【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第304話「火攻め」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は大判・横山光輝「三国志」第16巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」01】 呉と蜀の戦いが続く中、この二つの国の動向が気になっているのが魏の曹丕です。玄徳が水軍を主力として毎日百里以上も呉に前進しているという報告を受けます。

2020-07-27 15:52:23
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」02】 陸路は陸遜の守りが固いゆえ、河を下って呉に攻め入ろうとしているようです。これを聞いた曹丕は、これは面白いと大笑い。玄徳が死を急いでいるようだと言います。蜀軍はすでに四十余りの陣屋を結び、さらに八百里に伸びきった陣線が長すぎるというのです。

2020-07-27 15:54:59
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」03】 75万の大軍も極めて薄い線となっており、そこを陸遜に狙われたら蜀軍は大敗必至、と曹丕。呉が蜀に勝てばその勢いで蜀になだれ込むだろうと予想し、これを好機と見て、魏が呉を奪い取る時だと考えます。曹仁を呼び、濡須に向かって呉の隙を伺わせます。

2020-07-27 15:59:07
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」04】 次いで曹休には洞口方面、曹真には南郡へ向かい、それぞれ呉の隙を伺わせます。呉が勝ちに乗じて蜀になだれ込んだ時を見計らって呉に攻め入るというもの。うまくハマればこれで魏が天下統一できます。 かくして魏軍は三路より呉を狙って出陣します。

2020-07-27 16:02:00
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」05】 舞台は変わって漢中です。漢中の守りを固めている孔明のもとに、馬良が訪問します。早速孔明は馬良から戦況を聞きますが、蜀軍の陣立てを聞いて顔色を変えます。誰がそんな作戦を立てたと聞くと、玄徳自ら立てたものと馬良は答えます。

2020-07-27 16:07:05
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」06】 いかん、蜀軍は滅ぶぞ、と孔明。なぜそのようなことを、と馬良が聞きます。孔明曰く、水流に任せて攻め下るはたやすいが、水をさかのぼって引くは難しいというのが一つ、高原・湿地・山地を含む所で陣屋を結ぶのは兵家が避けて忌むもの、というのが二つ。

2020-07-27 16:09:17
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」07】 そして陣線が伸びきれば力の重厚を欠く、これが三つ。これを呉軍が見逃すかどうか。孔明はすぐに手当をしないと大変なことになると考え、馬良にすぐに引き返して玄徳を諌めろと言います。

2020-07-27 16:10:45
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」08】 馬良の不安が明文化された以上、すでに手遅れかもしれません。馬良は自分が返った時にすでに蜀軍が敗れていた場合はどうすればいいか、と聞きます。孔明は、その時は玄徳を白帝城に連れて行けと。そこの魚腹浦(ぎょふくほ)に十万の兵を伏せていると。

2020-07-27 16:12:33
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」09】 もし陸遜が追ってくればそこで討ち取れる、と孔明。しかし、馬良は魚腹浦は何度も往来したが一兵も見たことはない、と。孔明はいや、今にわかる、と言い、ともかく急げと馬良を出発させます。馬良はあわてて戦線に引き返します。

2020-07-27 16:14:10
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」10】 しかし、呉の陸遜はこの時すでに行動を起こしていました。諸将を前に、待ちに待った機会が訪れたと言います。戦陣が伸び切りどこも手薄になっていて、さらに一ヶ月余り雨も降らず空気も乾燥していると。蜀軍を破るは今、として諸将に指示を始めます。

2020-07-27 16:16:21
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」11】 朱然は船に柴を積み、江上に出て東南の風が吹いたら敵陣に火を放てと。朱然は、やっと戦えるのか、とにっこり。韓当は朱然が火を放ったらすかさず上陸、周泰は江南の岸を攻めよとし、他の者は臨機に命令を出すと。今や玄徳の命は我が手中にある、と陸遜。

2020-07-27 16:19:40
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」12】 勝鬨があがる呉軍。やっと戦えるとあって、勇み立ちます。翌日、陸遜の読み通り、強い風が吹き始めます。玄徳の陣では、呉軍の動きが報告されます。無数の船が江上にただよっていると聞いて、擬兵の計があるだろうからみだりに動くな、と玄徳。

