タイラント・オブ・マッポーカリプス：後編 ＃9
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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【タイラント・オブ・マッポーカリプス：後編】#9 pic.twitter.com/m9qzGEzNV8
2020-09-09 20:01:18
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「ハイヤーッ！」前転からのドロップキック、すなわちセンキュタイでフスマを蹴り壊し、コトブキは回廊から茶室にエントリーした。追ってくるゲニン達は撒いた。だがそこにもゲニンがいた！「デアエ！」「ホットな娘」カタナを抜いて立ちはだかるゲニン。だがその時彼らは苦しみ出す！「グワーッ！」 1
2020-09-09 20:03:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「まだ殴っていません！？」コトブキは焦った。しかし彼らは頭を押さえ、よろめくのだ。目から光が失われる。「バカな！？」「俺様のカラテ……嘘だ？」苦しみながら、彼らは顔を上げ、コトブキを睨んだ。だが既にコトブキは動いていた！「ハイッ！」「グワーッ！」「ハイヤーッ！」「グワーッ！」 2
2020-09-09 20:05:27
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「弱い……！」コトブキは走り抜け、奥の回廊に飛び込んだ。『アレだ、オレの黙示録的ハッキングの成果だ、全部な』タキが説明した。「そうなのでしょうか？」『そうだ。全部オレの手柄』「何かがあるのでしょう」その時だ！KRAAASH！壁を破壊し、モーターワコクが出現！即座に機銃を回転させる！ 3
2020-09-09 20:08:04
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「ギュウイイイイ！」BRRRTTTTTT！マズルファイア！コトブキは転がって逃れ、角を曲がった。「オムラが本格的に……」『とにかくオサラバしろ！中庭だ。ガキとか、例のアブねえやべえニンジャと合流するしかねえンだぞ！』コトブキは格子窓の外を見た。既にある程度下まで降りた。この高さならば！ 4
2020-09-09 20:11:27
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『オイ！？』「ハイヤーッ！」KRAASH！コトブキは格子窓を破壊し、屋根瓦の上へ転がり出た。BRRRRTTTT！機銃掃射が追いかけてきた。コトブキはゴロゴロと転がり、瓦屋根の上で立った。そして見た。オレンジの夕空を。西の空に溶けてゆく巨大な夕陽を。カイト操作を行えず、落下してゆくゲニン達を。 5
2020-09-09 20:14:49
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ドオン。ドオン。ドオン。ドオン。背後頭上、天守閣最上層の上空には花火が繰り返し爆発し、そして「第六天魔王明智常醐」のショドーが垂れている。城の屋根から屋根へ、数機のモーターワコクがジャンプし、天守望楼に向かってゆく。コトブキは中庭を見た。乱戦。妙なのは、のたうちまわるゲニン達。 6
2020-09-09 20:17:37
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無数の鞭じみた凶悪な力がうねり、いまだ襲いかかるゲニン達を跳ね飛ばし、引き裂いている。その中心ではアナイアレイターが金色の目を光らせ、半人半鳥のフィルギアと共に敵と戦っている。「イヤーッ！」バリバリと放電を伴い、有角の女ニンジャが屋根瓦に着地する。激烈な憤怒がコトブキを一瞥。 7
2020-09-09 20:19:34
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「惰弱！」ニンジャは吐き捨てると、高所に飛び移るモーターワコクにソニックカラテをぶつけ、そして稲妻爆発とともに跳んだ！「好き勝手しくさるクソ野郎どもがァーッ！」「……！」コトブキは思わず彼女を目で追った。『何やってる！ラッキーだろうが！』コトブキは頷き、屋根斜面を走った！ 8
2020-09-09 20:21:33
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イチ！ニイ！コトブキは軽く跳ね、そして屋根の縁から、跳んだ！「サンッ！」跳ぶ……落ちる……落ちる……黒砂のバトルグラウンドが近づく……争い、あるいは苦しむゲニン達……アナイアレイター……アナイアレイターのもとに走って近づくザックと、手をひかれるミズマル！コトブキは、着地前転！ 9
2020-09-09 20:23:35
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「来たな！」イクサをアナイアレイター一人に任せ、フィルギアが彼らを迎えた。その背からポロポロと羽根らしきものが落ちた。「後はコイツ一人でいいだろ……」「姉ちゃん！良かった！」ザックが緊迫しながらも喜んだ。ミズマルは目に涙を浮かべ、俯いて、少年に手を引かれている。 10
2020-09-09 20:26:26
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「ア？フィルギア＝サン」ザックは目を擦った。「何か、気のせい？今、翼が生えて……」「その通り。俺、マジに超自然存在なんだぜ。やっとわかった？」「気のせいか」「黙ってろ！」アナイアレイターが吼え、彼らの頭上を鏖殺鉄条網がうねり飛ぶと、弧を描いて、敵意復帰したゲニンを吹き飛ばした。11
2020-09-09 20:28:29
