役に立つのか立たないのかわからない研究について(アルマジロとハンセン病)

まとめました。
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郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

1930〜60年代、基礎研究によりアルマジロが低体温であるが発覚 1970年代、低体温の人はハンセン病が悪化しやすいことから、「平熱が低い動物はハンセン病になるんじゃ?」と着想し、アルマジロがハンセン病にかかる数少ない動物だと判明 →人工培養が困難だったハンセン病原因菌の大量培養に成功 pic.twitter.com/jxM8NsjEbg

2020-08-11 20:52:04
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郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

それまではマウスの掌で培養していたので、一気に大量のらい菌を培養することが可能になったそうです。 なお、ハンセン病研究に利用されたココノオビアルマジロは、必ず一卵性の4つ子を産むことでも知られ、実験動物でもないのに「クローン」を扱えるという点も研究上の大きな利点だったようです。

2020-08-11 20:52:05
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

こういうの見ると、役に立つとか立たないとかそんな議論意味ないと思ってしまうのです。あらゆる知識を積み重ねていくことの先に、想像もしないような成果が訪れるんだろうと思います。 上の画像はこちらより→jstor.org/stable/3015268…

2020-08-11 20:52:05
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

たとえハンセン病の研究に繋がらなかったとしても、低体温保持や代謝のメカニズムも、必ず一卵性四つ子が産まれるメカニズムも、それ自体がとても面白い現象だなー!と思います。

2020-08-11 21:03:55
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

なお、その後の研究で、アルマジロは野生下で自然にハンセン病にかかることも明らかになっています。 海外でアルマジロを食べてハンセン病にかかる…ということもありえます。旅行先で特殊な生物を口にする時は下調べをしっかりすることをお勧めします。

2020-08-11 21:18:39
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

ハンセン病の利用に関する研究はこちら→ila.ilsl.br/pdfs/v39n3a01.… 一卵性4つ子に関する研究はこちら(他にもいくつか研究があります)→jstor.org/stable/2785702…

2020-08-11 22:03:22