『鬼滅の刃』と「被害者の時代」のサブカルチャー

まとめました。
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きーん @Kean_Univ

鬼滅は鬼がみんな自分を被害者だと思ってるのがほんとに本質的よね。上弦の弍みたいな一見例外的なキャラもいるけど、あれはあれで「何に対しても心から興味を持てない」という誰にでもある気持ちを描きつつ、そういう自分が他の人より可哀想だと思っていて、それを加害の肯定材料にしている。

2020-07-11 11:36:04
きーん @Kean_Univ

加害側の心理には往々にして「本来自分が得られるべきものを得られていない」という「欠損」の感覚があって、加害が適切でないという理屈は分かっていても「欠損」を埋めるための自分の行動には正当性があると思っていたりする。それを鬼滅はよく描いていると思う。 twitter.com/kean_univ/stat…

2020-07-11 20:54:59
きーん @Kean_Univ

「欠損」の中には本当に基本的人権が侵害されたケースもあれば、「普通は持っているべき」と刷り込まれたものを得られないことから生ずるものもある。異性にモテるべき、パートナーがいるべき、セックスを経験しているべき、仕事で自己実現すべき、などもそれだと思う。

2020-07-11 20:54:59
きーん @Kean_Univ

基本的人権以外のことに「普通」という感覚を適用しようとするのはいたずらに「欠損」の感覚を生じさせる。誰も幸せにしない。 我々は一人一人別の人間で、基本的人権を侵害したり侵害されたりしなければお互いどんな人間でも損も得もしていない。

2020-07-11 20:55:00
きーん @Kean_Univ

話題のポテサラ爺も「普通」という感覚を元にした「相対的欠損」が加害動機の1つだと思う。自分は「普通」を遵守し縛られてきた。自分が「普通」だと思うことに沿わない人を見ると遵守してきた自分が「損」をしている感覚になる。沿わせようとする自分の行動にきっと正当性を感じている。

2020-07-11 22:36:13
けんちゃん @kenchan5

それだからこそ、一般には聴こえない「鬼」の「声」を聴けて聴こうとし続けた炭治郎の姿勢は鬼と向き合う私たちに示唆をくれるし、禰豆子の存在は「鬼」と私たちの境界はあるのか、どこにあるか考えさせられるところまで汲み取りたいよね。 twitter.com/kean_univ/stat…

2020-07-12 15:21:15
noobie@siberia @17noobies

今の社会の有り様を一言で表すのならば、「被害者の時代」という形容がふさわしいのではないか、と近頃思う。

2020-07-07 02:02:49
noobie@siberia @17noobies

グローバル化と新自由主義を前提とした社会変動と、インターネットに代表されるコミュニティのエコーチャンバー化が被害感情を増幅させている現状においては、従来の弱者救済を旨としたリベラル作法はもはやお題目として有効たり得ない。

2020-07-07 02:12:24
noobie@siberia @17noobies

誰かを救うことが誰かへの加害として受け取られる状況そのものを変えるか、徹底的に誰かの側の味方であることを宣言するか、いずれにせよある種の割り切りがなければ、この状況を変化させることは難しいように思う。

2020-07-07 02:36:34
noobie@siberia @17noobies

BLM然り、フェミニズム然り、在日特権然り、社会的対立は、基本的に被害感情によって運動として成り立っている。そしてさらに、その多くは対立者同士が自らを被害者と称している。

2020-07-07 02:06:09
ワクテカ @rewktk

『鬼滅の刃』は「被害者の時代」の作品として読めるか

2020-07-12 19:04:46
noobie@siberia @17noobies

@rewktk 無惨様なんかは「加害↔被害関係の過剰な相対化」の象徴のような存在に思えますね

2020-07-12 19:07:15
ワクテカ @rewktk

@17noobies 圧倒的な加害者としての振る舞いにおいて?途中までしか読んでいないため、的外れでしたらすみません。

2020-07-12 19:10:15
noobie@siberia @17noobies

@rewktk 本人だけが徹頭徹尾自分を被害者だと思っているという点においてですね。

2020-07-12 19:11:16
ワクテカ @rewktk

@17noobies そういう話なんですね。コミックス派ですが、読み返してみます。

2020-07-12 19:12:04
noobie@siberia @17noobies

@rewktk 進撃の巨人も加害↔被害関係がテーマですし、その構図で説明できそうな作品が結構あるように思えてきました

2020-07-12 19:15:58
ワクテカ @rewktk

@17noobies 他にもありそうですね。どちらも人喰いの話であることも関係してくるんでしょうか…。

2020-07-12 19:18:39
noobie@siberia @17noobies

@rewktk 個人的には間接的な影響ぐらいにとどまりそうな気はしますが、真面目に考察する必要はあるかもですね(やるとは言ってない)

2020-07-12 19:34:40
たけくら @tachesan

2010年代に爆発的に売れたコミックスを考えると、進撃の巨人、東京喰種、鬼滅の刃など、"人食いモノ"とでも言うべき一大ジャンルが出来上がりつつあるのでは。 どうしても同時代の出来事として、昨今のSNSの殺伐感と繋がっているように思えてしまう。

2020-05-25 00:13:49
たけくら @tachesan

アルドノアゼロのように人間同士が異なる勢力に別れて争い合っているのをどう治めるかよりも、むしろ東京喰種・シドニアの騎士・進撃の巨人のような、モンスター(的なもの)と人間がどう調停していくかの方が、最近は圧倒的な緊張感をもって作品を見れてしまう。テラフォーマーズも次アニメ化だっけ。

2014-09-16 19:36:00
たけくら @tachesan

ゲンロン0の2章で紹介されている、「最善説」批判=世界には何の意味もなく無駄に苦しめられ殺されるひともいると考えるスタンス、最近の日本のサブカルチャーでも流行ってるように感じられる。進撃の巨人、東京喰種、この世界の片隅に、等。自分にとっては、amazarashiの歌詞もその一つ。

2017-04-10 01:23:58
たけくら @tachesan

ループ物作品は、ループから抜け出せた時にそれまでの無駄な数々の死が報われる「最善説」的構図になり、そこにカタルシスがあった。だけど、いまやただの無惨な死を描くことの方が人々の関心を集めているんだろうか…とか、思考が横道に逸れてしまい、ゲンロン0がなかなか進まない。面白いんだけど。

2017-04-10 01:27:18
noobie@siberia @17noobies

確かに東京喰種も「人食い」かつ「加害↔被害関係の相対化」がテーマだったなあ

2020-07-12 19:53:11
ワクテカ @rewktk

『るろうに剣心』の緋村剣心が憲法9条を体現している、という話は説得力があるけど、「同情する」(タテマエ)と「殺す」(行動)を矛盾なく両立させる竈門炭治郎の現代性、みたいなことは誰も言わないのだろうか。

2020-06-09 23:34:33
ワクテカ @rewktk

剣心が不殺の誓いを守り続けるのは、かつて最愛の人を事故で斬り殺してしまった負い目=罪の意識から。一方で、炭治郎たちが殺す鬼に同情するのは、鬼の命を奪うことと折り合いを付けているようにも見える。悪い言い方をすれば、読者の罪の意識をキャンセルする仕掛けにも見える。

2020-06-09 23:40:01