「あの日見た秩父地方の伝承を怪異譚として読み直す試み」

♍≠様♍ @XavierCohen

嵯峨天皇の御世、とある公卿の男子が深い妬みにとらわれ、椋神社に７日間籠って「猿田彦大神よ、私を生きながら面魔に変えて下さい」と祈った。大神は哀れに思い「では姿を変えて荒川に２１日間浸れ」と告げた。男子は銀髪白衣の姿で荒川に浸り、道行く人々に変質者と呼ばれた。 #twnovel

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そして２１日の満願の日、猿田彦大神の言ったとおりついに男子は生きながら面魔となつた。これが「荒川の雪圧」である。さて、一方の仁丹は夢見が悪いのに不審を抱き天文の博士安倍晴明に夢占を依頼する。晴明が言うには、「男の恨みで、あなたは今夜のうちに命を落とすかもしれぬ」 #twnovel

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「しかし祈念によって命を転じ変えてあげるから、あなたは身を清め不浄の心を抱くことなく、ひたすら部屋に籠っていなさい」と、厳しい物忌みをするように教えた。仁丹は教えを守り学舎にも通わず部屋に引籠つている間、晴明は鬼神退散の祭儀を始めた。その最中、面魔に変じた雪圧が #twnovel

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東屋の御簾を蹴り破り侵入すると仁丹の枕元に立ち、「あらうらめしや、捨てられて、悲しくて、寂しくて、喧嘩などして、忘れぬ報いは、今こそ白雪の、消えなん命を、君と夏の終わり、出で出で、取らむ」と言ふがわけがわからない。「十年後の八月に会はむ」と言ひ残して消え失せた。 #twnovel

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この面魔の雪圧は晴明に追い払われたものの、夜な夜な男がいれば女に、女がいれば男に化けて近付き、変質者と呼ばれ続けた。仁丹のその後については、古今和歌集に次の歌が残されているばかりであつた。「さむしろに　衣かたしき今宵もや　あの日見た花の名を　われはいまだしらじ」 #twnovel

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という夢を見たのさ。

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東京都の小河内村の伝承。「昔、多摩川に在る大畑淵に川天狗が棲んでいた。ヒトに害を為す事無く、何時も独り岩の上に座り、物想いに耽っていたという。或る年の春に忽然と姿を消したが、その秋に再び姿を現わし、側には美しい天狗の娘を伴っていたそうである」