ヒト科(+ちょっと鳥綱)の動物の家族形態について思うこと

『あなたはボノボ、それともチンパンジー? 類人猿に学ぶ融和の処方箋』の感想と、動物の家族形態に関して文鳥好きとして思うことのメモです。
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@KaedeShimotsuki

>RT 生物の系統的には離れているものの、夫婦の関係性としては一夫一婦制が多い部分が現在のヒトと共通する鳥の仲間では、強い、モテる(美しい、賢いも含む)という点以外に誠実さ(特定のメスと子育てに対して熱意を示す)の部分が重視される気がするけれど、ヒトの場合そのバランスがどうなのか気になる

2020-07-13 14:20:07
@KaedeShimotsuki

多夫多妻(乱交)だと雌雄共にこの”あなただけ”的な誠実さは気にしないだろうし、一夫多妻、一妻多夫だと一の方の性の誠実さには寛容なのだろうけれど、一夫一妻だと誠実さ...というか、”あなた(と子)だけに自分の持つ資源を捧げるよ"という独占契約を守りそうかどうかは結構重要視される気がする。

2020-07-13 14:31:50
@KaedeShimotsuki

メスの側は、大型配偶子(卵)を提供することが命の危険もある大仕事なので、他のオスに浮気をしないで交尾〜出産することが大きな資源提供になるわけだが、オスの側からはリスクなく大量に作れる小型配偶子のみでは大した資源提供にはならない。

2020-07-13 15:33:20
@KaedeShimotsuki

だから交尾に至るまでに住居や求愛給餌といった直接的な資源提供をする他に、交尾後も逃げずに一緒に子育てしますよと思わせるような態度(そして自分の子を多く残すためには実際に子育てをする行動)をとるケースが多いのではないかと思う。

2020-07-13 15:40:24
@KaedeShimotsuki

オスは交尾した後、メスは産卵(出産)した後、育児放棄することも可能ではあるのだが、子育ての難易度が高い場合、育児放棄する親の子が育つ可能性は低くなるため、育児放棄という行動が淘汰されて育児する親ばかりが残ったのが一夫一婦制で両親ともに子育てするタイプの鳥類なのかなと思っている。

2020-07-13 15:50:40
@KaedeShimotsuki

哺乳類の場合、母親が育児放棄した場合、子は確実に育たないので、母親は少なくとも授乳期間中は相当育児放棄しづらいだろうが、父親が育児放棄して大丈夫かどうかは生物としての子の性質(早晩成の違い等)や環境の厳しさによって異なり、

2020-07-13 16:00:51
@KaedeShimotsuki

子育てにかかる労力が大きく、父親が1個体の母親から生まれた子のためにかかりきりで子育てに関与する必要がある(子の生存率に大きく影響する)場合は一夫一婦制に落ち着くのかな...と思う。

2020-07-13 16:08:12
@KaedeShimotsuki

ヒトは子育てにかかる労力はめちゃくちゃ大きい生物だと思うので、一夫多妻ではなく一夫一婦(妻)制が広く採用されるのは納得いく気がするのだけれど、ジュウシマツやボノボみたいに乱婚だけれど群れ全体で育てる方式もアリな気はしないでもない。その辺とても興味がある。

2020-07-13 16:14:18
@KaedeShimotsuki

私の中では、ブンチョウとジュウシマツの関係がチンパンジーとボノボの関係に似ているのかなと思っているがどうだろう? 系統的に近いが、前者は気性が荒く、異性に対する独占欲(貞操観念)が強く、後者は平和主義で、性に関する寛容性が大きい(貞操観念が薄い)印象。でも、チンパンジーは乱婚なのか...

2020-07-13 16:25:20
@KaedeShimotsuki

ヒト科に属する生物の系統樹はこんな感じらしい。 チンパンジーとボノボが一番近くて同属(Pan属)、その外にヒト(Homo属)、さらにゴリラ(Gorilla属)、そしてさらに外群のオランウータン(Pongo属)までがヒト科(Hominidae)に分類されているのだな...(0 0..) shochou-kaigi.org/interview/inte… より pic.twitter.com/0wc7J4EtQj

2020-07-13 16:55:13
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@KaedeShimotsuki

ジュウシマツの野生種、コシジロキンパラの繁殖について知りたいと思って検索をかけてみたのだが、めぼしい情報が見つからない... 歌の複雑さの違いについては研究されているようで、それはそれで面白いけれど...

2020-07-14 12:42:13
@KaedeShimotsuki

ただ、コシジロキンパラはジュウシマツより温和ではないと(攻撃的である)いう記述があったので、ジュウシマツのように複数ペアが同じ巣で子育てするようなことはないのかもしれない?

