域外適用される米国法との付き合い方 トレードコンプライアンス編

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TETSU Ⅱ @tetsu0724d

「日本の安全保障政策 」 我が国の基本的考え方 21世紀に入り,グローバル化の進展に伴って世界のパワーバランスは急激に変化している。 このような中,日本を取り巻く安全保障環境は一層厳しさを増している。 また,技術が進歩し,国際テロ,サイバー攻撃といった国境を越える脅威が増大している。

2020-07-23 11:33:55
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

現在の世界では,どの国も一国で自らの平和と安全を維持することはできない。 日本は,特に1990年代以降,自衛隊によるものを含め,国連の平和維持活動を始め,国際の平和の維持と回復に向けた努力に可能な限りの貢献を行ってきた。 これまでの平和国家としての歩みの基礎の上に,日本政府は,

2020-07-23 11:34:30
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

国家安全保障会議の設置,国家安全保障戦略及び防衛計画の大綱の策定など,安全保障政策に関する様々な取組を行っている。 これは,日本の国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から,同盟国である米国を始めとする関係国と連携しながら,地域及び国際社会の平和と安定にこれまで以上に

2020-07-23 11:35:05
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

積極的に寄与していかなければならないとの国家安全保障の基本理念に基づく。 日本の基本方針 国際協調主義に基づく「積極的平和主義」の立場から、日本の安全及び地域の平和と安定を実現しつつ、国際社会の平和と安定及び繁栄の確保にこれまで以上に積極的に寄与する

2020-07-23 11:35:28
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

平和国家としての歩みを堅持する 国際政治経済の主要なプレーヤーであり続ける 米国を始めとする関係国と緊密に連携する #外務省HPより抜粋 mofa.go.jp/mofaj/gaiko/pa…

2020-07-23 11:35:42
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

「企業と安全保障輸出管理」 安全保障輸出管理というのは、民生品や民生技術、機微な製品・技術を輸出・提供する際に、紛争激化等につながる懸念がないかを社内で管理を確実に行うことです。 また、日本の企業や大学・研究機関のハイテク製品・技術は他国から狙われる危険性があり、輸出管理の失敗が

2020-07-23 16:06:13
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

平和と安全を損なう可能性が多分にあるということを十分念頭において取組むことが求められます。 安全保障輸出管理に関する規制は、国際レジームの合意に基づいて外国為替及び外国貿易法(以下、外為法という)で行われており、日本の企業には、米国の規制も域外適用により遵守せざるを得ません。

2020-07-23 16:09:31
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

また海外展開に伴い、経産省からは、現地法人においては、日本国内並みの管理を求められ、現地の規制を遵守することも必要です。 輸出や技術提供の際は、経産大臣の許可を得ることとされ、主な実務は、規制対象かどうかを判断する「該非判定」と、相手先や用途に懸念がないかどうかを見極める

2020-07-23 16:10:55
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

「取引審査」があります。 加えて、ローテクや規制が追いつかない最新技術による悪用もあり得るため、規制品目を対象とするリスト規制以外に、品目に関わらないキャッチオール規制があります。 自主管理として、同法で定められている「輸出者等遵守基準」での義務を遵守することが求められます。

2020-07-23 16:13:47
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

中小企業等で見られる誤解は、「我が社は、大量破壊兵器や武器向けに製品は作っていないから、規制は関係ない」というものですが、それは間違いで、汎用品(軍民両用品、デュアルユース)といって民生品も大量破壊兵器や通常兵器に使いうるということです。 ここ10年は、民生技術を軍用に積極活用が

2020-07-23 16:14:37
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

多くみられ、外為法の規制対象リストには、民生品が多数掲載されています。 それらは軍民両用に使いうるというものばかりで、例えば、炭素繊維は、ゴルフシャフトやテニスラケット、航空機に使える一方、弾道ミサイルにも使えますし、石油開発用のアルミ管は、濃縮ウラン製造のため遠心分離機でも

2020-07-23 16:15:28
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

利用できます。 実際、そのような狙いで不正輸出する試みが、我が国を含め世界で見られます。 世界的な不正調達ネットワークに意図して関わる悪質な無許可輸出は、最高10年の懲役又は1千万円以下の罰金(又は輸出価額の5倍以内。併科あり)が罰則として科せられ、両罰規定で法人も罰せられます。