2020-07-27 16:21:54
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」13】 さらに呉軍の一部が東へ移動していると聞き、どうやら自分たちを誘い出そうとしてる、と見た玄徳。勝手に動いたはならぬ、と命じます。もし、ここでかつての赤壁の戦いを思い出していれば、火計を警戒したかもしれませんが、敵の動きを静観することに。

2020-07-27 16:28:08
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」14】 朱然はこの風ならたちまち陣を焼き尽くす、と作戦を決行します。ほどなくして江北の陣から火の手が上がります。玄徳が見ると、たしかに煙が立ち上っています。玄徳は失火かもしれぬが、この風で燃え広がると面倒なことに。関興に見に行かせます。

2020-07-27 16:29:40
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」15】 続いて南岸からも火の手が。さすがにおかしいと思う玄徳。張苞に見に行かせます。さらに玄徳の左右からも火の手があがります。これはただの失火ではないと用心するようにいう玄徳。すると呉軍の攻撃が加わります。

2020-07-27 16:31:03
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」16】 今までどんなに挑発しても動こうとしなかった呉軍が動いたことに驚く玄徳ですが、すでに危険な状態となっています。部下は、馮習(ふうしゅう)の陣まで退くように進言され、玄徳は馬に乗って移動します。しかし、馮習の陣もすでに火の海。

2020-07-27 16:32:53
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」17】 さらに呉の徐盛軍の姿を見ると、ここも危険。やむなく白帝城まで逃げてくれと部下が言います。馬良は間に合いませんでしたが、結果的に玄徳は白帝城に向かうことに。ところが、途中でこんどは呉の丁奉が出張っています。

2020-07-27 16:35:32
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」18】 なだれ込んでくる呉軍に対し、玄徳は悲壮な表情で血路を開いて突破しろ、と剣を抜きます。若き頃はともかく、晩年の玄徳自ら戦わねばならない時点で大敗です。さらに軍勢がやってきて、また敵兵かと思いきや、ここでたどり着いたのは張苞の部隊。

2020-07-27 16:37:39
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」19】 この場は張苞に任せ、先を急ぐ玄徳。山上から見ると、蜀の陣営が火の海に。ようやく玄徳は陸遜の意図を理解しました。乾燥する時期に東南の風が吹き荒れる日を待った、遠大な火計。感心する間もなく、山のふもとにご軍が押し寄せてきます。

2020-07-27 16:39:31
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」20】 玄徳が山頂にいると見た呉軍は、山ごと焼き払えと火をつけます。玄徳は火の手が上がっていない方向に進みます。しかし火のないところは敵が待ち伏せ。部下たちが対応しますが、逃げるたびに玄徳の護衛が減ります。さらに呉の大部隊が待ち構えています。

2020-07-27 16:42:19
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」21】 逃げ道はない、と呉軍は襲いかかります。もはやこれまで、と玄徳は覚悟を決めますが、早まってはならぬと部下。火攻めには火で防げ、と燃えるものは矢でも旗でも燃やして敵を防げ、と呉軍に対して火攻めを敢行します。

2020-07-27 16:43:56
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」22】 このなりふり構わぬ行動でその場を切り抜けますが、さらに大部隊がやってきます。さすがに玄徳、もはやどこにも逃げ道はない、と潔くここで死のうと覚悟を決めます。張苞もお供します、と呉軍に立ち向かっていきます。死力を尽くす蜀軍。

2020-07-27 16:45:51
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」23】 そこにジャーンジャーン、の銅鑼の音。見ると趙雲の部隊が駆けつけてきました。この加勢に呉軍が崩れます。趙雲はギリギリのところで玄徳を救い出すことが出来ました。趙雲は江州にいたはずですが、孔明の指示で急遽かけつけた模様です。

2020-07-27 16:47:59
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」24】 まさに地獄に仏。玄徳は休止に一生を得命からがら白帝城に逃げ込みました。しかし八百里にわたった陣営は、洪水の中の浮島の村のようなもので、各陣は連絡も取れぬまま個々に呉軍を戦い、多くの将兵が討たれてしまいます。それは目も当てられぬ惨敗でした。

2020-07-27 16:50:03
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【横山光輝「三国志」講座304「火攻め」25】 原作である吉川英治「三国志」ですが、吉川英治の執筆は1939年〜1943年の新聞連載、時は日中戦争〜太平洋戦争の最中です。日本は戦線が伸び切ってしまうことの危険を三国志から学んでいれば…、と思わざるをえませんが、その結果は…、歴史の通りです。

2020-07-27 16:57:54