ライスのアニメ感想:#85 輪るピングドラム(1)
- terry_rice88
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輪るピングドラム#01「運命のベルが鳴る」 「少女革命ウテナ」の劇場版から実に12年ぶり、TVシリーズから数えると14年ぶりの幾原邦彦監督作品がいよいよ始動と相成りました。さすがというべきか、1話目からかなりかっ飛ばした出だしだったなあという印象。いや、物凄い作品が始まりました。
2011-07-09 08:01:4110年以上の雌伏もなんのそので、思い切り幾原監督らしさが全開の内容でしたね。時間の感覚がまた狂ってたなあという感じ。Aパートはかなりあっさり流れていったのにBパートはすごく長かったので。まあ、今回は作画スタッフも尋常じゃなかったみたいですが。それはまあともかく。
2011-07-09 08:05:10さて、お話は物語のプロローグを丁寧に描いたエピソードだったと思います。病弱で余命数ヶ月の陽毬、それを見守ろうとする冠馬、晶馬という二人の兄。物語の始まりは彼女たち三兄弟の日常から。食事のシーンから始まっているのが、なんというか今の状況を汲んだような描写だったような気がしました。
2011-07-09 08:11:05まず、すでに両親が亡くなっていることにされているのがとんでもないと思いました。噛み砕いてみると、家族のあり方から攻めてきている。ここしばらく親の影形がない(もしくは出てこない)作品が多いけど、それを逆手に取った感じがしました。あの写真立てを見せられているからこそなんでしょうけども
2011-07-09 08:17:36陽毬たちの親は過去に存在していたのに、今は存在していないというニュアンスが含まれていると思うんですが。その裏を返してみれば、彼女たちの家庭はすでに家庭崩壊をしているんではないんでしょうか。言ってみれば、親がいないせいで家族の形を成してなくて、擬似的であると。
2011-07-09 08:21:11すでに擬似的である構図として、冠馬と晶馬が陽毬を子として、養っているような感覚。冒頭に食事の会話なんてのはまさしくそうで、冠馬が父親、晶馬が母親的な役割を果たしているような趣。どっちもシスコンだから陽毬には溺愛してると。
2011-07-09 08:24:52だから医師の宣告のシーンで狼狽する二人ってのは陽毬を繋ぎとしている家庭が崩壊してしまうのを恐れているというニュアンスもあったんじゃないのかなあと。どちらにしろ余命いくばくも無い妹なのでいつかは崩壊が来てしまう事は確かなんだけど。
2011-07-09 08:27:35でまあ、自宅療養になった陽毬にやってやれることとして水族館(池袋だからサンシャイン水族館でしょうねえw)に連れて行ったわけだけど、結局無理がたたって、命が尽きてしまった。だから遺体置き場での喧嘩は彼らの本音がぶつかり合っていた感じではあるかなあと。
2011-07-09 08:33:54陽毬の死に冷淡な冠馬と死を受け入れらず、悲しみにくれる晶馬。家族という観点から見ていくと、冠馬はスマートフォンを持っていることや、女の子とひっきりなしのような印象で家族という意識は希薄なのかも。逆に晶馬は家庭的なのもあって、家族を重視しているかな。
2011-07-09 08:39:08あと陽毬をどういう対象としてみているのかによっても相当に違ってくるはず。それは今回のラストシーンを見ればでも分かると思いますが、冠馬はああいう感情を持っているということなのでしょう。
2011-07-09 08:41:05あとリンゴは世界だよという言葉が出てきましたね、色々含む所がある台詞だと思いますが、個人的にはシンプルに神話の知恵の実のメタファーかなあと思った次第。リンゴを食べてしまった人間たちの世界というニュアンスに聞こえましたね、
2011-07-09 08:48:38知恵を得てしまった人間の織り成す世界とでも言いましょうか。人間だって動物であるということを忘れていないか?というような問いかけにも感じられましたが果たして、その真意は。リンゴという名のつくキャラも登場するわけですし、キーワードなのは間違いがなさそうですね。
