タイラント・オブ・マッポーカリプス:後編 #6
【この物語は】 電子ネットワークが膨大なデータ・ストリームを作り出し、暗黒メガコーポが超自然資源を巡って争う、力の時代。平安時代をカラテで支配した半神的存在「ニンジャ」達が、再び世界に帰還する。暗躍する者、殺戮する者、支配する者、放浪する者。ニンジャスレイヤーよ!そこに何を見る?
2020-09-01 17:52:12【現在のニンジャスレイヤーの敵】 タイクーン:明智光秀(アケチ・ニンジャ)。織田信長を本能寺に討ち、異次元に消えた彼は、やがて恐るべき暴君として現世に帰還。カナダ地域をカラテで支配し、弱肉強食国家ネザーキョウを作り上げた。そして遂に、世界に天下布武を開始したのだ!
2020-09-01 17:54:40【実況タグ】 ・タグ #NJSLYR はスポーツバーのように連載を観戦可能!皆で読める。楽しい! #ウキヨエ には絵を載せよう! ・タグは公共空間!作品の是非の議論や登場人物への過度の怖いdisや「この先はこういう展開にすべき」「このキャラを活躍させるべき」等のプロデューサー表明は追い出します
2020-09-01 17:59:46【スシ供給システム】 ・スシ供給システムはRTとかいいねが大好き!アッと思ったらRTとかいいねしてくれると更新担当者にスシが供給されます。いつもありがとうございます!
2020-09-01 18:04:36天高く躍り上がるオオカゲの背で、ニンジャスレイヤーは一騎打ちの相手と……タイクーンと再び対峙した。ニンジャスレイヤーはタイクーンの欠落した左下腕を見た。タイクーンは唸り笑った。「気が散っておるか、ニンジャスレイヤー=サン」ニンジャスレイヤーは首を振った。「このまま始めるぞ」 0
2020-09-01 18:08:25高く、高く。地上の騒乱を尻目に、オオカゲは飛翔する。ホンノウジが見る見る小さくなってゆく。タイクーンは、ニンジャスレイヤーは、龍の背で互いにカラテを構える。雲が流れ、異彩の空にはキキョウの光の帯が輝いている……! 0
2020-09-01 18:09:42【タイラント・オブ・マッポーカリプス】#6 pic.twitter.com/4HLBi6RHiF
2020-09-01 18:10:46オオカゲはネザーの風を捉えて飛翔する。ネザーキョウの領土に張り巡らされた五重塔がこの世に引き込むネザーの力。キキョウ・ジツによって、現在その力場は、ホンノウジを頂点とする五都市に結ばれた広大な領域にまで拡大している。だが今オオカゲが目指すのは、南の方角。 1
2020-09-01 18:15:44オオカゲは遥か地平に巨大なイクサを見据える。UCAの軍勢が、クワドリガ・インヴェインを柱とするネザーキョウの軍勢とぶつかり合っているのだ。(……!)食い縛った龍の牙が、内側から揺らされた。ズム。ズム。「カッ……!?」オオカゲは困惑し、歯を噛み合わせようとした。だが。「イヤーッ!」 2
2020-09-01 18:19:19KRAASH!鋭利な刃じみて恐るべきオオカゲの牙が内側から折られ、吹き飛んで、下へ落ちていった。「GRRRR!?」オオカゲは空をのたうつが、その背の二人のニンジャは驚異的ニンジャバランス感覚によってぴくりともしない。オオカゲは口中のものを飲み込もうと、紫の舌を暴れさせた。「GRRRR!」 3
2020-09-01 18:21:21「イヤーッ!」「シャギャーッ!?」オオカゲが苦悶した。恐るべきアギトが開き、その舌を荒縄めいて片手で掴むティアマトが垣間見えた。ティアマトは容赦なくその舌を引きちぎった。「イヤーッ!」「シャギャアアアア!」紫の炎が口中から溢れる。ティアマトは空中へひらりと身を躍らせた。 4
2020-09-01 18:23:18KA-DOOOOM!怒り狂ったオオカゲのネザーブレスが、クルクルと回転しながら自由落下するティアマトに浴びせられる。ティアマトは回し蹴りで紫の炎を払い、牽制のクナイ・ダートを複数投擲する。「シャギャアアア!」オオカゲは紫の火球を浴びせかける。ティアマトは「ふふふ、たまらんな」と呟く。 5
