2020年9月3日

掌小説語り~自作つぃのべる集~60

自作つぃのべるのまとめです。 2018年4月分。
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リュカ @ryuka511

君主不在には出来ぬと、その座を継がされた幼き君主。年端もいかぬ君主に政など不可能で、実権を握るのは後見を名乗る者だが、見え透いたその魂胆に吐き気がする。民衆の不満は傀儡の君主に向けられる。幼き君主、君が為に刀を振るう。腐った城に粛清を。君を守る術を私はこれしか持たない #twnovel

2018-04-01 00:42:39
リュカ @ryuka511

純白を纏った君は尊くて美しかった。君がついに僕のものにはならなかった事実を突きつけられても、いや、だからこそより美しいと感じたのかもしれない。遠くから秘かに想い続けるのが、僕には似合いだろう #twnovel 君に、真っ白な花を手向ける。痩せた頬に、最期の別れを告げる。涙は、まだ出ない。

2018-04-02 00:25:53
リュカ @ryuka511

いつかお前を身請けしてやると、吐息混じりに囁いた方もいた気がします。しかし、全ては一夜の夢に重ねた希望でしかなかったのでしょう。毎夜異なる相手と身体を重ねる度に、希望は潰えました。穢れたこの身では、俗な世間を生きる事さえもはばかられ、この温い闇に沈むしかないのでしょう #twnovel

2018-04-02 23:46:43
リュカ @ryuka511

冬は終わろうとしているのに、まだここは白く冷たく閉ざされている。私があの方を恋い慕いここに留めているから。あの方は「冬将軍の自分が去らねば春は来ない」と言う。私はそれでも構わないと思った。厳格で、けど優しいあの方を憎む人間などに、我が春の力を施す必要はないのだ。#twnovel

2018-04-04 01:38:40
リュカ @ryuka511

君の後を追う為にあらゆる手段を実行した。けど、ナイフもロープも僕の生命を絶ってくれなかった。どうやらあの世逝きの列車は普通には乗れないらしい。君はいとも簡単に行ってしまったように見えたけど、さぞ苦しかったのだろう。君の所へ行かせてもらえないのは、君を救えなかった罰なのか #twnovel

2018-04-05 01:19:15
リュカ @ryuka511

足元で眠る子猫をそっと撫でる。傷を負ってこの洞窟にいた子猫を、ドラゴンは我が子のように守り育てた。子猫はドラゴンを親と慕い、洞窟に住み着いた。噂が広まったのか、ドラゴンの棲処は居場所を失った猫達で溢れた。寝床を占領する猫達に苦笑しながら、彼らを潰さぬよう小さくなって眠る #twnovel

2018-04-06 00:16:36
リュカ @ryuka511

古くなって修理の部品もなくなった私が、廃棄処分になるのは道理だろう。使える部品を外されるのも仕方ない。だが、私の外された心だけは元に戻してほしい。あれには、私と主の大切な記録が詰まっているから。あれだけは最後の瞬間まで、私のものにしておきたい。何故それすら許されないのか #twnovel

2018-04-07 01:50:46
リュカ @ryuka511

革命が起き城は焼け落ちる寸前だった。王子を隠し通路へ導き、すがる手を振りほどいた。「貴方は生きて下さい」お前も来いという言葉に揺れる心を制し、王子を押し出し扉を閉める。王家は絶えた、という事実だけがあればいい。その為に私がすべき事は1つ。民衆よ、聞け。「私はここにいる!」 #twnovel

2018-04-08 00:02:46
リュカ @ryuka511

嵐に沈む船を、口唇を噛みしめ見据える。必ず迎えに来ると約束したあの人は、その日を過ぎても現れなかった。豪奢な船にはあの人と花嫁が乗っている。裏切りには制裁を。人魚が祈ると穏やかな海は突如嵐に見舞われた。なす術なく沈む船。もう助けはしないと、船を睨みながら心で泣く。 #twnovel

2018-04-09 00:41:58
リュカ @ryuka511

一瞬で君の元へ行ける翼を手に入れた。だからいつでも呼んでと言ったのに、君は一向に呼んでくれない。呼ばれてないのに行くのは気が引けて、かえって会う機会が減った。久々に会ってなぜ呼んでくれないのかと聞いたら、不自由だから楽しいのだと一言。よく解らないまま、自由な翼を持て余す #twnovel

2018-04-10 00:58:23
リュカ @ryuka511

固く封じられたその書物は、来たるべき時が来れば開かれるという。 #最後の黙示録 と記されたそれには、一体何が書かれているのだろう。「明日になればわかるよ」無理やり開けようとした私の手から書物を奪い君は穏やかに笑う。「最後の夜だ。楽しもう」それは、どういう意味? 君は答えない #twnovel

2018-04-11 00:23:51
リュカ @ryuka511

世界滅亡のシナリオは、古代からいくつも用意してあった。だが、いずれも一つの生態系や国、文明の滅びに留まっている。見えない力に阻まれているのだろうか。だが今度こそ。最大にして #最後の黙示録 のシナリオを始めよう。滅亡の伏線が張り巡らされていた事に、もう気づいているだろう? #twnovel

2018-04-11 23:38:11
リュカ @ryuka511

「本当に、いいんだな?」何度確認されても答えは変わらない。頷く事が終わりだと知っていても、それ以外に道は無いのだ。薬が投与され眠くなる。後は博士に任せよう。目が覚めたら、私は人ではなくなる。幸福だった人生に別れを告げ、あの人を殺した世界を滅ぼす為に戦うのだ。 #twnovel

