茂木健一郎さんの「東京大学が秋入学への移行を検討」

脳科学者・茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの7月1日の連続ツイート。 日本経済新聞のスクープ記事について。
1
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(1)今朝の日本経済新聞に、東京大学が秋入学への移行を検討しているという記事が掲載されている。東京大学の英断を賞賛し、期待したいとともに、スクープ記事を、「ギャップ・イヤー」と絡めて掲載した日経の仕事も、good job!と褒め称えたい。

2011-07-01 06:49:36
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(2)東京大学の秋入学への移行を、全面的に支持する。従来、日本の学生は、卒業旅行といってもせいぜい1−2週間の暇しかなかった。半年空けば、それだけ語学研修やボランティア活動など、多彩な活動を図れる。新たな交流の機会が生まれ、ビジネス・チャンスも生じる。

2011-07-01 06:51:00
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(3)秋入学への移行は、また、「履歴書に穴が開く」ことを忌避する日本の奇妙な精神風土にも風穴を開けるだろう。高校卒業から大学入学まで、半年間どこの組織にも「所属」しない、宙ぶらりんの状態になる。そのような状態を経験することが、人生における何よりの恵みになる。

2011-07-01 06:53:11
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(4)そもそも、大学は、社会に出ていく前の「フィニッシュイング・スクール」であるはずである。学生たちが出ていくのは、国際化で異なる文化が混ざり合う現場。世界のアカデミック・イヤーとシンクロしていない日本の大学は、その意味であまりにもローカルであった。

2011-07-01 06:55:02
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(5)東京大学を始めとする日本の大学が、国際化へのフィニッシュイング・スクールとなるためには、特に学部学生の留学生比率を飛躍的に上げることが不可欠。教室で、様々な異なる文化の人々と肌で接することが、世界的な情報の「ハブ」としての大学の設計においては、欠かせない。

2011-07-01 06:56:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(6)日本経済新聞が、秋入学への移行を率先して進めていると報じている浜田純一総長の努力を多とし、敬意を表するとともに、実現に向けて東京大学の関係者が邁進して下さることを期待する。日本の大学が付加価値を高める上での、一つの大きなチャンスである。

2011-07-01 06:59:23
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(7)私の個人的な経験になるが、東大の物理学科の三年の時、アメリカに留学する奨学金に受かっていながら、卒業が大幅に遅れるとわかり、断念したことがあった。自分の勇気の無さを後悔している。アカデミック・カレンダーが一致していれば、私の決断も変わったかもしれない。

2011-07-01 07:01:49
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(8)移行に向けては事務的な調整など、膨大な作業が必要だろうから、まずは「秋入学」の実現に向けて、東京大学の関係者が邁進して下さることを期待する。その上で、「入試」と「言語政策」の改革にも、ぜひ取り組んでいただければと思う。

2011-07-01 07:03:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

東秋(9)日本語を母語とする人でないと受かるのが難しい現状の入試以外にも、英語を母語とする人用のトラックを設け、さらに授業も英語で行うコースを作る。英語ベースのリベラル・アーツ・カレッジを、定員の一部だけでも実現できれば、東京大学の付加価値は高まるだろう。

2011-07-01 07:05:01
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、今朝日本経済新聞が報じた、「東京大学が秋入学への移行を検討」というスクープ記事についての、連続ツイートでした。

2011-07-01 07:05:33