ミミゲッピィが夢心地で「…一人なんか、なれっこだ」と言うどたばたラブコメの話を面白おかしくRTされたらかいてください。 http://bit.ly/jIWnYz
2011-06-30 04:26:05主人公:ミミゲッピィ ヒロイン1:みかん ヒロイン2:マラックマ 主人公の親友:爬虫類 まで考えたけど展開したら大変なことになった。
2011-06-30 04:28:36|三・8・三|シュッ RT @seto_mm: ミミゲッピィが夢心地で「…一人なんか、なれっこだ」と言うどたばたラブコメの話を面白おかしくRTされたらかいてください。 http://bit.ly/jIWnYz
2011-06-30 04:31:30チュンチュンと小鳥が歌う朝。ミミゲッピィは眠そうに布団を被り直します。「可愛い幼なじみが起こしに来てくれるラブコメ展開を希望しながら目覚めるのは何度目だろう」所詮ひよこのくせに生意気なことを言いながら、ミミゲッピィはせっかく被りなおした布団を捲って起き上がりました。
2011-06-30 04:38:35考えてみれば、ミミゲッピィに幼なじみはいません。ミミゲッピィはちいさくため息を吐きながら、カーテンから差し込む朝日を睨みました。「幼なじみなんかいなくたっていい」苦し紛れに呟いて、布団から起き上がります。昨晩遅くまで深夜アニメを見ていたせいか、ミミゲッピィはまだ眠そうです。
2011-06-30 04:41:43支度を整えて家から出れば、玄関の前に人影がありました。親友の爬虫類たちです。「おい耳毛!」「眠そうだな!」「起きろ!」「起きろ!」腕を上げ、ミミゲッピィを罵るような口調で口々に朝の挨拶をします。なんだかんだ言っても仲良しなので、ミミゲッピィも「耳毛食うぞ」とだけ返して笑います。
2011-06-30 04:45:27そんないつも通りの、賑やかな登校風景。そこでミミゲッピィは不思議な出会いを果たします。曲がり角で、誰かとぶつかってしまいました。ドンッと擬音の手書き文字が飛び出し、相手が「きゃっ」と言い、ミミゲッピィが「とまとっ」と言いながら、お互いに尻餅をつきました。
2011-06-30 04:48:51「大丈夫ですか」ミミゲッピィが急いで起き上がり駆け寄ると、相手は申し訳なさそうな表情を浮かべながら「飛び出してくるんじゃねーよ、むしるぞ」と頭を下げ、名前も告げずに走り去って行ってしまいます。ミミゲッピィは、ただ呆然とその背中を見送りました。「……今の子は…」
2011-06-30 04:52:56ミミゲッピィが呟けば、爬虫類が「みかんだ!」「みかんだな!」「隣の女子高に通ってる!」「おはぎがほしい!」と声を上げました。「みかん……」相手の子…みかんの名前を小さく反復して、ミミゲッピィのチキンハートは小さな恋のメロディを奏で始めます。
2011-06-30 04:54:51ミミゲッピィが惚けたまま、爬虫類に罵られながら学校に到着して教室に入ると、クラスメイトでもあるメス友達のマラックマが駆け寄ってきました。「耳毛、みかんとぶつかったんだって?」「なっなぜそれを」「みかんはこの学校でも有名なマドンナだからなー」
2011-06-30 04:59:05ミミゲッピィはそれを聞いて驚きました。そして、他校である自分たちの学校の中でさえそこまで有名な子を何故知らなかったのだと不思議に思いました。「知らなかった」と、ミミゲッピィ。「だって深夜アニメ追いかけるのに全力だから」と、マラックマ。「あ、そうか」納得したようです。
2011-06-30 05:02:10それからというもの、ミミゲッピィの生活は一変しました。街を歩けばひそひそ、学校を歩けばひそひそと話し声が聞こえるようになり始めたのです。しばらくの間は、それでも毎日のように自分を迎えに来てくれていた爬虫類の声も、とうとう聞かない日が多くなり始めました。
2011-06-30 05:06:47「みかんちゃんを怪我させたらしいわよ」「私は犯したって聞いたわ」「やだ本当に?怖いわぁ」「みかんちゃんかわいそうに」どうやらミミゲッピィが知らなかっただけで、みかんは相当な人気者だったらしいのです。ミミゲッピィは途端に居場所がなくなりました。
2011-06-30 05:08:52「女子の噂広めスキルこわい」ミミゲッピィはそう言いながら、大好きな深夜アニメも見ずに布団に入ります。爬虫類やマラックマからのメールにも変身する気力が起きません。ちょちょ切れる涙を枕にこすりつけながら、ミミゲッピィはゆっくりと夢の世界へ誘われて行きました。
2011-06-30 05:11:23「…一人なんか、なれっこだ……」「耳毛が何か言い出した」「そうだぞ!」「耳毛おかしい!」「おはぎ!」聞き慣れたマラックマ、爬虫類の声に驚いて飛び起きれば、そこは見慣れない部屋。そして窓の外には見なれた紫色の空がありました。「耳毛どしたん」自分の横に立つみかんの姿も。
2011-06-30 05:15:04「夢を……」「夢?」「夢を、見ていたんだ……まだこの世界が平和だった頃の、楽しかった深夜アニメの夢を……」ミミゲッピィはそう漏らして、紫色の空を見上げました。その様子にみかんは笑います。「それじゃあ、早く魔王を倒して平和を取り戻さないとね!」みかんの声に、仲間が頷きました。
2011-06-30 05:17:58「耳毛が寝てる間に買い物は済ませてきたから」マラックマが笑えば、爬虫類が剣を振り上げます。「行くぞ!」「リーダーぶるな!」「リーダーは俺だ!」「俺だ!」喧嘩しているように見えますが、仲良しです。「……うん、いこう」ミミゲッピィは笑いながら立ち上がり、装備を身に着けました。
2011-06-30 05:20:55翻したマントをドアに挟んでみかんに踏みつけられながらも、ミミゲッピィ達は魔王の城へと向かいます。楽しかったあの平和を、深夜アニメを取り戻すために―――! 【完】
2011-06-30 05:23:33