【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」】

横山光輝「三国志」を一話ずつ解説してみようというコーナー。第308話「五路五十万」の巻。 ※解説はbotさんの個人的見解です。 ※今回の話は、大判・横山光輝「三国志」第16巻に収録されています。
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横山光輝「三国志」武将かるた_bot @yms_karuta

【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」01】 玄徳の死はたちまち魏と呉に伝わります。玄徳の死を最も喜んだのは魏帝曹丕でありました。この機に乗じて成都を攻めれば蜀が我が手に落ちると、侵攻の意思をあらわに。しかし、玄徳の子が幼いとはいえ、それを盛り立てる蜀将が多いという反対意見が。

2020-08-07 15:40:29
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」02】 しかし、司馬懿仲達はこのような時に攻めなければいったいいつまで待つのか、と言って曹丕の侵攻の意思を支持します。とはいえ、蜀は孔明が健在なので、中原の兵だけでは攻めにくいとし、五路の大群を用いて攻めれば良いといいます。

2020-08-07 15:42:58
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」03】 お断りしておきますが、今後、様々な国や地域に住む人に指して、蛮族とか鮮卑とかという蔑称と思われる表現が出てきますが、三国志当時そういうふうに捉えられていたと考えられていた、という制作時の判断を尊重し、そのままの表現でお送りいたします。

2020-08-07 15:48:10
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」04】 仲達の五路とはすなわち、(1)遼東の鮮卑の国に使者を送り、鮮卑国王に金や絹を贈って機嫌をとり、遼西の胡夷(えびす)勢10万を借りて陵線(りょうせん)より西平関(せいへいかん)を襲わせるというもの。

2020-08-07 15:51:32
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」05】 (2)南蛮国の国王孟獲に任官と恩賞を与え、蛮兵十万を出させ、益州、永昌など西川(ここでは蜀を指す)を襲わせる。 (3)呉の孫権とよしみを結び、蜀の半分を与えると約束して十万の兵を出し、涪城(ふじょう)を襲わせる。

2020-08-07 15:55:22
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」06】 (4)蜀の降将・孟達を使い、上庸の兵十万を出し、漢中を攻めさせる。 (5)曹真を大都督として十万の兵を率いさせ、陽平関より蜀に侵攻させる。 この五路より五十万の大軍が進撃すれば、孔明がいたとしても防ぎきれぬ、と仲達は言います。

2020-08-07 15:58:09
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」07】 鮮卑や南蛮、呉まで駆り出すということであれば、自前の軍の損害が少なくて済みます。魏にとっていささか都合の良い話ではありますが、言うことを聞かせるだけの実力を持っていることから、周辺国は嫌だとはいえないでしょう。

2020-08-07 16:00:43
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」08】 見事だ、と曹丕は仲達を褒め、直ちにその方針を取ることにします。 ほどなくして、蜀の成都では、敵が五路より攻め入ろうとしているという報告がもたらされます。国境に兵が続々と集結していると聞いて顔色を変える劉禅皇帝。

2020-08-07 16:02:42
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」09】 すぐに孔明を呼べ、と劉禅は言います。しかし、孔明は近頃病気と言って参内していませんでした。この一大事に病気とは。劉禅は、すぐに孔明の病床まで行って、この大事件を知らせろと言います。志願の使者二人が孔明の屋敷に向かいます。

2020-08-07 16:05:01
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」10】 どなたにも会わない、とむべもない受け答えをする孔明の屋敷の従者。使者は表から大声で曹丕軍が五路に分かれて侵入してきているというのに、病気と言ってられるか、先帝から託された幼主の補佐はどうした、と言い募ります。

2020-08-07 16:07:20
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」11】 すると屋敷の中からもうひとりの従者が出てきまして、孔明は病気も少しおさまったので、明朝参内するから、今日のところはお引取りを、と伝えます。明朝必ず、との言葉を持って劉禅のところへ使者は戻ります。

2020-08-07 16:09:06
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」12】 翌朝、二代目皇帝になってまだ日が浅いのにも関わらず、国の一大事に遭遇した劉禅は、孔明の到着を今か今かと待ち構えています。側近たちは、丞相たるものがこの一大事をなんと心得る、と孔明を非難し始めますが、劉禅はそう騒ぐな、とたしなめます。

