玄徳の決心を促しにきます。しかし、厳しい表情を浮かべる玄徳、その話はするなと言っただろうと一喝。

2020-07-06 13:05:04
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」03】 しかし、と孔明。玉璽が漢中王の手もとに届いたのは天の啓示、今こそ漢朝の宗親たる我が君が進んで漢の正統を継ぐべきだと考える、と述べます。玄徳は、自分を末代まで不忠不義の人と呼ばせたいのか、と激怒します。

2020-07-06 13:07:00
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」04】 孔明は、逆賊曹丕と玄徳は同じではない、漢朝を奪った曹丕の罪をいったい誰が懲らしめるのか、皇帝の嫡流たる玄徳が皇帝を名乗るのがなぜいけないのか、と食い下がります。

2020-07-06 13:08:02
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」05】 玄徳は、たしかに自分は景帝の嫡流、しかしひとたび臣下に落ちたうえ、まだひとつも王徳をほどこさないまま自分がそのあとを継いだら、やはり曹丕のような悪名を受けるとは思わないのか、とかたくなな姿勢を貫きます。

2020-07-06 13:09:29
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」06】 その話は二度とするな、と孔明にさがれ、と命じる玄徳。これ以上は何を言っても聞くまいと察した孔明は、だまって退出します。 曹丕は喜んで玉璽を受け取ろうとしましたが、仲達に止められ何度も固辞しましたが、玄徳は自ら何度も固辞する態度を貫きます。

2020-07-06 13:11:35
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」07】 その日以来、孔明は病と称して出仕しなくなります。 本当の病気か、サボタージュか。いずれにせよ、何日も欠勤が続くと、さすがに政務に支障がでてくるようです。玄徳も心配して、よほどの重態か、と見舞いに行くことにします。

2020-07-06 13:13:39
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」08】 寝床にいた孔明は、玄徳が直々に見舞いに来たと聞いて、寝たままでは失礼になると言って、衣服を着替え、玄徳を迎えます。起きてて大丈夫なのか、と尋ねる玄徳に、孔明は体の病ではなく心の病ゆえ、起きることはできると答えます。

2020-07-06 13:15:12
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」09】 心の病とは、と玄徳が尋ねますが、ご賢察願うほかございませぬ、と孔明。先頃の進言を自分が拒んだことが原因火、と玄徳が言えば、あっさり、はい、と答える孔明。ここから孔明の胸の内が明かされます。

2020-07-06 13:16:42
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」10】 三顧の礼以来、玄徳に使えてはや十余年、いま蜀をとってようやく理想の一旦が実現されたと。天下三分の計はほぼ成ったと見ていいでしょう。しかし、目的はあくまで漢朝の再興、つまりは天下統一ということです。

2020-07-06 13:19:19
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」11】 天下を平定し、万代まで続く太平の基を作るのは玄徳をおいていないと考えていた、と孔明。これは誰でもいいというわけでなく、天に選ばれた人のみが成し遂げられること。孔明はそれは玄徳いがいにないと信じ仕えてきた、と。

2020-07-06 13:21:15
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」12】 玄徳はこの期にいたって世の俗論を恐れ、一身の名分ばかりにこだわっていると。思えば、玄徳の優柔不断ぶりにはこれまで何度も孔明が悩まされてきました。それも織り込んだ上での戦略だったわけですが、玄徳が皇帝を受けなければこれまでの苦労が水の泡。

2020-07-06 13:23:24
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」13】 昔は天下のために燃えるような情熱をもっていたが、このごろは玄徳ともあろう者が老いて一身の無事のみがただ願うところとなったのかと考えているうちに、ついつい病の床に伏してしまった、と孔明が言います。

2020-07-06 13:24:43
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」14】 自分のことしか考えていなかったと、ハッとした玄徳。自分の考えは浅すぎたかもしれぬ、たしかに、自分がこのまま黙っていたら、魏の曹丕の即位を正統なものとして認めたことになる、と玄徳が言います。

2020-07-06 13:26:14
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」15】 今まで曹操が皇帝の位を狙うを阻止せんと戦っていたことが無意味になる、と孔明が言うと、玄徳は、よくわかった、自分は小さなことにこだわりすぎたようだ、と腹を決めます。

2020-07-06 13:27:20
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」16】 曹丕の即位は認めぬ、と天下に知らしめるために、皇帝を名乗ろう、と玄徳が言うと、天下を統一し戦火の消える太平の世をおつくりください、と孔明が言います。かくして、玄徳はついに皇帝になることを承諾するのです。

2020-07-06 13:29:01
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」17】 かくして建安二十六年四月に皇帝即位式が行われます。魏の新暦黄初は認めず、あくまでこれまでの漢の年号を受け継ぐという意味で、建安を使っています。武担(ぶたん・現在の四川省成都市中心部に位置する)に大礼台が築かれます。

2020-07-06 13:33:09
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」18】 地上を埋めつくした文官・武官の見守る中で、玄徳は玉璽を受け、ここに蜀の皇帝を天下に宣言します。年号も章武元年と改元し、国も大蜀と号します。蜀漢と言われることもありますが、国名としては大蜀、もしくは蜀となります。

2020-07-06 13:39:34
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」19】 年号についても、年表的には漢の建安と、魏の黄初が併記されていたのが、今後は魏の黄初と蜀の章武が併記されます。魏歴・黄初2年、蜀歴・章武元年となります。

2020-07-06 13:44:12
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」20】 天に二日なし、という千古の鉄則はここに破れ、中華には二つの皇帝国家が誕生しました。玄徳の皇帝即位とともに、孔明は丞相の位につきます。こうして、玄徳は皇帝となったわけですが、皇帝についたら終わりということではありません。

2020-07-06 13:47:17
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【横山光輝「三国志」講座293「蜀皇帝」21】 皇帝になった玄徳は、はたしていかなる行動にでるのか…。この続きは次回となります。 今回はここまで。

2020-07-06 13:48:19