新石器時代遺跡ギョベクリ・テペのツイート
これまで無名だったシャンリウルファ近くの遺跡が、世界の考古学いや文明論までを根底から覆してしまった、それがギョベクリ・テペ。巨大アリーナのような考古学博物館の展示にまず言葉を失う。青銅器も土器も無い、牧畜も集約農業すら始まらない、新石器時代の神殿。 pic.twitter.com/ScQXw7h2I4
2020-07-19 06:15:13現地はシャンリウルファからタクシーで30分くらい。現在4つほど神殿も発掘が終わったが、全体では21ほどあり、全体の発掘が終わるのは何時の事やら。 pic.twitter.com/elcYJHdXoF
2020-07-19 06:15:20宗教の発生が、農業、牧畜、社会組織の階層分離など全てに先立っていたという事実は、これまでの文化人類学の議論とかを全て吹き飛ばしてしまった爽快感(いや失礼)。ちなみに現地で入場チケットを購入し、向かうこの坂。どう見ても伏見稲荷😆。 pic.twitter.com/Q1He2qzngz
2020-07-19 06:19:39博物館で近くを見てみると、中央のT字型のモニュメントは「人間」なのですよ。一瞬、ブルッと、震えてしまった。 誰に向かい、何を祈ったのか? 祈りこそが、文明のブートストラップだったのか? pic.twitter.com/J378F7DiR4
2020-07-19 06:26:45巨石建造物として有名なストーンヘンジは4千年前、ヨーロッパで既に青銅器時代が始まっていた。ギョベクリテベより8千年後である。 pic.twitter.com/2se7JTiiWt
2020-07-19 06:31:0120年前に出版の、アナトリア古代文明博物館の解説本も、ギョベクリテベには一言も触れていない。当時(と言っても20年前)、人類文明の始源に一番近い遺跡は1万年前のチャタルフュイックだと思われていた。しかし、この規模の神殿は存在しない。 pic.twitter.com/MWR0OjogeJ
2020-07-19 06:40:02ギョベクリテペほどの巨大な神殿群(現在21のうち4つが発掘、公開)が単独で存在する訳が無いだろうと推測していたが、当たった。現地の解説では、T型オベリスクの神殿は分かっているだけで、現在9箇所。今から12,000年前に巨大神殿ネットワークがこの地に存在していたという。 pic.twitter.com/pSwpp6AsPK
2020-07-19 06:46:47シャンリウルファ考古学博物館にはネヴァル・チョリ遺跡の復元も展示されているが、同様のオベリスク(腕のシンボル化は同一)が中心。この遺跡は10,500年前だからギョベクリテペのT字型(人間)オペリスクは現地の人々の心象世界に1500年以上続いた、極めて強力な祈りの原型だった。 pic.twitter.com/vIL1s9xBSR
2020-07-19 07:01:07ネヴァル・チョリ遺跡、今はダムの底なのよ。そりゃ世界中の考古学者さえ予測不能だったとは言え、もうトルコ政府の大失点だよね。
2020-07-19 07:22:10博物館にはギョベクリテベからの出土品が多数展示されている。このトーテムポールが12,000年前とか。やはり「祈り」という心象風景の進化が、文明の他の要素を生み出す起爆剤だったのでは無いのだろうか? pic.twitter.com/Mt9Cbtmc3p
2020-07-19 07:22:13新石器時代ヨーロッパでも人の形をした巨大オペリスクは複数の場所で発見されている。左がスイスのラテーヌ博物館(ケルト文化の発祥地の一つ)、右がチューリッヒ博物館。左のオベリスクはずっと倒されていた巨石を立てたら像が現れた。倒れていたお陰で表面が8千年ほど保たれたようだ。 pic.twitter.com/tq5A0JRki0
2020-07-19 07:30:55ドイツのウルム近くの洞窟で発見された象牙製「ライオンマン」は32,000年前。クロマニョン人がヨーロッパに到着して間もない頃、既に神話が存在していた証拠。ここから12,000年前のギョベクリテペまでの2万年間、どれほどの祈りが人々の歌や踊りに受け継がれてきたのかを夢想する。 pic.twitter.com/SssG0aMXe7