2018-04-13 00:33:44
リュカ @ryuka511

愛とは美しい嘘の呼び名である。愛と名付けてしまえば、それがどんなに空っぽでも真逆のものを孕んでいても、美しいものとしてまかり通ってしまうからである。美しい嘘に満ちた世界は、傍目には優しく美しい。優しく美しいフリをして、溺れている事にも気付かせず、絶望の深淵へ招くのだ。 #twnovel

2018-04-14 00:50:04
リュカ @ryuka511

寝坊した、と気づいたのは日が高くなっていた。夜明け前に城門でと約束したのに。急いで城門へ行くが、あいつはもういなかった。目的地は解っているから追いかけよう。俺は今まで寝坊なんかした事ないのに、なぜこんな日に限って #twnvday 昨夜、君の食事に睡眠薬を盛った。危険な旅だ。僕1人で行くよ

2018-04-15 01:32:38
リュカ @ryuka511

詐欺がお上手な彼は役者志望だったという。「もうあの頃には戻れない」と自嘲する彼だが、本当にそうだろうか。そう口にし言い訳しているのではないか。しかし彼の悲しげな目に言葉を詰まらせる。その目は演技かそれとも。どちらにせよ、こんなにも人の心を動かす目を、詐欺なんかに使うなよ #twnovel

2018-04-16 00:25:25
リュカ @ryuka511

「この中から魔王を討つ英雄が現れる」そう告げられ、世界を託された子どもたち。剣や槍、杖、思い思いの武器を手に旅立つ。戦う術など知らない。だがスラムで飢えるくらいなら、魔物と戦い死ぬ方がマシだろうか。本当に魔王を討って英雄になれたら。そんな夢を見る。神託の本意も知らずに。 #twnovel

2018-04-17 00:37:14
リュカ @ryuka511

「やっぱり君は君じゃない」貴方はそう言い私を拒絶します。「だって君は痛みすら感じないんだろう?僕は君を失ってこんなにも苦しいのに、君は」震える肩に為す術はありません。私が記憶を共有してもそれは作り物だと言うのでしょう?亡くした恋人のアンドロイドなど、作るものではありません #twnovel

2018-04-18 00:39:06
リュカ @ryuka511

古い日本家屋、由緒正しい家柄。お告げにより選ばれる当主。神託が全てを決める。そんな誰かの脚本を生きるような窮屈な人生に、嫌気がさした。おつかいに出る使用人の子に、僕の晩ご飯を分け与えて手懐ける。彼と入れ替わって外へ出た。僕は自由だ。何も分からない広い世界に、心踊る。 #twnovel

2018-04-19 00:57:55
リュカ @ryuka511

娼館から無邪気な笑い声や子守唄が聞こえる。身篭った娼婦の産んだ子がいるのだろうと、外の人々は思っていた。だが、幼い子供など娼館にはいない。ならば誰の為の子守唄なのか #twnovel 地獄のような夜に、気の触れた娼婦の笑い声は幼子のように無邪気に響く。幼子と化した娼婦を我が子と思う娼婦も。

2018-04-20 01:19:09
リュカ @ryuka511

君を見つめ目を細める。君は光そのものだった。光をずっと憎んでいたのに、君の事は愛おしいと思えた。私の抱える闇を知ってか知らずか、君は私に真っ直ぐにぶつかってくる。君を愛おしいと思うと同時に、恐ろしく感じた。君の真っ直ぐさは私の闇を払うだろう。その時、私は私でいられるのか #twnovel

2018-04-21 00:52:50
リュカ @ryuka511

雪の女王に会えば死ぬと噂があった。ある冬の夜、戦から戻った青年が山を越えようとしていた。大怪我を負い、それでも故郷へ帰ろうと必死だった。意識を失う寸前、佇む女性の姿を見る。青年は死を覚悟した #twnovel 青年が意識を取り戻したのは故郷の村だった。夏になっても掌に残った冷たさは消えない

2018-04-22 00:59:49
リュカ @ryuka511

彼を前にして左胸は楽器のように激しく鳴る。ずっと会いたいと願っていた人物が目の前にいるのだ。緊張しないわけがない。彼は怪訝な顔で私を見下ろしている。言うべき事、やるべき事があるのだ、緊張してる場合じゃない。この日の為に生きてきたのだから。 #twnovel 「兄の仇を討ちにきた。覚悟しろ」

2018-04-23 00:20:25
リュカ @ryuka511

君が欲しがっていた珍しい花を、やっとの思いで手に入れた。これで君の薬を作れるし、美しい花は君の心を癒すだろう。きっと君は元気になって、笑ってくれるはず。天候が崩れてきた。急いで戻らなくては。 #twnovel 君の病は治ったのに、君は悲しい顔のまま。花を探して遂に戻らなかった僕のせいなのか

2018-04-24 00:32:57
リュカ @ryuka511

人気の無い塔の中、男は歓喜の声を上げた。「遂にやったぞ!偉大なる研究家である私に不可能など無いのだ!」男はもう10年以上塔にこもって不老不死の研究を続けていた。大勢いた助手はもう1人もいない。白骨死体と化した助手達に見向きもせず、静まり返った塔に男は高らかな笑い声を響かせる #twnovel

2018-04-25 00:35:41
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