坂口恭平さんの貨幣論

おもしろすぎるのでまとめてみました
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坂口恭平 @zhtsss

貨幣、お金について考えてみよう。ほとんど貨幣について勉強したことはないですが、自分の体験と得意の直感で考えてみましょう。まず、僕はお金が大好きです。と同時にお金なんかなくてもあんまり困らない。もちろんフーには困ると言われるのですがアオは僕のお金を財布から盗んで遊び結局失くします笑

2011-07-06 14:34:22
坂口恭平 @zhtsss

僕が今考えている問いは「なぜミカン農家はミカンだけを作り続けるのに、人類は皆お金を稼がないといけないのか」ということです。僕にはそれがいまだによく分かっていません。むしろそれはおかしいのではないかと思っています。お金はお金農家が作ればいいじゃないか。そんなことを伝えれば考えてます

2011-07-06 14:37:02
坂口恭平 @zhtsss

別に全ての人がお金を稼がなくてもよいのではないかとか考えていくと、今までミカン=お金、本=お金、お寿司=お金と思い込んでいたものが、ミカン、本、お寿司、お金というように並列して感じられるようになっていったんです。ミカン農家、寿司職人、お金農家というようにそれも選択肢の一つにする

2011-07-06 14:50:08
坂口恭平 @zhtsss

0円ハウスの住人たちの世界を見ていてそう感じたんです。多摩川のロビンソンクルーソーや隅田川の鈴木さんたちですね。ロビンソンクルーソーは川沿いで20年間自給自足生活をしています。彼は元々船乗りで岩手の実家では自給自足をしていて後に色を数値化するカラーコンピューターのエンジニアになる

2011-07-06 14:54:26
坂口恭平 @zhtsss

解体現場で働いては廃材やいらなくなった道具、バナナの木まで拾って来ては少しずつ家を建てた。だからもちろん0円です。そして米は作ってないけど野菜は全部作っている。果物も作っている。魚を釣っては干物も作っている。椿の実を湯がいて絞って椿油を作っている。竹林を育て釣竿を作っている。

2011-07-06 14:57:05
坂口恭平 @zhtsss

お米を炊いて麹を入れてドブロクも作っている。葉っぱを乾かして煎ってお茶も作っている。雨水を再利用して飲み水生活用水にしている。とにかくお金がかからない。彼の作るさくらんぼは絶品です。彼のドブロクも無茶苦茶旨かった。あんなの普通に店で出たら幻のドブロクとか言って高いんだろうなと

2011-07-06 14:59:46
坂口恭平 @zhtsss

もちろん買わなくてはいけないものもあるのでお金は必要なんですが、それは生活のうちのほんの一部分。別にお金がなくても死なない。食い物はあるし、水も大丈夫。家賃はかからない。発電機を使っているのでもちろんガソリンが無くなれば電気は使えないが、バッテリーに蓄電してるので予備電源はある

2011-07-06 15:03:16
坂口恭平 @zhtsss

お金よりも豊かな生活が彼にはあるので全く問題ない。彼の生活はミカンと琵琶と雨水と電気とドブロクと椿油とお金が並列になっている。だからお金がなくても死なない。蛇口が一つじゃないので飢え死にしない。それってとんでもなく楽で安全な生き方だと僕は認識した。弱そうだけど強いなあ、と。

2011-07-06 15:08:24
坂口恭平 @zhtsss

多摩川のロビンソンクルーソーが、どうやってお金を稼いでいるかと言うと、彼にはあらゆる道具がそのものだけでなく、どんな材料でできているのかを認識することができるという特技を持っている。例えばフライパンは彼にとって鉄と底部にはアルミ板があり取っては木で芯には鉄があると見えている。

2011-07-06 15:12:29
坂口恭平 @zhtsss

そして彼にはこれまで拾い集めてきた高性能の道具が揃っているのでそれを弁解し、金属ごとに区分し売りさばく。それで月に五万円くらいは余裕で稼いでいる。それで十分なんだって。人にはゴミでも彼には貴金属の塊に見えている。そのズレを彼はお金に換えている。換えなくても死なないけどね。

2011-07-06 15:15:37
坂口恭平 @zhtsss

で一体お金ってなんなのかと考える。彼を見ていて僕が思ったのは「お金ってインスピレーションのことである」ということです。ドブロクを飲んでコレは銀座の隠れ家で飲んだら高いな、とかフライパンを様々な金属の集まりであると認識し五万円に換えるのとかインスピレーションの現実化がお金だ、と

2011-07-06 15:24:13
坂口恭平 @zhtsss

だってワインが300万円とかすることもあるじゃないですか?あれって、こういう労働者が毎日時給いくらで働いて、その家賃がいくらで、生活費がいくらでそこらへんトータルしながらパッケージ代と配送料で、はいこれだけになります!とかじゃないでしょ。なんだこのハーモニーは!に300万円でしょ

