【火曜日の怪物】福間健二 #k2fact265

福間健二 @acasaazul

列に並ぶ。その列にだれかいるからではなく、同じような天気が続いて借り物の死と乙女に飽きたから。触れあうことのない距離。発達してないが、人の思っていることの新しい盗み方を歩かせる。行け。できれば旋回しながら。祖先からの記憶、あってもそんなに重要じゃない。（火曜日の怪物１）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

しなってくれないもの。叩く。懐かしい溝に戻りたいというのではなく、アイディアマン。うれしいだろう。入る場所に姿を隠して人が助かることになれば。いつのまにかはっきりしなくなった列。スカイ、そらちゃん。途方もない願いだが、ぼくの体のなかに入ってほしい。（火曜日の怪物２）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

青くなくても澄んでいるための小さなエンジン。免疫力とかも関係ないはずはなく、愛情は、要求は、いま思い出していいのかわからないことは、さざ波のようにして。失望の土地。そのわりには無雑作に開くドアがある。真夜中、大人を泣かせる宿題の三人がこちらを見る。（火曜日の怪物３）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

図書館に写真で見て知っていた彼女とその妹。スカートの彼女の落とした「月と地球」をジーンズの妹が屈んで拾い、リズムが生まれた。二人が立ち去ってからも、ベースの音。聴きとることができて、とくに意外じゃない落とし穴が未来年表に書き込まれている。箱、に入るな。（火曜日の怪物４）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

きみは島を出たが、島がきみから出ていかない。それで困るのだろうか。だれの手も握らずに、サンダルを履いた足と素朴なレンズで山の姿を追った夢。そんなに若くはないその細部の、赤い点。だれの育てたトマトと関係するのか。入るなと言われた。だれの声なら従うのか。（火曜日の怪物５）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

何がだめかと言うと、完了と進行、したこと、していることに、心のなかにあるものを縛りつけること。ぼくのなかのスカイ、そのなかに浮く島の、坊主頭の男の子たちが訪ねてまわるあの家、この家。なにか用事ありませんか。なんでもしますから言ってください。リン、リン！（火曜日の怪物６）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

頼まれたと錯覚した。かすかだが、音でわかる呼吸の背中にまわって、自分の身も折り込んだ。着想的に。一生泣いている背中があるとすれば。人の秘密を知った興奮からの、怪物日記。エスカレーターで降りながら退化する。だれかのベイブになっていい。そんな夜もあるのだ。（火曜日の怪物７）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

テレビなど。最初から負けているゲームでも質問した。最低でも、反応なしと判断されないように。未知の、風の通り道があれば、ひとりで蛇を何匹も。昼寝の好きな青い蛇だけど。親しくなった人にも曖昧な「うん」は使わずに。ロンリー。当たり前と言いたそうな火曜日の空。（火曜日の怪物８）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

男コトバ、子どもコトバ、親コトバ。わるいのかといなおったときに人を傷つけていることがある。平野を駆けあがり、長いトンネルに入り、滅びるもの、滅び方にこだわりながら、それを抜けると神様になる妹。地理と心理、どちらの説明も省略して、胸のなかの資料、垂直に。（火曜日の怪物９）#k2fact265

福間健二 @acasaazul

何もしないでいてくれたんだね。言いかえると成功の道を歩まないという主題とその変奏で、遅い梅雨明けの東京まで来た。何のせいだろう。人がほとんどいない。メロディーもなし。スカイ、その名の天使に挨拶はするけど、考えているのは幸福な死ってあるのかなってことだ。（火曜日の怪物10）#k2fact265