2020-07-14 12:44:35
@KaedeShimotsuki

考えてみたらジュウシマツのペアの絆というかペアの概念がどこまであるのかも飼育経験のない私は詳しくないので、そこも詰めるべきなのだが、風紀はアレだけど平和的な繁殖形態はやっぱりヒトに近いボノボが研究進んでいるだろうから、そっちをあたるべきかな...

2020-07-14 12:59:07
@KaedeShimotsuki

なんさんのゴリラの話に刺激されて、チンパンジーとボノボの本を読み始めた。 ボノボはかなり最近、20世紀になってから発見された類人猿で、それまではチンパンジーと区別がついておらず、ちょっと変わったチンパンジーだと思っていたら実はボノボだったみたいな話が結構あるらしい。

2020-07-14 15:23:11
@KaedeShimotsuki

チンパンジーとボノボの話、家族形態のところに来た。 双方乱婚で父系の群れを作る部分は共通。近い仲間では、ゴリラは一夫多妻の父系、ヒトは文化によって多様性はあるものの、父系がメジャー。しかし、他のサルの仲間や哺乳類全体を見ると、母系が基本で、ヒト科のサルたちの方が異端であるらしい。

2020-07-14 17:18:47
@KaedeShimotsuki

知能的な面に関しては、ボノボが言語能力に優れるのに対して、道具を使うのはチンパンジーの方が得意とのこと。 そしてその2種の属するPan属の一番の近縁種が、言語、道具双方を巧みに使いこなすのが特徴のヒトと思うと面白い。

2020-07-14 17:28:21
@KaedeShimotsuki

オスには群れの移動で得られるメリットも少なくないのに対して、メスの方は群れの移動で得られるメリットが少なく、デメリットが多いことから、メスが群れにとどまる母系は合理的なのだが、にも関わらず、なぜヒト科の生きものたちは父系社会なのかはかなり謎な部分があるようだ。

2020-07-14 17:33:22
@KaedeShimotsuki

チンパンジーの発情をめぐる行動、激しいなあ... ほとんどの生物で交尾可能な個体数はメスよりオスが多いものの、チンパンジーは子育て期間が長いため、極端に発情メスの数が絞られる。 数少ない発情メスに多くのオスが群がるのも痛々しいが、オス同士の関係はさらに血みどろで権力争いが激しい。

2020-07-14 18:16:55
@KaedeShimotsuki

ボノボ、妊娠可能性のないときにも発情することでオス間の緊張感を緩和するところはまだわかるが、セクシャルな行動が多すぎてヒトから見ると相当変態的に感じる。 平和主義なのはいいのだが、特にオスは両刀でフェミニストでマザコンという謎の掛け合わせ属性...( ꒪ー꒪ ; ) (ちなみにメスも両刀)

2020-07-14 18:41:20
@KaedeShimotsuki

セクシャルな行動が、闘争的な社会のチンパンジーと近縁種でありながら平和的な社会を築いているのに非常に役立っていることはわかるのだが、もし致死的な性感染症が入ったりしたら簡単に絶滅しそうで、大丈夫なのだろうか...?と心配になる。

2020-07-14 18:45:59
@KaedeShimotsuki

さて、我らがHomo属のケース。熱帯林の乾燥化という環境の悪化に際して、Homo属はそれまでの少産多保護から多産多保護という無理のある子育て戦略を取らざるを得なくなった。そこで獲得されたのが発情期自体の消失(いつでも交尾可)による一夫一妻制だったのではないかという話になった。

2020-07-14 19:18:52
@KaedeShimotsuki

ただ、多くが一夫一妻制の鳥類とは異なり、元々乱婚で過ごして来たヒト科にとって、一夫一妻制は遺伝的な本能の部分でまだ十分に確立されておらず、調べてみると浮気でできた子が10%以上と非常に多かったり、授乳期の夫婦関係が難しかったりと課題は多いらしい。

2020-07-14 19:23:20
@KaedeShimotsuki

これが完成してペア相手以外の相手には興味が向かなくなる方向に進化するのか、文明の発達によってむしろ以前のようにペアを必要としなくなる社会になるのか?という問題提起は面白いなと思う。

2020-07-14 19:26:24
@KaedeShimotsuki

ちょっとすっ飛ばしたところを補足すると、発情期の消失→一夫一妻制というのは、ボノボ的な発情期の長期化の究極形態とも言えるが、排卵時期をわからなくすることで、常に特定の相手の側にいて交尾していないと受精できなくなり、固定的なペア関係、更にはオスの子育てを引き出す戦略だそうだ。

2020-07-14 19:30:52
@KaedeShimotsuki

一夫一妻の固定的なペアの維持に必要となる感情のシステムが愛(執着)であり、それはヒトはすでに遺伝的に獲得しているようだ。 しかし、やはりヒトにおける一夫一妻制は進化的な歴史が浅く基盤が脆弱であるため、補強を入れる方向で社会制度などが整備されて来たと考えられるそうだ。

2020-07-14 19:36:34