真珠湾攻撃する直前までの資料

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KT ひまわり会 @Akhenaten001

山本五十六がいつ真珠湾攻撃を思い付いたのかは定かではない 昭和2年か3年頃に霞ヶ浦航空隊教官兼海軍大学校教官の草鹿龍之介少佐(後に真珠湾攻撃を実行した第一航空艦隊参謀長) が真珠湾を飛行機で叩くという案を一度文書にしたことがあった。 その頃山本は米国駐在武官として米国にいた

2018-05-24 01:36:13
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山本五十六は帰国してから草鹿の真珠湾攻撃文書を見たと言われていて、それが頭の中に残っていたのだと思われる 昭和15年3月に連合艦隊の昼間雷撃訓練があった 山本長官が艦隊を率いて進み、それを艦上攻撃機と陸上攻撃機が雷撃し艦上爆撃機が急降下爆撃を行う訓練である この訓練は大成功をおさめた pic.twitter.com/q0KsiZVNEY

2018-05-24 01:37:18
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それを旗艦「長門」の艦橋から見ていた山本五十六は福留繁連合艦隊参謀長に「あれでハワイをやれないか」と話しかけたが福留は「それをやれるくらいなら、全艦隊がハワイ近海に押し出して全力決戦がいいでしょう」と答えている 戦艦同士の艦隊決戦が世界の海軍の作戦家たちの伝統的な考え方だった

2018-05-24 01:38:12
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一般的に真珠湾攻撃は山本五十六の発想と思われているが、空母機動部隊で真珠湾に停泊中の艦艇を攻撃するという発想が始めて世に出たのは、大正14年にイギリスの海軍記者へクター・バイウォーター氏が著した架空戦記「太平洋戦わば」と言われている

2018-05-25 01:23:20
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日本海軍の海軍大学校でも真珠湾攻撃が研究されていた 草鹿龍之介少佐が真珠湾攻撃文書を執筆したのと同じ時期である昭和2年に第25期生の秋の卒業図上演習で準軍事的な作戦研究としては初めての空母機動部隊による真珠湾攻撃が考案されている

2018-05-25 01:24:20
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海軍大学の図上演習で日本艦隊司令長官を務めた高木惣吉少佐が 空母2隻と駆逐艦や潜水艦によって編成された後の機動部隊に似た編成の先遣部隊に真珠湾攻撃を命じた 結果はまだ当時の航空機と爆弾や魚雷等兵器の性能が足りなくて芳しいものではなかった

2018-05-25 01:26:49
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真珠湾攻撃発案者の高木少佐は図上演習後の研究会で散々吊るし上げられたという しかしこの構想は後に見直され昭和11年に海軍大学で「対米作戦二関スル研究」としてまとめられた これは開戦と同時に空母機動部隊で真珠湾を攻撃する構想がまとめられていて実際の真珠湾攻撃の原形となる pic.twitter.com/VNOTgG4UEU

2018-05-25 01:27:49
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イギリス海軍は昭和15年11月11日のジャッジメント作戦でイタリア海軍の一大拠点であるタラント軍港を空襲し新型戦艦のリットリオを含む戦艦3隻を大破着底させた タラント空襲は世界中の航空主兵論を後押し、日本海軍はこの作戦を真珠湾攻撃のために研究したと言われている pic.twitter.com/Fro0uEZ0FO

2018-05-26 01:28:47
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アメリカでも昭和7年に当時のハリー・E・ヤーネル提督はハワイが航空攻撃に対して脆弱であると考え空母2隻を用いて演習を行いその可能性を検証した 演習の審判は航空攻撃が成功であると宣言したがアメリカの大艦巨砲主義者達は「空襲する前に空母がやられてしまうだろう」とそれを無視した

2018-05-26 01:29:55
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先に例を挙げたように、真珠湾攻撃は日米共に研究していて突拍子もない物ではなかった しかし、殆どの日本海軍軍人には、海軍大学で研究されていたものの、海軍の常識的な戦略は西へ向かって来る米艦隊を迎え撃つ邀撃作戦であり、真珠湾攻撃はあまりにもリスクが高い作戦であると捉えられた

2018-05-27 01:34:15
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当時の日本海軍は対米戦の基本的な戦略を漸減邀撃作戦としていた これは真珠湾から日本へ向かって来る数的に優勢な米艦隊を、潜水艦による奇襲と航空攻撃、さらに巡洋艦や駆逐艦による夜襲で主力艦の数を減らし、日本委任統治領の内南洋で艦隊決戦をしかけるというものだった pic.twitter.com/PemCueGqh5

2018-05-27 01:36:18
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しかし、この漸減邀撃作戦の演習は何度行っても一度もアメリカに勝った事は無く、日本艦隊の形勢が不利になりそうな時点で演習が中止されていた 日本海軍の伝統的な戦略である漸減邀撃作戦ではアメリカに勝てない事を日本海軍は知っていたのだ この事は昭和天皇も御存知だった様である