2020-09-01 18:26:24「噛み合わぬ時もある。それもまた運命じゃ。機、いまだ至らずという事……」落ちながら、彼女はマガタマの力を解き放った。虚空に出現した黒いトリイが彼女を迎え入れた。ティアマトは消滅した。「シャギャアアア!アアアア!」叫ぶオオカゲを、タイクーンは一喝する。「エイッ!迷わず飛翔せよ!」 6
2020-09-01 18:29:31「ハンニャアアアア!」オオカゲは異彩の空で8の字を描き、再び南への針路を取り直した。「南方にイクサあり。我が友オオカゲは真っ直ぐに翔ぶ。戦線への到達を待たず、まずオヌシを退治てくれるわ!ニンジャスレイヤー=サン!」「おれも時間をかけるつもりはない」「イヤーッ!」「イヤーッ!」 7
2020-09-01 18:33:23ターン!フスマを開き、コトブキは次の廊下へエントリーした。後方では猛り狂った足音が彼女を追ってくる。ホンノウジ・テンプル天守閣を守るニンジャ、ヴェイパーと、手勢のゲニン達である。ジョウゴの手のニンジャを探し出し、殺すために、彼らは虱潰しに城内をあらためている。 9
2020-09-01 18:37:05『実際、お前が目当てじゃねえんだ。間違いなくな』タキがノイズ混じりの通信を通して助言した。『今、城の外でメチャクチャな事になってら。さっきの衝突も多分そのせいだ。で、奴ら、城に忍び込んだ奴らを探してる。大変だが、好都合ッてもんだ』「でも……」コトブキは立ち止まった。 10
2020-09-01 18:42:38次の部屋の入り口を塞ぐように、不気味な石像がオジゾウ・ガーゴイル像めいて立っている。コトブキは息を呑んだ。生命反応を感知したのだ。像はギョロリと目を動かし、コトブキを見た。「……その身なり。だが、ワシの知る寵姫にお前のような者はおらんな」ナムサン!像が一歩踏み出す! 11
2020-09-01 18:46:11「クルシュナイ!わたし、コトブキ姫です」『ヤバイぜ』「デアエ……!」後ずさるコトブキを咎め、石像がメキメキと音を立てて、奇怪なニンジャの姿を現した。「ドーモ。ストーンビーストです。貴様、さてはさきの侵入者の一味!」「クルシュナイ!違いますよ!」「権限テウチを致す!イヤーッ!」 12
2020-09-01 18:48:33「ンアーッ!」コトブキはストーンビーストの爪に切り裂かれながら、横の部屋にまろび込んだ。「イヤーッ!イヤーッ!」「ンアーッ!」コトブキはゴロゴロと転がった。帯がほぐれ、レッドカーペットめいてタタミの上に道を生じる。「イヤーッ!」さらに爪!コトブキはジュウニヒトエを脱いで離脱! 13
2020-09-01 18:50:59キモノの中から立ち上がったコトブキはキャミソールにホットパンツという動きやすい姿で、ストーンビーストは一瞬、その妖精めいた姿に幻惑された。それが彼の運命を決めた。「イヤーッ!」突如、天井から雨漏りめいて水が滴り、見る間にニンジャの姿を取ると、ストーンビーストを後ろから刺した! 14
2020-09-01 18:53:31「エッ?」離脱しながらコトブキは突然の出来事を理解しようとした。「アバーッ!?」「イヤーッ!」「アバーッ!」水のニンジャはトドメを刺す!「何が!?」『振り返るんじゃねえ!なんか知らねえが逃げろ!』タキが急かした。「ハイヤーッ!」SMAAASH!ショウジ戸を蹴り開け、コトブキは逃走! 15
2020-09-01 18:55:27『追ってくるか?来ねえか?来ねえ!』階段を駆け上がるコトブキの頭の奥で、タキは通信越しに喚き続けた。『多分、城の連中が探してる侵入者だ。きっと隠れ潜んでるところにお前が転がり込んできて、アンブッシュのチャンスだと思ったんじゃねえか?もう忘れちまえ。近いぞ、急げ!』「ハイ!」 16
2020-09-01 18:57:27階段を昇り終えたその時だ。『ア……何だこりゃ……また……ちょっと伏せろ!』「ハイ!」タキの電撃的指示に、コトブキは従った。KA-DOOM!DOOOM!凄まじい震動が襲い来た。「……!」コトブキは堪えた。「また……龍の体当たりでしょうか?」『い、いや違う。クソが!また弾丸キャリアだ!』17
2020-09-01 19:01:27