2020-07-19 07:42:18「言葉」「歌」「踊り」は渾然一体として一瞬(数世代)に発生したと20歳の頃から思ってきたが、その結晶化する核が「祈り」だったのでは?しかもそれはクロマニョン人が始めたことではなく、ネアンデルタール人以前から連続して進化して来たのでは?(夢想です。証明するのは引退後)
2020-07-19 08:01:12ネアンデルタール人が言葉を使えたのは確実なようだ。ステファン・ペーボ(「ネアンデルタール人は私たちと交配した」は必読)がそのDNA解析に成功して依頼、従来の考古学的「推測」が科学的に検証されつつある。
2020-07-19 08:22:26ネアンデルタール人は言語を使い、クロマニョン人がヨーロッパに到達する前、6万4千年前に既に壁画を残している。(デュッセルドルフ・ネアンデルタール博物館、ドイツ) pic.twitter.com/5gQ5mHufwZ
2020-07-19 08:22:30「あの」ネアンデルタール人が笛など吹ける訳が無い?という騒動を起こした6万年前の笛。(リュブリヤーナ、スロベニア国立博物館) pic.twitter.com/3E0PNQBb5s
2020-07-19 08:45:33集落遺跡の近辺の花粉解析から、10種類近くの薬草を栽培したり、身体に障害を抱えたまま、成人した人骨も見つかっている。その服装も十分にモダンだし(デュッセルドルフ、ネアンデルタール博物館)、クリスタル石器(ブルノ、民族学博物館)を作り出すほどの美意識も持ち合わせていた。 pic.twitter.com/sydvaOPUZO
2020-07-19 08:45:37ネアンデルタール人以前の人類も「類人猿」という言葉が間違いと呼べるくらい、今の人類に近い事が判ってきている。160万年前の「トゥルナカの少年」を復元した結果がこれ。(デュッセルドルフ、ネアンデルタール博物館) pic.twitter.com/U4137sHfiV
2020-07-19 08:55:45この「トゥルナカの少年」は体格に似合わない、巨大なアシュール石器を創り出していた。東京駅近くの展覧会で偶然に遭遇した。高さ30cほどのの実物には、あまりにも自然に畏敬の念を抱かせた。これは道具であり、同時に祈りの対象だったのでは無いか? pic.twitter.com/N1JWUI6Zsa
2020-07-19 09:10:04「祈り」がなぜ文明のブートストラップになり得たのか? それは人は祈りによって言語に「動詞」を得ることができたからではないか? (ここから先は考古学的な実証データもDNA解析もできないので、夢想ですよ。)
2020-07-19 09:52:00現在の研究では人類の始祖は800万年前に誕生し、石器を作り始めたのは300万年前らしい。その500万年の間に、人類はまず子音を発生する生物学的機構を手に入れた。名詞は世界を分類・分節化するもの。音を分節化する子音を手に入れて始めて、世界と対応する音=名詞を人類は手に入れた。
2020-07-19 09:52:00次に動詞の獲得過程を考える。それには二つの要素がある。 まず第一に時間概念の獲得。 石器(道具)を作るという行為が作業、結果、予測、修正という時間軸を脳内に作り出した。(これは自分独自では無い、多数の研究者が唱えている説)
2020-07-19 10:18:10第二に「比喩」の獲得。 一次運動野、ブローカ野、ウェルニッケ野を統合する形でミラーニューロンが機能し「比喩」が誕生したのでは?Be動詞すらサンスクリット語の「呼吸する」の比喩。「祈り」は命へ自己回帰する究極の比喩。
2020-07-19 10:30:19つまり文字も車輪も持たない新石器時代において、それほどの労働力を集約し、組織的な事業に動員できる社会体制が存在したことを意味する。 これは農耕とともに社会構造の大規模化と複雑化が起きたとする一般的な人類史観に再考の余地を与えたわけだ。
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