ドラゴンボールBGMのMナンバーについて解説

人に説明する際に使うためのセルフまとめ。かなり突っ込んだ話なのでマニア以外はたぶん読むだけ時間の無駄です。
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Mナンバーとは

ΝΑΠΠΑ @nappasan

ドラゴンボールのサントラ未収録BGMについて「M300番台」とかサラッと言いましたが、これは製作当時にBGMの個別曲に付けられていた通し番号です。映像作品の制作現場では大抵こうした「Mナンバー」と呼ばれる番号で劇中使う曲を区別しています。DBの場合はサントラのライナーノーツに書かれてます。 pic.twitter.com/kwlqEM8frv

2020-07-12 19:06:08
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ΝΑΠΠΑ @nappasan

ドラゴンボールの場合、第1回録音分では「M○○」という形式ではなく A~J にそれぞれジャンル分けされた番号が付けられています。AがOP曲アレンジ、BがED曲アレンジ、Cが毎話特定箇所で使う曲(サブタイ・アイキャッチなど)といった具合に分けられています。

2020-07-12 19:10:19
ΝΑΠΠΑ @nappasan

2回目以降は全て「M」に番号を付する形に移行します。天下一武道会に合わせて作曲された第2回録音分がM2桁台、レッドリボン軍篇向けの第3回録音がM100番台、劇場版第1作目はM200番台といった形で百の位以上の桁で時期の区別をして、下2桁が同じ録音内での個別番号に相当します。

2020-07-12 19:19:17
ΝΑΠΠΑ @nappasan

各作曲・録音時にはその中で単純な番号が割り振られていましたが、TVシリーズの選曲担当の宮下滋氏が選曲時の区別のために百の位の数字を付していました。このナンバーが曲の区別のため一番判りやすいのでサントラでも使われています。

2020-07-12 19:26:50

Mナンバーによる時期の区分

ΝΑΠΠΑ @nappasan

A~J:第1回録音(サントラ収録分がJまでなだけでもっとあるかも) M2桁:第2回録音(天下一武道会) M100:第3回録音(レッドリボン軍篇) M200:劇場版第1作 M300:第5回録音(桃白白・カリン塔関係) M400:劇場版第2作 M500:第7回録音(ピッコロ大魔王篇) M600:劇場版第3作

2020-07-12 19:31:16
ΝΑΠΠΑ @nappasan

M700:第9回録音(サイヤ人篇) M800:劇場版Z第1作目 M900:劇場版Z第2作目 M1000:劇場版Z第3作目 M1100:劇場版Z第4作目 M1200:劇場版Z第5作目 M1300:劇場版Z第6作目 M1400:劇場版Z第7作目 M1500:劇場版Z第8作目 M1600:劇場版Z第9作目

2020-07-12 19:34:46
ΝΑΠΠΑ @nappasan

M1700:第19回録音(ハイスクール篇) M1800:劇場版Z第10作目 M1900:劇場版Z第11作目 M2000:劇場版Z第12作目 M2100:劇場版Z第13作目(最終)

2020-07-12 19:38:12

Mナンバーにおける例外とそこから判る制作背景

ΝΑΠΠΑ @nappasan

以上のことから「M806」と言った場合は「劇場版Z1作目の6番目の曲」ということになります。ただ残念ながらサントラには収録分のMナンバーしか書かれていないので、未収録分については類推にならざるを得ません。劇場版のBGMについては番号は概ね劇中での使用順通りですから、大抵は推測可能です。 pic.twitter.com/aZKPADA98x

2020-07-12 19:47:11
ΝΑΠΠΑ @nappasan

「大抵は」と付け加えたのは、中には当然例外も存在するからなんですね。例えばM2100番台のサントラ未収録曲にタピオンのオカリナの曲があるわけですが、サントラに書かれた番号と劇中の使用順に従ってMナンバーを整理すると、このオカリナの曲が入る余地が無いことが判ります。 pic.twitter.com/nihpF1o2oL

2020-07-12 20:00:46
ΝΑΠΠΑ @nappasan

*=サントラ収録分 M2101*(導入部~タイトル) M2102(懇願するホイ) M2103(ドラゴンボール探索) M2104(神龍登場) M2105(オルゴールの曲) M2106*(怒るタピオン) 明らかにオカリナの曲が番号に入りません。

