【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第302話「若き総司令」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第16巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」01】 第302話です。小手先の和睦交渉を仕掛けた呉でしたが、あっさり玄徳に拒否られてしまいます。天下統一をして漢室の再興をはかる、という玄徳の言葉に、すさまじい戦意を感じる孫権。左右の臣も、呉の滅亡の危機を感じ、動揺しています。

2020-07-21 16:34:40
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」02】 しかし、ここで闞沢(かんたく)が騒ぐのをやめろ、と一喝します。呉には国家の柱となるべき天才が生まれている、なぜこの人を王に勧めて蜀を破ろうとせんのだ、と言います。呉を救う人材がいるということです。

2020-07-21 16:38:02
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」03】 そのような人物がいるなら、自らその人の沓(くつ)を取って迎えるだろう、と孫権が言うと、闞沢は、いま荊州の守りについている陸遜の名を挙げます。これには周りの者達が驚きます。この時の陸遜は、一書生に過ぎないと見られていたのです。

2020-07-21 16:40:15
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」04】 呉の重鎮、張昭も、呉の柱と仰がれた人は、周瑜、魯粛、呂蒙といった人であり、これらの名だたる人物に比べ、陸遜は文字の人。つまり文官だと。戦場の第一線に立てる人物ではなく、一書生を総大将にして部下の諸将が黙ってついてくるか疑問だ、と。

2020-07-21 16:44:29
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」05】 反対意見が多く出される中、闞沢は、自分の言うことに誤りがあれば、直ちにこの首を取ってくれ、と孫権に言います。覚悟の上の推挙。孫権も、呂蒙が陸遜を認めていたことを思い出します。呂蒙はまた、陸遜に足りないのは地位と名声だけだと。

2020-07-21 16:46:26
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」06】 あの呂蒙が自分の代わりに荊州の境の守りに抜擢したほどの者とすれば、年は若くとも、なにか見所のある人物に違いない、として、孫権は陸遜に賭けてみることにします。結果的に、この抜擢人事が呉を救うことになるのです。

2020-07-21 16:48:04
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」07】 すぐに呼び出しを受けた陸遜は、国家存亡の秋(とき)、喜んで大命を受けるが、一つお願いがある、と孫権に言います。自分には地位も名声もないため、文武の諸大将の前で儀式を営み、国王の剣を授けてくれと言います。

2020-07-21 16:50:29
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」08】 孫権自らが諸大将の前で陸遜に総大将を任じたという事実をもって、自らの地位の正当性を確立することが何よりも必要なことだったわけです。孫権は、重臣たちを集め、陸遜に大都督の称号とともに剣を贈り、陸遜の命は自分の命令だと思えと宣言します。

2020-07-21 16:52:54
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」09】 さて、実際の戦場では、新しい総司令の噂でもちきりです。残念ながらいい話ではなく、陸遜といえば文弱の徒、あの若造に何ができる、といった話。何かの策謀かもしれぬ、と現場は疑心暗鬼にとらわれてしまいます。

2020-07-21 16:54:43
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」10】 そんな中到着した新・総司令の陸遜。急な話で用意するのが大変だったとは思いますが、「陸」と書かれた旗を従えての堂々の行進です。しかし、現場の武将たちは、これでもう呉はおしまいだ、と内心思っちゃっています。

2020-07-21 16:56:26
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」11】 陸遜は、すぐに各部署についている大将を集めるように言います。命令に従って次々と駆けつけてくる大将達。しかし、どの将も納得している顔ではありません。知らん奴がいきなり最高の上司になった、と言われて納得しろ、というのも無理な話です。

2020-07-21 16:59:47
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」12】 陸遜は諸将の前で、国王の命により、自分がこれから指揮を取ると宣言。軍律を守らぬ者は、敵を破る前にその者を斬ると、国王から授かった剣を抜き、見せつけます。