2020-08-07 16:11:31
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」13】 しかし、孔明はその日とうとう姿を見せませんでした。 劉禅はどうしたらいいか、と側近に相談。こうなれば劉禅自らが孔明のところに行って、意中を問うしかないといいます。それにしても孔明の心情がわからぬ、先帝の遺勅に背く態度、と非難する側近。

2020-08-07 16:13:36
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」14】 翌日、劉禅は孔明の屋敷に向かいます。屋敷の従者たちは皇帝の来訪にあわてて出迎えます。孔明はというと、毎日奥庭の池のほとりで魚を眺めていると。たぶん、今もそこにいると聞いた劉禅は庭へと向かいます。

2020-08-07 16:15:23
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」15】 かくして、池のほとりに佇む孔明に声をかける劉禅。孔明は、あっ、と劉禅に気づき、お迎えもしない大罪をお許しください、と慌ててひれ伏します。劉禅はそのような小さなことはどうでもいいから、魏の大軍が侵攻してきたことを知ってるかと問います。

2020-08-07 16:17:25
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」16】 もちろん、孔明はそのような大事を知らずによいものではない、と先刻承知と答えます。では、なぜ役所に出てさばいてくれぬ、と尋ねる劉禅。孔明は、このようなところでは誰が聞いてるかわからないから、と言って奥の部屋に入るように言います。

2020-08-07 16:18:56
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」17】 二人だけで話しをしたいと察した劉禅。お付きの者たちをその場に待機させ、孔明と二人で屋敷の中に入ります。 孔明は、これまで朝議に行かなかったことを侘びますが、その理由は、最後の思案がまとまらなかったから、と言います。

2020-08-07 16:20:29
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」18】 魏の仕掛けた五路の敵にに対し、四路まではすでに手を打っていると言う孔明。この言葉に驚く劉禅に対し、宰相たる者、無為無策で会議に臨んではかえって官僚達を不安に陥れるから、魚の泳ぐのを眺めながら策を練り、一つずつ手を打ったと。

2020-08-07 16:23:10
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」19】 (1)の胡夷勢については、もともと西涼に住んでいて今もって声望が高い馬超に西平関を守らせると。相手も馬超が相手では恐れて近づかないだろうと。 (2)南蛮兵については魏延にあたらせ、擬兵の計で敵の心を惑わす作戦を取る。

2020-08-07 16:27:18
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」20】 (3)の呉は飛ばし、(4)漢中に入ろうとする上庸の孟達には、孟達の親友の李厳にあたらせます。元蜀将であり、詩書に明るく仁義も知っているだろうから、李厳から手紙を送ることによって、良心の呵責に悩み進退極まるだろうから、仮病を使うだろうと。

2020-08-07 16:33:05
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」21】 (5)の陽平関については、趙雲子龍に守らせると。屈強の要害、子龍の指揮ならばめったに破られないと。 それ以外に、念には念を入れて、張苞と関興に三万ずつ授け、遊軍として待機させていると言います。

2020-08-07 16:36:00
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」22】 ここまで聞いた劉禅は、ちょっと安心したのか、自分は丞相に見捨てられたのかと疑っていた、と侘びます。孔明は心配をかけた罪はお許しください、と言います。そして、問題は呉の動きです。

2020-08-07 16:38:20
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」23】 呉は先だって、魏から攻められた恨みがあるので、すぐに魏の言う通り動くとは思えませんが、もし四路の戦況が魏に有利に動き蜀が危うくなった時、呉は魏に味方をして一気に矛を向けてくる恐れがある、と孔明はいいます。

2020-08-07 16:39:58
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」24】 孔明が悩んでいたのは、呉を動かさないようにするため、昔の恨みは水に流して蜀と呉が国交回復をしなくてはなりませんが、そのような大役を果たして誰ができるかと。赤壁の時みたいに自ら行くわけにはいきません。

2020-08-07 16:42:26
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【横山光輝「三国志」講座308「五路五十万」25】 孔明と劉禅の会見が終わり、穏やかな表情をして屋敷から出てきました。それを見た一人の従者が、劉禅が笑顔をしているのを見て、なにかいい話を聞かされたに違いない、と考え、よかったよかった、と呵々大笑。

2020-08-07 16:44:33