【再放送】 マーセナリイ・マージナル ＃下

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ニンジャスレイヤーAOM】 ・舞台は2050年くらい、サイバーパンク ・国家が崩壊し暗黒メガコーポが力を持っている ・ある日突然ニンジャになる ・ニンジャは非ニンジャより身体能力があり強い ・ニンジャスレイヤーが主人公 ・シーズン1の敵は、「サツガイ」に追加の力を与えられたニンジャ達

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【シーズン１】 シーズン１ではニンジャスレイヤーは基本的に敵に闇討ちを仕掛ける。情報屋のタキから仇敵「サツガイ」に接触したニンジャの情報を得、赴くのだ。 第２話の敵はナハトローニン。苦戦を強いられるニンジャスレイヤーだが、敵には更なる奥の手「アクティブ・カタナ」が！それは一体！？

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再放送 第2話【マーセナリイ・マージナル】下 pic.twitter.com/MPpAjaS5h1

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ニンジャスレイヤーは逃走するムキョウを見ていなかったか？否。当然、彼はナハトローニンに護られる非力な男を意識していた。だが彼の敵はナハトローニン。非力なプロ受験生は注意の外だ。ニューロンの奥底の邪悪な存在が彼の血管に新たな力を送り込む。かりそめに傷を癒し、腱を繋ぎ、装束を塞ぐ。 1

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傷の治癒と引き換えに、ニンジャ聴力が、ニンジャ第六感が鈍化してゆく。ニンジャスレイヤーは身を起こし、カラテを構えた。壁穴の奥は倉庫だ。ナハトローニンの行動経路をある程度把握したうえで彼は倉庫内を回り込み、壁越しのアンブッシュ（奇襲攻撃）を試みた。奴は逃れたか。追うべきか。　2

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（力だ。ナラク。殺す力をよこせ）マスラダはニューロンの奥底の邪悪に呼びかけた。霞んだイメージと憎悪が反響し、過去の記憶の片鱗がフラッシュバックした。冷たくなってゆくアユミ……散らばったオリガミ……胸を貫いた……スリケン……サツガイの……スリケン……眼差し……サツガイ！　3

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「イヤーッ！」攻撃は後方斜め上！　ニンジャスレイヤーの目が燃え上がった。炎の軌跡を描き、かれは振り向きながらチョップを振り上げた。手甲とカタナがぶつかり合い、軋んだ。ナハトローニンは倉庫内から街路へ迂回し、道向かいの建物の屋根、死角から副剣を用いたアンブッシュ攻撃を試みたのだ！ 4

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飛び降りながらの斬撃でニンジャスレイヤーを真っ二つにすべく襲い掛かったナハトローニンであるが、企みは鮮やかに阻まれてしまった。「こいつ！」戦士は目を見開く。一方、ニンジャスレイヤーにとってもこの防御は博打だった。見て・感じて瞬時に反応したのではなかった。予測に過ぎなかった。 5

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ナハトローニンは敵を侮りはしなかった。「イヤーッ！」空中蹴りを放ち、反動で間合いを取って着地した。そしてやおら、副剣の柄頭の機構を捻じった。『非戦闘員は即時緊急避難してください』冷たい音声が発せられ、刀身が不気味な青い光を帯びた。アクティブ・カタナ、発動！ 6

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「御用！」「御用！」その時けたたましいサイレン音と金属音が鳴り響き、表通りから重厚な逆関節ロボットが靄を掻き分け現れた。モーターガシラだ。両脇には金属盾を構えた複数のメガコーポ武装自警従業員！「そこの戦闘者二名！　ちょっとやめないか！」スピーカー音声が鳴り響いた。 7

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ニンジャ二人はそちらを一瞥しただけだった。武装自警従業員の隊長はモーターガシラを前進させ、盾の陰から呼びかけた。「ニンジャといえど、この区域での戦闘は不許可だ。数分以内にこちらもニンジャ数名をこの区域に……アバーッ！？」突然の吐血！「アババーッ！」他の従業員も！　何が起きた！？ 8

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武装従業員は目、鼻、口から無残に出血し、地面をのたうち回った。「アバババーッ！」「ピガッ！ピガガガーッ！」モーターガシラすらも機能障害を起こし、横倒しになった。「アバーッ！」巻き添えに武装従業員下敷き殺！「ウツケめ。風下に立つからだ。どうでもよし」ナハトローニンが言い放った。 9

