リテラシーと社会的成熟に関する考察
- naganoteru
- 2997
- 1
- 0
- 1
「人は見かけによらない」と「身だしなみが大切」という一見矛盾するふたつのテーゼを矛盾なく両立することがリテラシーだと思う今日このごろ。
2011-06-29 17:16:14それは、「人を外見で判断してはならない」という他者を客体とするときの自己の姿勢と、「人に会うときには相手が気持ちよく接することができるように身だしなみに気をつかう」という自身を客体とするときの自己の姿勢の両立という意味だけではない。
2011-06-29 17:19:35リテラシーとは、外見と人となりという相関関係のある要素について抽象化し、一般化するとともに、一方で、個別の事例については例外がありうることを冷静に認識すること。「一般」と「個別」というふたつの異なる次元の視点を意識的に使い分けることができるか。それが大切。
2011-06-29 17:23:27恐ろしいことに、リテラシーのない人は、完全にその真逆を行くことができてしまう。個別論に対してステレオタイプをそのまま適用し、抽象論で考えるべき場面でヒューマニズムに流される。自身のオブリゲーションを小さく見積もり、他者のそれを拡大する。なにより、自身がリテラシーを欠く自覚がない。
2011-06-29 17:28:13人間的成長とは、自分の責任範囲を拡張し、他者のそれを縮小することで、もっとこうしておくべきだった、自分がこうしていればこうはならなかったと、自戒すべき領域を広げること。これを相互に行えば、両者ともに自分が当然にするべきと考える部分を行うだけで、相互に感謝の気持が芽生える。
2011-06-29 17:33:39ある人は、「ありがとう」の反対は「当たり前」だと言った。やってもらえて当たり前だと思っているところに感謝は生じない。けれど、自身の主観的オブリゲーションを拡張すれば、自分が当たり前と思ってやっていることに、他者は感謝をしてくれるようになる。これが人間的成長。
2011-06-29 17:35:42だからぼくは、主観的なオブリゲーションがオーバーラップする関係性こそが、成熟した大人の関係だと思うのです。当たり前のことが感謝につながり、感謝がまた次の正なる何かを生むという。そういう関係性こそが、人を一番成長させるのではないかと思います。
2011-06-29 17:38:01そしてぼくは、本物の大人は、一般論と具体論でも、これを逆に扱うようなことをせず、きちんとリテラシーをもって情報を処理しているに違いないと思うわけです。それは、偏見なく、なおかつ傾向をきちんと捉えられることだからです。
2011-06-29 17:42:43ぼくは論語の「君子和して同ぜず、小人同じて和せず」ということばが好きなのだけど、それは、「和」と「同」という一見類似するふたつの概念に決定的な違いがあることを示しているから。実際、ただ同じているだけの小人たちが、自分たちのことを成熟していると勘違いしている例をよく見かける。
2011-06-29 17:59:09社会的成熟とは、決して理不尽を受け入れることでもなければ、本当は合意できない意見に同調することでもない。自分とは異なる立場や意見にも正義や合理性があることを知ることであり、だからこそ違いを越えて相互にリスペクトをすることこそが、社会的成熟。
2011-06-29 18:05:21なので、成熟した大人の人間関係には、傷のなめあいもなければ、空気に流された同調もない。そこには、各人なりの良識と正義があり、人と人との間のリスペクトがある。お互いを思いやり、思いやられるがゆえに感謝し、思いやり返す関係。大人の人間関係とは心地よい関係性なのだ。
2011-06-29 18:11:17したがって、嫌いな人間ともニコニコして付き合う、理不尽を受け入れる、こういうことが社会的成熟だと考えている人は、自分自身がまだ社会的に成熟していないことを知るべきだと思う。大人同士の人間関係は、もっと気持ちのいいものだからね。
2011-06-29 18:25:19ということで、「人は見かけによらない」と「身だしなみが大切」という一見矛盾するふたつのテーゼを矛盾なく両立することがリテラシーだと思う今日このごろ、というつぶやきから始まるリテラシーと社会的成熟に関するツイートを終わります。失礼しました。
2011-06-29 18:30:57@naganoteru なんだか、救われた気分になる言葉です。。。いろいろ理不尽なことがあったからかなぁ。。。ありがとうございます。いつも、teruさんの突っつくポイントは、興味深いです。本当は、同調するだけでなく、突っ込みもしたいのに、突っ込めないアホな私をお許し下さい(笑)
2011-06-29 19:45:20会社で360度評価を管理職に導入したとき、これをあくまで参考情報にとどめたのは、部下のレベルが低いとその部下からの上司の評価が低く出るから。裏返して言うと、上司を批判している部下は、むしろ自分のレベルの低さを省みるべき。逆もまたしかり。
2011-06-30 12:22:24昨日の夜、社会的成熟を理不尽を受け入れること、合意できない意見に同調することと勘違いしている人は、自身の社会的未成熟を疑うべきとツイートしたのだけど、これも同根。
2011-06-30 12:28:22もっと言うと、受験勉強を詰め込み、丸暗記だと批判し、高学歴の連中を考える力がないと揶揄する人もまた、自身が受験勉強を詰め込み、丸暗記としか捉えることができず、そこから考える力を得ることができなかったことを省みるべきだと思うな。天唾という意味じゃ、さっきのと同じだわ。
2011-06-30 12:35:02一方で、自己批判的な社会批判と切り離して、システムについて検証し、改善を図ることは必要だと思う。自身については社会を批判するのではなく自省をし、一方で、システムという意味ではその妥当性を検証する。この両立もリテラシー。
2011-06-30 13:04:27しかし、一般論と個別論の切り分けは重要だな。若者たちに就職先がないことはマクロの経済問題として問題だけど、一方で、目の前にいる就職先のない学生については、本人の努力や性格といったミクロ要因を省みるべき。就職先がない学生が、自身を社会の犠牲者というのは筋違いだと思うな。
2011-06-30 15:11:41なかなかいいな、この方法論。自分がうまくいかなかったことについては自省し、別途、システム的な課題を検証し改善を図るという。一般論と個別論を切り分けるという意味でも、自己の主観的オブリゲーションを拡張するという意味でも、リテラシーや社会的成熟に通じるものがあるな。
2011-06-30 15:23:43@naganoteru 僕もそう思います! 近い将来、起業を考えていますけれども、今の自分はまだまだ未熟なため、FPだけじゃなく人間的成長の本当の意味も肝に銘じなければならないと思いましたm(_ _)m ありがとうございます!
2011-06-30 17:20:28なるほど。RT @naganoteru: 会社で360度評価を管理職に導入したとき、これをあくまで参考情報にとどめたのは、部下のレベルが低いとその部下からの上司の評価が低く出るから。裏返して言うと、上司を批判している部下は、むしろ自分のレベルの低さを省みるべき。逆もまたしかり。
2011-06-30 18:18:14気をつけます! RT @naganoteru: 会社で360度評価を管理職に導入したとき、あくまで参考情報にとどめたのは、部下のレベルが低いとその部下からの上司の評価が低く出るから。裏返して言うと上司を批判している部下は、むしろ自分のレベルの低さを省みるべき。逆もまたしかり。
2011-06-30 20:07:05