2011-07-09 08:51:54さて、生存戦略というフレーズですが。このフレーズこそが作品の根幹ではないのかなあと。それで生存戦略という言葉を検索してみると、こんなのが出てきました。http://t.co/3xNGWrE wikipediaの記事で恐縮ですが「群れ」という記事の中に生存戦略というのが出てきます。
2011-07-09 08:55:34自然淘汰に対抗するための術として、という説明がありますが動物生物学の分野で社会性が見出せる場合は社会生物学でも研究されるともあります。だから輪るピングドラムには「群れ」や「社会」というのが大きな流れになっていきそうです。
2011-07-09 09:01:34ここで言う「群れ」の最小単位として「家族」があって、「群れ」の最大単位として「社会」があると置き換えると分かりやすいかもしれません。つまり本作のテーマの一翼には人間の群れとどういう風に付き合っていくのか、というのがありそうです。
2011-07-09 09:04:22幾原監督の持つテーマとして「絆」があるということは以前説明したとおりですが、そこが拡大されている感じでしょうか。誰にだって断ち切ることの出来ない人との絆があって、それがあるからこそ人は繋がっていけるんだという。それが家族の領域にまで入って、しいては社会との繋がりに結びついている。
2011-07-09 09:09:20たださっきも書いたように高倉三兄弟はすでに家族の有り様としての正常な形を保っていないわけだから、さてどうなっていくという出だしだったように思います。そんな擬似状態の群れでどう社会とつながっていくのかというのが焦点っぽいですね。
2011-07-09 09:12:42なので「群れ」という枠組みの中では「学校」も入るでしょうし、「商店街」とか「町内会」とか人間の「群れ」の単位はいくらでもあるわけなので、それらとどう付き合っていくのとなるかはてさて。学校以外の町並みもしっかり描かれているようですし、そこら辺には期待といったところでしょうかね。
2011-07-09 09:15:55それにしてもペンギンたちは可愛いですね。でもこの子達も三兄弟にそれぞれつくようなので彼らのペルソナ的な存在なのかもしれませんね。そこら辺もどう発展していくか。
2011-07-09 09:17:48あと陽毬については「一度死んでしまった」わけなので生存戦略の外側にいるキャラなのかなあと一瞬思ったりしました。あのペンギンの帽子で神託を受ける巫女みたいな役割なのかもしれませんね。ただ陽毬の人格がなくなった訳ではない、何かしらの余地があるとは思いますが。どうなっていくんでしょうね
2011-07-09 09:20:42輪るピングドラムを見ていると、昔は家族という絶対的な絆というか繋がりが揺らいであやふやになってきているレベルになってきているんだなあと。今はネットというツールがあるので人と繋がろうとすればいくらでも繋がる事は出来るけど、それは本当の絆か?という問題も出てきそう。
2011-07-09 09:24:16そういった点でサザエさんとかちびまる子ちゃんとかクレヨンしんちゃんとかよつばと!とかと比較して家族の有り様を探るということも輪るピングドラムという作品は可能なんじゃないのかなあと思った次第です。結構、間口の広いテーマを扱っている印象。
2011-07-09 09:28:49人との繋がりというのがやはりメインテーマなんだろうなあというが強く感じられた初回だったと思います。そのテーマにしたがって、全てが構成されているので非常に安心感があるというか、もし今わからなくても、あとで徐々に紐解かれていくんだろうなあというのがあって、すごく楽しみですね。
2011-07-09 09:31:01ただ気になるのはクイーン・オブ・クリスタル(変身後の陽毬)の言っている、彼女を生きながらえさせた命の代償とはなんなのかという点。一度死んだ人間を生かす代表を冠馬や晶馬が払っていく事になりそうですが、それも生存戦略の一環なのか。あとピングドラムとはなんなのか。
2011-07-09 09:34:47