青森のしじみ屋さんが「常温保存っていうけど、常温ってそもそも何?」について解説

常温とは? 賞味期限とは? 賞味期限の過ぎた即席しじみ汁ってもう食べられないの? 夏場のおすすめの保管方法は? そのあたりのことを雑談を交えながらゆるく解説します!
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肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

例年「これからの季節、大和しじみ汁をどうやって保存したら良いのか?」というお問い合わせが増えますので、雑談を交えながら(むしろ雑談メインで)そのあたりについてゆるくご説明申し上げたいと思います。 まず、大和しじみ汁をはじめとする弊社商品の多くには、次のような記載があります。

2020-07-10 15:00:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

『直射日光・高温を避けて常温で保存してください。』 これ、とても大切です。賞味期限というものは「未開封で "商品に記された保存方法を守って" 保存した場合に美味しく安全に食べられる期間」のことだからです。商品に記された保存方法というのが、まさにこの部分となります。

2020-07-10 15:01:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

「直射日光を避ける」というのは文字通りそのままなのですが、ここで「そもそも高温とは? 常温とは?」という疑問をもたれた方もいらっしゃるかと思います。日本の夏は暑くなりますからね…。

2020-07-10 15:02:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

常温というのは厚生労働省の表現を借りるなら「外気温を超えない温度」とされています。意外に思われるかもしれませんが、じつは加工食品の世界においては「常温とは○℃~○℃の範囲である」と法律で明確に定められてはいないのです。

2020-07-10 15:03:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

(大手食品メーカーのホームページを見るとQ&Aコーナーに「当社では28℃としています」「当社は15℃~30℃を想定しています」という記述があったりはしますが、あくまでもそれぞれのメーカーさんの独自基準です)

2020-07-10 15:04:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

一般的に加工食品で「常温保存」といったら具体的に何℃ということではなくて、「外気温を超えない温度で、直射日光が当らなくて、ある程度風通しのある涼しめの場所での保存」のことを指していることがほとんどかと思います。

2020-07-10 15:05:00
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とはいえ、目安となる数字がまったくないわけではありません。日本薬局方(にほんやっきょくほう)の通則で「常温は15~25℃」と定められていますし、医薬品や微生物学の試験でも25℃が基準となっているそうです。

2020-07-10 15:06:00

これ、日本薬局法の誤字ではなくて日本薬局方なんです。

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これらは食品の基準ではありませんが、微生物の繁殖は食べ物の腐敗に繋がりますので、この25℃というのをひとつの目安と考えて差し支えないかと思います。 (ちなみに常温に似た言葉に「室温」がありますが、こちらは日本薬局方で1~30℃とされています。常温よりも範囲が広いですね)

2020-07-10 15:07:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

「そうはいっても夏場になると連日35℃を超える日々が続くんだけど…」 みなさまのそんな声が聞こえてきそうです。 では35℃を超えるような暑いところに何日か保管しておいたらどうなってしまうのか? ということなのですが…。

2020-07-10 15:08:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

しじみちゃん本舗の即席みそ汁シリーズ(大和しじみ汁、ほたてみそ汁)の場合、べつに腐って食べられなくなるということは無いです。そもそもみなさまのお手元に届いているしじみ貝もほたても、小袋に詰めたあと35℃どころか、それよりずっと高温の120℃以上になる圧力釜で殺菌したものですので…。

2020-07-10 15:09:00
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(参考)しじみちゃん本舗の即席「大和しじみ汁」「ほたてみそ汁」はこういう商品です。 pic.twitter.com/oDoxHHwK83

2020-07-11 13:10:16
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肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

調味みそのほうも、主原料のおみそは塩分が12%程度ある食べ物ですし、発酵をおさえる酒精(=アルコール)が入っていることもあって微生物が繁殖しにくい条件となっています。

2020-07-10 15:10:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

これはまったくの余談となりますが、調味みその原材料に酒精(=アルコール)が入っていることにおどろかれる方がいらっしゃいますが、そもそもみそはアルコールをふくむ食べ物です。発酵の過程で米と大豆が分解され、酵母がアルコールを作りだすからです。

2020-07-10 15:11:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

「もしかして、おみそからお酒が作れる?」という話になると、ここがおもしろいところで、ある程度アルコールが増えてくると酵母は自らが生みだしたアルコールの力によって殺菌されて死んでいくのです…擬人化したら少年漫画になりそうな熱い展開ですよね(?)

2020-07-10 15:12:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

調味みそには、商品の袋の中でそれ以上発酵が進まないように調整(静菌)する目的でアルコールが少し加えられています(みそ由来のアルコールと、添加したアルコールの合算で基準値にします)。 ※少量ですし、即席のしじみ汁は食べる時に熱湯を注ぐので酔うことはないです。

2020-07-10 15:13:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

暑いところに置いたことで想定される変化としては、調味みその色が濃くなる、かつおや昆布の風味がもしかしたら弱くなる、そして、敏感な方は包装資材からのにおい移りを感じ取るかもしれません。

2020-07-10 15:14:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

このうち調味みその色が濃くなるという部分ですが、本来みそとはそういうものです。白みそも赤みそっぽくなります。お米由来の糖分と大豆由来のアミノ酸が反応して褐変するのです。じつはこれは涼しい場所でも進行します。

2020-07-10 15:15:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

現象としてはごはんのおこげとか、玉ねぎを炒めると飴色になるというのとおなじで、美味しくなくなるのではなくて、当初とは風味の方向性が変わるといったイメージです(ちなみにこのツイートを書いているシホンは、赤みが増したほうが好みだったりします)。

2020-07-10 15:16:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

いちばん問題になるのがにおい移りでしょうか。商品を製造する段階では包装資材(プラスチック素材の小袋)はほぼ無臭です。ところが暑い場所で時間が経つとだんだん「苦手な方にとっては嫌なにおい」がしてきます(ぜんぜん気にならないという方もいらっしゃいます)。

2020-07-10 15:17:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

賞味期限の設定は「腐って食べられなくなるから」ではなくて、この辺を加味して「美味しく食べられる期間」として設定しています。

2020-07-10 15:18:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

長々と述べてきましたが、結局のところ「夏場暑いところに保管していると腐ったりはしないけれど、美味しさが損なわれる可能性があります」ということで、目安として30℃を超えるような時期には冷蔵庫のあまり冷えすぎない場所(野菜室など)に保存していただくのがおすすめということになりますね。

2020-07-10 15:19:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

亀仙人的にいえば「最終回じゃないぞよ もうちっとだけ続くんじゃ」ということで、このお話の続きはまたあした。そうです、こんなに語っておきながらまだ続くんです…。

2020-07-10 15:20:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

シホンは味噌技能士の資格をもっているのでその辺の知識はまぁ大丈夫だと思っているのですが、それでもこのツイートを書くにあたっては念のため調べなおしたりしてけっこう時間をかけてます。あしたもお楽しみに!

2020-07-10 15:21:00
肝助のしじみちゃん本舗(公式) @shijimi4438

それでは昨日のツイート「常温保存って何?」のつづきです。即席「大和しじみ汁」にたいしてよくある質問3つにQ&A形式で答えてみようと思います。ちょっと私見が混じっちゃいますけどご容赦ください。

2020-07-11 11:00:00