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彼らはアナイアレイターのもとに集まった。カラテ嵐の大樹で乱戦の雨をしのぐがごとく。天守閣のあちこちで破砕の煙が立ち昇り、空には花火。「……！」ミズマルは肩を震わせ、涙を拭った。コトブキが見た。「ミズマル＝サン」「……わかるのです」ミズマルは南方の闇を見た。「……あの御方は……」12
2020-09-09 20:32:00
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「スウーッ……フウーッ」ニンジャスレイヤーは足を止め、深く呼吸し、更なる火を全身に駆け巡らせる。頭上にはキンカク・テンプル。周囲にはアケチのネザーヤリ。その全ての穂先が今、ニンジャスレイヤーに向かって、定まった。ニンジャスレイヤーは再び、一歩一歩、踏みしめるように歩き出した。 14
2020-09-09 20:35:27
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DOOOM……DOOOOM……そこかしこで大地が赤く燃える亀裂を伴って隆起し、溶岩を噴き上げ、燃える川が流れ始めた。色彩を伴う風が流れ、頭上の闇の中央では黄金の立方体がゆっくりと自転していた。地上の荒廃など預かり知らぬがごとく。そして……ヤリが……動いた。ひとつ。ふたつ。 15
2020-09-09 20:38:38
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コクダカの光が凝縮せしヤリは、タイクーンの意志力によって滑るように動き……急加速。流星となってニンジャスレイヤーをめがけた。ニンジャスレイヤーは体内を駆け巡る黒炎にまかせ、ヌンチャクを……振り抜く！「イヤーッ！」ギャリイン！ギャリイイン！歪んだ金属音が鳴り、ヤリは地面を穿つ！ 16
2020-09-09 20:43:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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呼吸を深める中、見知らぬドージョーで稲妻に立ち向かう光景が去来した。次なるヤリが角度を変え、ニンジャスレイヤーをめがけた。……為した。すべは掴んだ。ニンジャスレイヤーの目が燃えた。「イヤーッ！」ギャリイイン！ヌンチャクを振り抜く！ニンジャスレイヤーの踵の後ろにヤリは突き刺さる！17
2020-09-09 20:46:45
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さらに……ひとつ！「イヤーッ！」ギャリイイン！ふたつ！「イヤーッ！」ギャリイイン！みっつ！そこへオニが金棒を振り上げて襲ってくる！「ARRRGH！」「イヤーッ！」ギャリイイン！打ち返したヤリがオニを貫く！「アバーッ！」一歩！一歩！ニンジャスレイヤーはタイクーンを目指す！ 18
2020-09-09 20:50:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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タイクーンは燃え続ける。ニンジャスレイヤーはヌンチャク・ワークを継続しながら着実に進む。稲妻に立ち向かう修行の光景はマスラダ自身の記憶ではなく、ゆえに鬱陶しい。だが今はその記憶を手繰り寄せ、反芻し、敵に対する時だ。ヤリは稲妻よりは遅い。ゆえに……「イヤーッ！」ギャリイイン！ 19
2020-09-09 20:52:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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「……！」タイクーンがゆっくりと首を動かし、ニンジャスレイヤーを凝視する。黄金立方体の周囲にはいまだ多数のヤリが静止している。あれが立て続けに襲いくれば、ヌンチャクによる弾きは間に合わぬ。だが。（わかるぞ）ニンジャスレイヤーは一歩一歩踏み出す。あのヤリが全てなのだ。 20
2020-09-09 20:55:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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仮にあのヤリが一時に降り注げば、引きつけた後の全力の回避によって、タイクーンの攻撃をアウト・オブ・アモーせしめる事が可能だ。必ずやってみせる。だが、そうする事のリスクをタイクーンも承知している。ゆえに、攻撃は限定的なのだ。 21
2020-09-09 20:59:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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しかしある時点で必ずタイクーンは勝負に出る筈。そこがゼンめいた生死のわかれめとなる。それまではヤリをひとつひとつヌンチャクで弾き、間合いを詰めるのだ。最終的には懐へ、喉元へ近づき、カラテを叩き込む……そのためのジゴクめいた距離だ。遠い。なんと遠い道か。 22
2020-09-09 21:04:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer
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地平ではオオカゲと白い妖精の戦いが、再びネザー生物達を率いたクワドリガとネザーに引きずり込まれたUCA戦力が死力を尽くして戦い続けていたが、それらのイクサは遥か遠くにあるものだった。ニンジャスレイヤーはニューロンを研ぎ澄ませ、燃やし、燃やした……。「イヤーッ！」ギャリイイン！ 23
2020-09-09 21:09:48