2020-07-21 17:01:22
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」13】 ここで陸遜に質問が。孫権の甥の孫桓が夷陵の城に取り込められ窮地に陥っているが、どのように救い出せばいいか、という目下の問題が。これに対し、陸遜は、夷陵の城など枝葉に過ぎず、孫桓はよく部下を用いる人だから、落城の心配はない。

2020-07-21 17:03:39
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」14】 蜀軍の中核を破れば夷陵の囲みはひとりでに解ける、と。つまり、夷陵に関しては何もしない、という答えです。これに対し、諸将は何たる無策、と陸遜を軽んじる雰囲気が。陸遜は、全員持ち場を守り、一人も出て戦ってはならぬ、と厳命します。

2020-07-21 17:05:45
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」15】 これ以上手をこまねいて自滅を待てというのか、と言う将が出ますが、暴論を挟むな、と陸遜。持ち場に帰るように言います。味方を助けにも行けぬのか、と不平を言う者や、権力をもって威張りくさって、と言う者も。

2020-07-21 17:07:44
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」16】 一方、蜀軍です。玄徳も、呉の総司令官が陸遜に変わったということを知ります。しかし、陸遜の人物評は知りませんでしたので、周りに尋ねます。すると、馬良が呉は思い切った人物を登用した、と言います。

2020-07-21 17:09:15
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」17】 馬良は関羽のもとにいたときに、陸遜が呂蒙と交代して荊州の守りについた一件を知っています。江東の一書生であるが、呂蒙もその才能を高く買っていた、深才遠計ちょっと底が知れないと言われていると。馬良は陸遜を高く評価しています。

2020-07-21 17:11:36
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」18】 それほどの才能がある男をなぜ呉は今まで用いなかったのか、という玄徳の疑問に、馬良は。おそらくその才能に気付いている者が少なかったではないか、と答えます。

2020-07-21 17:12:32
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」19】 呉が荊州を襲って関羽を倒したのも、呂蒙の奇略というよりは陸遜の智恵と言われている、と馬良が言うと、聞き捨てならないと玄徳。陸遜こそが関羽の仇であることを知り、義弟の仇が目の前にいるならば一気に討たねばならぬ、と言います。

2020-07-21 17:14:49
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」20】 馬良は、陸遜の才は呂蒙や周瑜に劣らぬから、もう少し慎重に動いたほうがいいと言いますが、頭に血が上った玄徳、自分とてこの年まで戦に明け暮れ、戦の駆け引きくらいは知っている、として全軍兵を進めるように命じます。

2020-07-21 17:16:38
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」21】 この時まで連戦連勝を重ねていた蜀軍ですから、たとえ陸遜に才があろうとも、この勢いでいけばひねりつぶせると思っていたことでしょう。玄徳自ら全軍を率いて呉軍に押し寄せていきます。

2020-07-21 17:18:09
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」22】 陸遜に蜀軍の動きが報告されます。蜀の全軍が押し寄せてくると聞いて、陸遜は、陣を固く守って勝手に打って出るな、と言います。この命令を徹底させますが、韓当の陣では出陣太鼓がなっています。これはまずいと、陸遜は韓当の陣へ急行します。

2020-07-21 17:19:48
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」23】 韓当はまさに出発しようとしていたところを陸遜に制止されます。敵を目の前にして手をこまねいていろと言うのか、と韓当。陸遜は守りを固めていればそう簡単に攻められないが、一人でも勝手な行動をとると、そこからほころびが生じる、と。

2020-07-21 17:21:32
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」24】 目前に敵がいながら何もしないなら、戦などしないほうがいい、という韓当。誰もがそう思うだろうが、と陸遜は言いますが、蜀の玄徳ともあろう者が、目に見える布陣だけで身を呉軍に晒すわけがない、と伏兵の存在を示唆します。

2020-07-21 17:22:59
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【横山光輝「三国志」講座302「若き総司令」25】 それに、この夏の炎天では、持久戦をするほうが自軍を有利に導く、と言います。ちょっと前まで冬の話をしていましたが、この時点は年表では6月の話となっています。日本だと梅雨のイメージですが、現場は思いっきり夏だった模様。

2020-07-21 17:27:45