孫泰蔵さん、誰も知らない「名画の見方」 を読んで考えたことまとめ

孫泰蔵さん ( .@taizoson )が、誰も知らない「名画の見方」 を読んで考えたツイートのまとめ Amazon Art 1 誰も知らない「名画の見方」 (小学館101ビジュアル新書) http://amzn.to/kaEIDu
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taizoson.eth @TaizoSon

レオナルド・ダ・ヴィンチは絵画だけでなく、解剖学や地質学、水力学といった科学分野にも強い関心を寄せていたことは有名である。それは彼が、人間と人間をも含めた宇宙を司る自然の秩序を探求することで、世界の真実を解き明かせると考えていたからである。

2011-06-30 08:43:52
taizoson.eth @TaizoSon

レオナルドは、人間と自然の関係を解き明かすことで「美」の本質を見出すことができると信じていた。たとえば、水の流れを描いたデッサンが、 http://t.co/BHZTJxE 女性の髪の流麗な美しさ http://t.co/qdFDjYa の創造につながっているのはいい例である。

2011-06-30 08:44:00
taizoson.eth @TaizoSon

特にレオナルドはこの水の流れについてとりわけ詳細かつ精緻に研究しており、水流を下降・衝撃・破壊・循環など細かく67種類にも分類し、優れた描写力をもって膨大な数のデッサンを残しているそうだ。

2011-06-30 08:44:07
taizoson.eth @TaizoSon

さらに彼は、天と地をめぐる水の循環、すなわち雨として降り注ぎ大地に吸収された水が太陽に熱せられて蒸発し、上空で冷やされて再び天となって大地に降り注ぐことを見出した。そしてこうした変化や循環が水に限った現象ではなく生命に通じる原理であるという画期的なアイデアにたどりついたのである。

2011-06-30 08:44:31
taizoson.eth @TaizoSon

鋭敏な観察眼にもとづく膨大な研究と豊かな想像力の結果、レオナルドが誰にもよらずこの着想を得たことには正直驚きを禁じ得ない。科学が今ほど発達していない当時において、もし自分がそこにいてそのような発想ができたかと言われれば、到底無理であろうと思う。すごい。やはり天才だ。

2011-06-30 08:44:40
taizoson.eth @TaizoSon

もちろん僕はレオナルドほどの天才ではないが、この水の循環というコンセプトはベンチャー企業の生態系やライフサイクルにもしっくりあてはまるという着想というか実感をここ何年も持っている。すなわち自然界における水の循環はベンチャーにおけるお金の循環と同じようなものであるということだ。

2011-06-30 08:44:49
taizoson.eth @TaizoSon

ベンチャー企業を植物に例えると、生育に必要な土壌は創業の場所、水分は資金、肥料は知識や知恵で、植物が成熟し花が咲く(IPOする)頃には花粉を媒介する虫(証券会社など)が飛び回り、実を結ぶと鳥(ベンチャーキャピタル)が実を食べ、糞を通じて種子が別の場所に移植される、という感じだ。

2011-06-30 08:44:58
taizoson.eth @TaizoSon

たくさんのベンチャーの成功と失敗を経験し、生き死にを観察してきて、ベンチャーが育つ環境は自然界の生態系の発想をあてはめて考えると有効なのではないか、と僕はいつからか考えるようになった。まさにベンチャー生態系(venture ecosystem)とでもいうべきものである。

2011-06-30 08:45:06
taizoson.eth @TaizoSon

そういう意味で、シリコンバレーとは、多種多様な動植物が活き活きと暮らしていて、生態系が非常にしっかりとしている豊かな森なのだ。それに比べると、日本を含めた他の地域はまだ生態系が十分ではないため、ベンチャーがなかなか育ちにくいということも言えるだろう。

2011-06-30 08:45:13
taizoson.eth @TaizoSon

このベンチャー生態系をつくりあげること、言いかえれば、多種多様な生き物が活躍できる肥沃な土壌をもった豊かな森をつくること、それが僕の使命であるといま考えている。高階秀爾著「誰も知らない『名画の見方』」(小学館101ビジュアル新書)を読んで、今朝はレオナルドに大いに触発された。

2011-06-30 08:45:25