2020-07-12 20:03:48
ΝΑΠΠΑ @nappasan

じゃあ何故数字が合わないのかを探っていくと、サントラ収録曲のM2109とM2117の間には番号に従えば7曲存在するはずですが、実際のところは6曲しか無いことが判ります。ただ、間にオカリナの曲の繰り返しが1回存在するんですね。つまり、このオカリナの曲の番号がここに入ると考えれば辻褄が合います。 pic.twitter.com/CitcRXVVgm

2020-07-12 22:19:09
ΝΑΠΠΑ @nappasan

その理屈でいえばオカリナの曲のMナンバーはM2110ということになります。しかしMナンバーは基本的に初出の部分で振られますから、2回目に流れるこの順番で番号が振られているのは少々不自然です。そこから考えると、「実はこの場面が本来オカリナの曲の初出箇所だったんじゃないか」と推測できます。

2020-07-12 22:24:04
ΝΑΠΠΑ @nappasan

更に言えば、BGMの発注の時点ではヒルデガーンの下半身が消える場面でオカリナの曲が初披露される演出になっていた故に曲のMナンバーはM2110だが、それより後の段階でオルゴールからの出現時点でオカリナを吹いている演出に改められたのではないか、とここでは推測可能なわけですね。

2020-07-12 22:29:54
ΝΑΠΠΑ @nappasan

もちろんこれは他に根拠のない私個人の推測に過ぎませんけども、こうしてMナンバーを考察することで制作過程の裏側まで何となく覗い知れることもあったりするわけです。

2020-07-12 22:32:44

Mナンバーによる劇中未使用曲の推測

ΝΑΠΠΑ @nappasan

他にも特殊な例として、サントラに収録されていてMナンバーが判っているにも関わらず劇中で一切未使用の曲というのも存在します。M1018は5枚組大全集で「再開された天下一武道会に胸踊らせるイメージ」としてブウ篇の曲に混じって収録されている曲ですが、実際には映画・TV共に一度も使われてません。

2020-07-12 22:40:07
ΝΑΠΠΑ @nappasan

つまり完全なボツ曲ということですが、Mナンバーから判るように本来は『地球まるごと超決戦』向けに作られた曲です。番号に従ってそれらしい場面を探ると、ほぼ尺が合う場面があることが判ります。しかも悟空・ピッコロ・ターレスのライトモチーフがそれぞれぴったりのタイミングで流れます。 pic.twitter.com/MsF2JYn9oO

2020-07-12 22:43:49
ΝΑΠΠΑ @nappasan

ただ見てのとおり実際に映像に合わせてみると場面の雰囲気に対して曲が明るすぎるんですね。だから最終的にボツになってBGM無しになったのだろうと分かります。こうしてMナンバーから様々な情報を読み取ることが可能なわけです。ちなみにM1018は2008年のアニメツアーの上映作で劇中初使用されました。 pic.twitter.com/DIsdxTs2dR

2020-07-12 22:56:48

同一ナンバーのアレンジ違い

ΝΑΠΠΑ @nappasan

Mナンバーで他に例外的なものでいうと、番号の後にAやBといったアルファベットが付いているものがあります。これは元から複数候補のうちどれかを選ぶつもりでいくつか作ったバリエーションなので、映画ではどれか一つが使われて他は完全に未使用で終わったり、TVシリーズでのみ使われたりしています。

2020-07-13 00:52:02
ΝΑΠΠΑ @nappasan

例えばM1120Bというスラッグのテーマのアレンジがありますが、この曲はBと付いていることから判るとおりM1120Aというバリエーションが存在します。もしかしたらCも存在する可能性は無きにしもあらずですが、TVシリーズでも3曲目は確認されていないので制作側の資料をあたってみないと判らない話です。 pic.twitter.com/0mFwJn9SKX

2020-07-13 01:02:31
ΝΑΠΠΑ @nappasan

M1120Aだと思われる別アレンジはTVシリーズで数回だけ使われており、サントラには収録されていないので現状単体で聴く手段がありません。Bと似ていますが、よく聴くと特にオルガンの部分が全く違います。動画は中国のビデオCDより吹き替え用ME音声。 pic.twitter.com/iiAPOzRjiV

2020-07-13 01:12:21