2018-05-27 01:38:04
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昭和15年5月アメリカでは海軍のハワイ沖での大演習の後に、ルーズベルト大統領が艦隊をそのままハワイに留め真珠湾を母港にせよと命令した しかし太平洋艦隊司令長官ジェームズ・リチャードソン大将はこれに反対した ハワイは艦隊整備の施設と防御力が貧弱 本土から遠く離れた孤島で補給が難しい

2018-05-28 00:50:20
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艦隊をハワイに駐留させることで日本を刺激し戦争の引き金になる事 が理由である リチャードソン大将は、このような危険を冒すよりも今まで通り艦隊を米西海岸のサンディエゴ基地に駐留させるべきだと、ルーズベルト大統領に面会して説得した それへのルーズベルトの返答は

2018-05-28 00:51:25
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ルーズベルト大統領のリチャードソン大将への返答は 昭和16年1月に、大統領の太平洋艦隊真珠湾常駐命令に反論したためリチャードソン大将を太平洋艦隊司令長官から解任 翌2月1日に後任としてハズバンド・キンメル提督を太平洋艦隊司令長官に任命した 画像はジェームズ・リチャードソン提督 pic.twitter.com/T9ps3vmThS

2018-05-28 01:07:26
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昭和15年の秋に山本五十六は当時の首相近衛文麿に太平戦の見込みを聞かれ「それは是非やれと言われれば初め半年や1年の間は随分暴れてご覧に入れる。然しながら、2年3年となれば全く確信は持てぬ。三国条約が出来たのは致方ないが、かくなりし上は日米戦争を回避する様極力御努力願いたい 」 と答えた

2018-05-29 01:36:51
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帝国海軍は昭和15年まで、1ヶ国と戦う作戦を前提としてきたが、南方作戦となると米・英・蘭の三カ国海軍にオーストラリア、ニュージーランド、カナダなどの英領海軍も含めた多数国海軍と同時に戦うことになる 日本海軍史上初めて多数国の海軍と同時に戦う事になるのだ

2018-05-30 01:37:12
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この図上演習から山本五十六は、以前から検討していた、開戦劈頭にハワイ真珠湾に停泊中の米艦隊を奇襲して撃滅する作戦を断行する以外に勝算は無いという結論に達した そして及川古志郎海軍大臣と面談して真珠湾攻撃構想を提案し、それを昭和16年1月7日「戦備に関する意見」という文書にまとめた pic.twitter.com/VWeiYICHCW

2018-05-30 01:38:00
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山本五十六は「戦備に関する意見」で、これまで日本海軍が研究・訓練してきた漸減要撃作戦では「帝国海軍は今だ一回の大勝を得たることなく、 此の儘推移すれば恐らくジリ貧に陥るにあらずやと懸念せらるる情勢に於て演習中止となるを恒例とせり」となり、とてもその様な戦略では戦えないと述べ

2018-05-31 01:39:15
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アメリカと戦って勝つためには「開戦僻頭敵主力艦隊を猛撃撃破して、 米国海軍及国民をして救うべからざる程度に其の志気を沮喪せしむる」と真珠湾攻撃の必要性を主張した そして、このような作戦を実行するにあたり「勝敗を第1日において決するの覚悟あるを要す」と作戦の重要性を強調している

2018-05-31 01:40:01
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次に作戦の要領を 第1は、敵主力の大部が真珠湾に在泊する場合―飛行機隊を以てこれを徹底的に撃破し且つ同湾を閉塞する  第2は、敵主力が真珠湾以外に在泊する場合―第1に準じる 第1航空戦隊第2航空戦隊を使用し、月明の夜、又は黎明を期し全航空兵カを以て全滅を期し敵を強(奇)襲する と説明し

2018-05-31 01:41:00
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最後に 「小官は本ハワイ作戦の準備ならびに実施に方りては、航空艦隊司令長官を拝命して、攻撃部隊を直卒せしめられんことを切望するものなり」 と山本五十六自身の作戦への意気込みを示した

2018-05-31 01:42:05
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「戦備に関する意見」を及川海相に提出した山本五十六は、真珠湾攻撃構想を具体的な作戦にするため、昭和16年1月14日頃に第11航空艦隊参謀長大西瀧治郎少将へ真珠湾攻撃構想と決意をしたためた手紙を送った 1月27日頃に長門を訪ねた大西と密かに面談し真珠湾奇襲作戦の立案を依頼した

2018-06-01 01:46:51
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鹿屋の第11航空艦隊司令部に戻った大西は、幕僚に詳細を伏せて真珠湾での雷撃について相談したが、真珠湾は浅いため技術的に不可能だと回答されている 大西は慎重を期して2月初旬に第1航空艦隊航空参謀源田実中佐を呼び、山本長官の手紙を見せて真珠湾攻撃構想を相談し、真珠湾での雷撃を質問した

2018-06-01 01:47:42
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源田は、雷撃は専門ではないから分かりかねるが、研究があれば困難でも不可能ではない。例え出来なくとも致命傷を与えることを考えるべき、空母に絞れば急降下爆撃で十分と回答している 大西は機密の保持を第一にしたいと自分の考えも述べ、真珠湾奇襲の作戦計画案を早急に作るよう依頼した

2018-06-01 01:48:37
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