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ナムアミダブツ。これがアクティブ・カタナ。刀身の青は、強力な毒素それ自体が放つ光だった。機械に対しても生物に対しても極めて有害な毒素を放つ粒子が放たれている。ニンジャスレイヤーは瞬時に状況判断し、死者たちの逆側へ足を運ぶ。ナハトローニンは舌打ちし、青く光るカタナを構えた。　10

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(((……この毒は知らぬ))) ナラクが呻いた。(((奴のジツではない。文明の力よ。だが見過ごせんのはジツだ。奴のジツは今、奴自身に作用しておる。毒に耐えうるブレッシング・ジツ。ハクメイ・ニンジャ・クランの秘伝也。奴に憑依しておるキリカゼ・ニンジャ・クランと辻褄が合っておらぬ……))) 11

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは飛び下がり、スリケンを投げた。ナハトローニンは刃で打ち落とし、間合いを整える。ニンジャスレイヤーの鼓動が強く打つ。「……！？」咳き込む。力が失せゆく感覚。「何者か知らぬが並の使い手ではないな、貴様」ナハトローニンは青いカタナを掲げ、言った。　12

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「さきの斬撃を防いだ手腕は見事だ。ここで必ず殺しておく」「サツガイ」ニンジャスレイヤーは呟いた。「サツガイというニンジャを知っているか」「……」ナハトローニンの目が微かに動いた。ニンジャスレイヤーは地を蹴った。「イヤーッ！」ナハトローニンは刃を返し、迎撃のイアイを繰り出す！　13

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは高速側転から急接近した。またも博打！彼は当初、スリケンを投げて牽制しながら間合いを離すつもりだった。しかし身体を蝕む不可視の毒の威力が想像以上とわかると、逆に一気に間合いを詰めにいった。ニンジャでなくば三度は死ぬ強毒。ニンジャであっても……！　14

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「イヤーッ！」更なる斬撃！ニンジャスレイヤーは側転から前転！刃の真下を潜り抜ける！装束の繊維がボロボロと枯死し、劣化したペンキ屑めいて地面に散った。彼は血を吐きながらナハトローニンのゼロ・インチ距離に密着した。毒の進行の停止を感じる！敵は離れようとする。それを許さない。掴む！　15

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「やはり貴様の至近に毒の影響は無い……！」「離せ！」「離さん」彼はナハトローニンの腰を腕で捉え、ニンジャ膂力を振り絞って締め上げた。「離すものか！」「グワーッ！？」ベア・ハッグ！江戸時代、レジェンドヨコヅナのライユウが岡山県の村を脅かしたグリズリーを素手で葬ったカラテである！　16

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「貴様……グワーッ！」何たる一流の熟練ニンジャ戦士をして離脱をゆるさぬ決断的ニンジャ膂力か！　ナハトローニンの足が地面を離れた。もはや彼はもがく以外に無し！「グワーッ！」逆手に持って刺そうとしたアクティブ・カタナが彼の手を離れ、地面に落ちた。ニンジャスレイヤーは締め続ける！ 17

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『認証者接触が必要です。セキュリティロックな』手を離れるや、カタナが冷たい電子音を放ち、青い光が失せた。無害！やがて仰け反ったナハトローニンの両目とメンポ呼吸孔から赤黒の炎が溢れ出した！「アバーッ！」「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは締め続ける！「アバーッ！」ナムアミダブツ！　18

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「サツガイというニンジャを……知っているか！」ニンジャスレイヤーはジゴクめいて問うた。「貴様に新たなジツをもたらした男だ。知っている筈だ！」「アバーッ！」悶え苦しみながら、ナハトローニンが呪詛混じりの答えを返した。「サツガイ……確かに俺は……サツガイに……だが……知らぬ……！」19

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「イヤーッ！」「アバーッ！」「死ぬのはまだ許さん。辛抱しろ。死ぬ前に、おれに残してゆけ……残してゆけ！」ニンジャスレイヤーは叫ぶ！「残せ！アユミを殺したニンジャの道筋を！」「アバババーッ！」ナハトローニンは赤黒の火を吐き、痙攣した。死神は彼の口から幾つかの言葉を引き出す……！　20

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やがて彼はナハトローニンの背骨をへし折り、その臓腑を呪いの火で焼き焦がしてカイシャクした。「サヨナラ！」ナハトローニンは爆発四散した。ニンジャスレイヤーは膝から崩れ、身を震わせ、毒の自浄が生み出すジゴクの苦しみに声もなく耐えた。それは遠目には慟哭のようでもあったろう。　21