フランダースの犬 原作ラスト
「パトラッシュは、よろめくようにかけよって、ぴったりと顔をすりよせました、「あなたを見すてるような、そんな不忠ものと思わないで――」と言うように。
ネルロは低く叫んで身を起しました。そして、しっかりと犬を抱きしめながらささやきました。
「おおパトラッシュ、可哀想なパトラッシュ。ふたり一しょに死のう。世間の人は、もう僕たちには用がないのだ。ここで横になって死のう。僕たちはたったふたりっきりだ。」
ものの言えないパトラッシュは、答えの代りに、なおもネルロの胸にひしとその頭をおしつけました。」
「清らかな月の光は、そのあこがれの画を隅々まではっきりと示しました。が、これも一瞬にしてかくれ、堂内は再びまっくらな闇がひろがりました。画の方にさし出されていたネルロの両手は、再び犬のからだを抱きました。
「ああ、神さまのお顔が拝めるだろう。―あそこに。」彼の唇がかすかに動きました。「神様は私たちをお見すてにはならない。神様は御慈悲深い―。」
夜が明けました。」
「生命のある間はなれられなかったこのふたりは、死んでからもはなれませんでした。少年の腕はどうしてもはなすことのできないほどしっかりと犬を抱きしめていました。
恥じ入って後悔した村の人達は、ふたりのために、神さまが特別のお恵みをお与え下さるように祈りながら、墓を一つにして、主従抱き合ったままで葬りました。永遠に」
フランダースの犬
A DOG OF FLANDERS
1872年
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee
菊池寛訳
青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/cards/001044/files/4880_13769.html
動物の墓とキリスト教など
@stayfoolish_me ものや他人に魂を認めることをアニミズムと言い、ほとんど文化で人はそんなふうに感じています。キリスト教は神が魂を吹込んだ人間にだけ認め、犬や稲には認めず、ペットの墓は作りません。実際には、キリスト教徒でも、アニミズムを捨て切れている人は少ないと思う。
2011-04-06 09:38:19「禁じられた遊び」の意味がわかりました
フィロソフィーと動物の魂
今や問題は、「人間と動物を分かつものは何か」、もっと言えば、「動物にψυχή はあるか」という根本的な問題に帰着する。 「アリストテレスにとって、動物が何らかの意味での霊魂をもつというのは議論の対象にもならないほどに当然の前提だった」(金森修『動物に魂はあるか』) pic.twitter.com/mG0R3RFVwv
2020-11-18 04:38:57「動物に霊魂はあるのか……アリストテレスに始まり、モンテーニュを経て、デカルトの登場によってヨーロッパ哲学界で動物をめぐる論争は頂点に達した」。この惹き句の中で、「魂」は「霊魂」に言い換えられ、内容はキリスト教の検討をすっぽり抜かしているのは如何なものか。 pic.twitter.com/sN2lcZAaF7
2020-11-18 04:53:43キリスト教などの 人の魂と動物・人魚
ついでに『いらない知識のひけらかし』をすると、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教では、人間以外の生物には『命はあっても魂はない』ので、鯨やイルカや犬や猫が死んでも『天国』には絶対に行けません #dig954
2012-05-03 00:00:29ロビンソン・クルーソー:追記 ロビンソンはキリスト教だけしか認めず、フライデーの精霊信仰を邪教だと嫌っていたが、愛犬が死んだときに、動物は天国にいけないキリスト教に代わって、フライデーが犬を慰霊するシーンが好きだ。
2013-03-10 00:27:00アンデルセンの人魚姫って、キリスト教の強い影響を受けており、「人魚は300年生きるが、魂を持たず、死んだら無になる」「人間は数十年で死ぬが、魂を持っており、死後は天国で永遠の命を得られる」という設定になってる。人魚姫は、王子に恋するのと同時に、魂と死後の命を欲しがる
2015-06-02 16:36:05王子を殺さなかった人魚姫は死を覚悟して海に飛び込むが、空気の精に生まれ変わり、今後300年の間に人間に対する善行を積めば魂を授かって天国に入ることができると言われる。王子との結婚は叶わなかったが、魂を手に入れる望みの方は叶ったっぽい
2015-06-02 16:36:58「人間以外の動物は魂を持っておらず、死んだら無になり、天国に行けない(人間は行ける)」というのは多くのキリスト教宗派で採用されている教義。ローマ教皇が去年暮れに「犬も死後天国に行ける」と解釈できなくもないようなことを発言して騒ぎになったみたいだな
2015-06-02 16:38:11ローマ法王フランシスコ、飼い犬を失い悲しむ男の子に「神が創造した生き物は全て、犬だって天国に行けるんだよ」と伝える。 "Dogs in Heaven? Pope Francis Leaves Pearly Gate Open" nyti.ms/1utY4fY
2014-12-13 01:56:44海外での犬猫などペットの埋葬を始めたのは
Right on time for this #Halloween week of ghouls, ghosts, and goblins comes a curious little tale about gravestones—pet gravestones, to be precise. More than just a marker of death, they’re an emblem of the changing status of cats and dogs in the home. fcld.ly/jysgzcj
2020-10-27 23:30:10食品安全情報blog2「論文:犬猫は家族になった-そして天国に狙いを定める-第二次世界大戦後に」uneyama.hatenablog.com/entry/2020/10/… ”sciencemag.org/news/2020/10/d… 1896年にマンハッタンの獣医事務所を悲しみに暮れた女性が訪れ、普通で無い要請をした:犬が死んだので埋葬したいと。”⇒
2020-10-28 16:35:16