茂木健一郎さんの「日本を変える“負け組”」

脳科学者・茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの6月29日の連続ツイート。 もはや失敗国家となってしまった日本を変えられるのは、負けの危機感を持つ“負け組”のみ・・・
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茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(1)日本はすっかり失敗国家となった。過去の成功体験をもたらした日本人の資質が、ネットとグローバル化に対応できない。この状況を変革し、日本再生への道筋をつけてくれるのは、「負け組」の人たちだろう、というお話をする。

2011-06-29 07:42:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(2)幕末、西洋列強の圧迫の下、日本は未曾有の危機を迎えていた。そんな中で、薩摩と長州の人たちが立ち上がった。二つの藩に共通していたことは何か? それは、どちらも完膚なきまでの「負け」を経験したということである。

2011-06-29 07:43:31
茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(3)薩摩は、イギリスとの間で薩英戦争をたたかった。薩摩側もさまざまな計略を駆使して奮闘したが、イギリスのアームストロング砲などの最新兵器の前に、なすすべもなかった。鹿児島は火の海となり、薩摩の人たちは列強の実力を肌で感じた。

2011-06-29 07:45:27
茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(4)長州は、イギリス、フランス、アメリカ、オランダの連合軍との間で「下関戦争」を闘った。砲撃を受け、完膚なきまでの敗戦。「攘夷」を唱えていたのが、敵の最新文明を受け入れなければ話にならない、と気付いた。

2011-06-29 07:46:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(5)薩摩も長州も、西洋列強の文明を間近に感じ、大きな危機感を抱く。結果として、留学生を派遣したり、西洋式の軍備を取り入れたりして、「攘夷」から大きく舵をとった。「負け」の危機感が、彼らを維新へと駆り立てたのである。

2011-06-29 07:48:03
茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(6)一方、幕府は、二百数十年続いた自分たちのシステムが、今後も続くと思っていた。過去の成功体験に呪縛されて、新時代への切り替えができなかった。実際に「まけ」を経験した薩摩や長州の人たちの危機感に比べて、あまりにも微温的だったのである。

2011-06-29 07:49:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(7)相変わらずの入試を続ける大学関係者、新卒一括採用の愚行を反省しない大企業、予算獲得の花鳥風月を続ける霞ヶ関といった「既得権益者」は、過去のやり方がこれからも続くと思っている。ネットとグローバル化の凄まじさの前に、自分たちが「負け」ていることに気付かない。

2011-06-29 07:50:50
茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(8)TEDのような世界のクリエィティヴ・クラスが集う凄まじいまでのミームの進化の場を実見すれば、蛸壺、翻訳学問、エセ権威主義、文科省との癒着の日本の大学など、時代遅れの化石だということは明らかなのに、既得権益者たちはそれに気付かず、のんびりあくびしている。

2011-06-29 07:52:54
茂木健一郎 @kenichiromogi

まけ(9)失敗国家日本を変える原動力になるのは、ネットとグローバル化の凄まじさを実際に体験している「負け組」のみ。日本の中で小さな「成功」を収めてあぐらをかく人たちの愚鈍な現状維持主義になど付き合わず、自ら直接手足を動かして勝手にやろうじゃないか、諸君!

2011-06-29 07:54:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、日本を変える「負け組」についての連続ツイートでした。

2011-06-29 07:54:56
茂木健一郎 @kenichiromogi

みんなで、脱藩の技術を磨こうよ。

2011-06-29 09:45:59