2020-07-23 16:16:26
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

刑事罰以外に、経産省による行政制裁があります。 直接法定されているのは、3年以下の全部又は一部の輸出等禁止処分です。 また、輸出禁止に至らなくても、警告や企業名公表も運用として行われており、社会的に大きなダメージになります。 また、立件される以前の強制捜査がなされる等の段階で、

2020-07-23 16:17:11
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

包括許可が取り消されて、一件ごとの審査になる個別許可に移行することもあります。 そうなると、輸出のリードタイムの長期化や手続きの煩雑さにより、海外取引に少なからぬ影響が生じ、顧客との関係でも窮地に陥る事態もあります。 また、外為法違反は、関税法違反になることもあり、関税法では、

2020-07-23 16:18:01
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

特定輸出申告制度というものがあります。 セキュリティー管理とコンプライアンスの体制が整備された者が税関長の承認を受けた輸出者(特定輸出者)は、保税地域等に貨物を搬入することなく輸出の許可を受けることが可能となる制度です。 関税法違反になると、優遇措置が取り消され、保税倉庫での

2020-07-23 16:18:56
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

保管コストが発生することになります。 これが大きなコスト負担となり、更に、特定輸出申告制度の相互承認の下で相手国まで円滑に輸送することができなくなります。 ここで留意しなければならないのは、外為法違反にならなければよいいということだけではないということです。

2020-07-23 16:21:05
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

その趣旨は、一つは、外為法に直接違反しない場合であっても、社会的要請に反する事態があり得るということ。もう一つは、米国規制の域外適用が無視できないということです。 第一の点は、外為法に基づく輸出管理規制は、「意図せざる機微貨物・技術の流出防止」の一環で、最低限の規制だけでは

2020-07-23 16:21:50
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

カバーしきれない点も少なからずあるということです。例えば、公知技術の提供は規制対象外であるということは、国際レジームで決まっている共通原則で、誰でもが入手できるような技術情報の提供を規制しても、対外取引規制としては意味がありません。

2020-07-23 16:22:45
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

また、機微な技術を国内で提供することも規制対象外で、外為法の規制対象は、対外取引規制として行われており、基本的には国内での取引は対象外です。 例外的に、「居住者」から「非居住者」への技術提供は、対外取引にみなし得るということで規制対象です。

2020-07-23 19:29:59
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

また、リスト規制以外に、キャッチオール規制により輸出許可申請をしなければならない場合がありますが、輸出に際して入手した文書に、悪用を考える輸出相手がその旨を記載するはずかなく、当局のインフォームがなければ、あとはリスト規制品だけ見ていれば良いという消極的な対応では、

2020-07-23 19:30:37
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

悪用を阻止できない恐れがあります。 このように、外為法では、機微貨物・技術の流出につながる可能性がある行為でも、直接規制対象にならない場合があります。 コンプライアンスということがしばしばいわれますが、狭義の法令遵守ということでなく、我が国に限らず海外現地法人等も含め、

2020-07-23 19:31:23
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

世界と我が国の平和と安全を脅かすことにつながるようなことはしないという社会的要請、背信行為のない姿勢で社内管理、企業グループ管理が必要であるということは、先進的な輸出管理を実施する企業の共通認識となっています。

2020-07-23 19:31:59
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

第二は、米国規制の存在です。 例えば、米商務省産業安全保障局(BIS)によるEAR(輸出管理規則)があります。 米国製品が一定割合以上含まれていれば、米国外から再輸出する場合には、米国政府の許可が必要な場合があるというものです。 規制内容としては、国際レジームに基づく輸出規制以外にも、

2020-07-23 19:32:36
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

制裁を受けている個人・企業等との取引、あるいは禁輸国向け等の輸出・再輸出に関しては、許可申請の対象となっており、原則不許可です。 再輸出規制は米国法の域外適用であり、国際法的にも問題ですが、規制として定着しています。 これ以外の米国規制として注意しなければならないのが、

2020-07-23 19:33:13
TETSU Ⅱ @tetsu0724d

個別法による制裁法です。 国務省、財務省等が所管する制裁法がありますが、国務省が所管する懸念国を対象とした制裁法では、大量破壊兵器開発等の支援につながるような取引をしたと米国政府が認めれば、然るべき事前の手続きなく、制裁が科せられる場合もあります。(当該企業との取引禁止、

2020-07-23 19:34:07