2011-07-06 15:27:39
坂口恭平 @zhtsss

で、今お金を見ていると、そのインスピレーションとしての機能と、時給いくらでっていう労働の対価としての機能が混ざっちゃっているように思えるんですよ。それはダサいな、と。お金をインスピレーションと交換する機能だけに変えたいと僕は思っています。だから労働解放運動を試みているのです。

2011-07-06 15:30:47
坂口恭平 @zhtsss

だから僕はお金は別に悪いものでもなんでもないと思っている。それが日本国ではなく、日本銀行が勝手に作っちゃったものだとしてもそれでいいじゃん。だけど、そのお金の動きが国が徴収するものと資本による労働とくっついているからいかん。かと言ってそんな高いシステムは簡単には変わりません。

2011-07-06 15:33:51
坂口恭平 @zhtsss

ということで僕は0円ハウスの世界を調べていたわけです。ほー、なんだ生活というのは実のところ0円でやれないことはないのだなと。しかしそれを知られたら国もびっくりなので世間体とか見栄とか常識とかいうものがありますよ、そこから外れたら結構馬鹿にされたりしますよ。と思わせていることを知る

2011-07-06 15:38:09
坂口恭平 @zhtsss

というわけで僕は結構面白いこと言っているはずなのに、なかなか浮かばれないという運命になる笑。それはそれでいいんですが笑。本読んだ人で「0円生活できることが分かっても僕はホームレスになるのはごめんだ」と不思議なことを言う人がいます。ホームレスなのは僕たちであることに気付けない。

2011-07-06 15:40:54
坂口恭平 @zhtsss

たとえ家賃とか徴収されても国から税金を取られても労働で搾取されても、僕はみんなから承認されていて居心地が良いマンションに住みながら会社というちゃんとした所で働きたいと言う。なんかそれって奴隷の人が「ちゃんとした大きな家で使われている方が自力で生きるより楽なんだ」と言っているみたい

2011-07-06 15:43:48
坂口恭平 @zhtsss

だけどそろそろ僕たちは気付かなくてはいけないのかもしれない。これはお金がおかしいのでなく、お金の捉え方がおかしいだけなんだと。労働の対価がお金がである限り、独立した生き方は獲得できないと。しかも、独立した生き方なんてそう難しいことをではないことを。やってみれば0円でなんでもできる

2011-07-06 15:47:04
坂口恭平 @zhtsss

みんなでホームレスになるという荒技もあるんですが笑、規制概念はびこるこの世の中は逆に考えると「都市の幸」と捉え直すこともできるので別に必死に無茶苦茶転換させなくてもいいと思っている。では、どうするのか。それを今から具体的な方法論で示してみたいと思います。できるか分かりませんが。

2011-07-06 15:50:58
坂口恭平 @zhtsss

お金をみんなが同じ方法で稼ごうとするからおかしなことになる。というか獲得できない人とかがでてくる。お金はインスピレーションと交換していくんです。これからはそれだけに絞って行きます。インスピレーションは種類は違えどみんなに備わっている。そんなの誰も信じないけどね。本当だよ。あるよ

2011-07-06 15:55:52
坂口恭平 @zhtsss

僕の場合はいつも言うように、自分にとっての貨幣は「絵」です。A1サイズの絵が一枚50万円近い値段で売れます。僕の作品は商品ではないので別にギャラリーに所属して売ってもらっているわけではない。自分で歩いて見つけてます。だから仲介料が発生しない。全部稼ぎになる♥だからこそ貨幣なの

2011-07-06 16:01:23
坂口恭平 @zhtsss

僕の芸術作品は絵ではないと思っている。絵はあくまでも貨幣なんです。僕の仕事、つまり使命は「社会を変えること」なんです。そのためにインスピレーションである絵を貨幣として交換しそのための資金にしてます。僕は仕事で稼ごうと思わない。社会が変わりさえすればよい。良い方向に向けばそれでいい

2011-07-06 16:03:48
坂口恭平 @zhtsss

インスピレーションというものは実は枯渇しない。枯渇するのはそれを商品化するからです。商品化というのはそこに労働というものが発生してくること。労働には才能の独り占めという行為が入っている。そうするとインスピレーションが枯渇します。それは単純な贈与ではなくなるからです。

2011-07-06 16:06:02
坂口恭平 @zhtsss

インスピレーションをもたらすものが「才能」です。それは実のところそれぞれの人には等しく存在してます。等しくなんてありえないという人もいます。だって俺には才能のないもん、と。でもそれは大抵試されていません。24時間才能を使うという時間は今の社会システムでは与えられていません。

2011-07-06 16:09:51
坂口恭平 @zhtsss

才能とか言うから面倒臭くなっちゃうんです。才能は英語でtalentといいますよね。先日、新政府政策参与のみちおくんから聞いたのですがtalentという言葉の語源は重量の単位を意味する古代ギリシャ語talanton、talantだそうです。金の重量の単位。つまり貨幣なんです。

2011-07-06 16:17:07