2019-2020 ECF MIAvsBOS Game 6 レビューまとめ - MIAのMUMエラーの修正、BOSのゾーンオフェンス

①MIAのMUMとMUMエラー対策 ②BOSのMUMとMUMエラー ③MIAのZone DとBOSのZone O ④ピックアップ ⑤全体総評 Game1: https://togetter.com/li/1594956 Game2: https://togetter.com/li/1595740 Game3: https://togetter.com/li/1596506 Game4: https://togetter.com/li/1598203 Game5: https://togetter.com/li/1601055
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Modern Basketball Tactics Research (MBTR) @MBTResearch

MIAvsBOS Game 6のゲームレビュー。 MIAのMatch Up Makingをまず取り上げる。 これまで通りバトラーvsケンバ、バトラーvsワナメイカーを執拗に狙うMIA。 BOS側も色々と対策するが、MIAも負けじとそこにカウンターする。 pic.twitter.com/qwgukArukO

2020-10-02 12:21:55
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興味深いポゼッションをピックアップ。 バトラー/クラウダーのStep-upに対し、ケンバはShow & ReturnによるNo Switchを選択。 これに対し、バトラー/クラウダーに見せかけたクラウダー/バトラーの“Inverted Ball Screen” (DHO Invert) でDFの不意をついてスイッチを強要、望んだマッチアップを作る。 pic.twitter.com/c46Fmpd5VN

2020-10-02 12:30:40
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このポゼッションも面白い。 一旦バトラーvsケンバを作ってから、そのまま勝負はせずイグダラに預ける。 そこからバトラーはPindownへ。BOSとしてはもちろん、マッチアップを変更したいのでスイッチするかどうか迷う。 その瞬間にバトラーがSlip in。迷ったBOSのDFを置き去りにしてワイドオープンに。 pic.twitter.com/29ppgzcnoy

2020-10-02 12:35:13
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ここでは、バトラーvsケンバを作った後、Post Upしようとするバトラーに対してBOSがKick Out Switch (Scram Switch)で対応。 それに対し、もう一度バトラー/クラウダーのボールスクリーンでMUM。 クラウダーがScreen your own man気味にセットして、Show出来ない→スイッチせざるを得ないという形も。 pic.twitter.com/swSkt5WI12

2020-10-02 12:39:04
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ちなみに: Inverted Ball Screen (DHO Invert)については youtube.com/watch?v=OJ5Upn… Kick Out Switch については togetter.com/li/1301309 Screen your own manについては youtu.be/p9o-16xXUT4 をご参照いただきたい。

2020-10-02 13:19:14
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MIAはいつも通りのvs Big (vsタイス、ないしvsカンター)も披露した。 Twist PNRを通じてPNRディフェンスの面子をより都合の良いように寄せていく(スマートやジェイレンなどを剥がし、ケンバやワナメイカーにスイッチさせてからvsタイスのPNRへ、など)。 その他、Dropに対するPopも多用した。 pic.twitter.com/IYt32QQEPu

2020-10-02 13:39:05
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個人的に注目したいのが以下のポゼッション。 このシーン、イグダラはハンドラーとしてプッシュしつつ、自分がカンターにマークされたのを見てDHOスクリナーに移行。 Pop vs DropがLate Switchで不発となりトップに戻した後、Single-Side Bump Actionへの移行を予期し、コーナーマンとしてReplace。 pic.twitter.com/2Db0Aoh5BP

2020-10-02 14:07:51
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必要に応じてハンドラー、スクリナー、オフボール(コーナーマン)、いずれも臨機応変に切り替えてこなせるというスキル&身体的特性は、それだけでチームオフェンスを円滑化する得難い資質になる。 twitter.com/MBTResearch/st…

2020-10-02 14:10:45
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しかしながら、依然としてMIAのMUMエラーは目立つ。 このシーンも、テイタムにマークされているバムでわざわざPNR。 バムvsワナメイカーが出来ても、ビッグマンによるサイズミスマッチは、バトラーとは違ってきっちりScram Switchで対応されるので攻めるのは難しい。 pic.twitter.com/Q1ysl6mueQ

2020-10-02 14:15:34
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このシーンは特に悲惨で、既にスイッチが生じ、ドラギッチvsタイスが出来ている状態であるにも関わらず、ワナメイカーにマークされているバムがピックに向かってむしろ攻めにくい状態になっていた。 バムが本来やるべきなのは、ドラギッチvsタイスのためのスペースを確保しつつOREBを狙う形。 pic.twitter.com/CcCf7YLZP0

2020-10-02 14:21:29
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これに対してMIAがGame 6で多用したのが、「スモールラインナップにしてバムを外し、イグダラをスクリナーにする」パターン。 このパターンについてはGame 5レビュー togetter.com/li/1601055#h0_0 でも取り上げた。 このパターンには、BOS側のDropに対し、イグダラのPopで攻めることが可能という利点も。 pic.twitter.com/4F6jYZN3jY

2020-10-02 16:42:23
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シリーズ全体のMIAのMUMとそのエラーについて: ・バトラーvsケンバorワナメイカー、ハンドラー陣vsタイスorカンターが意識されていた。特に後者での得点が目立った。 ・一方で、「バムにG or Fをマークさせる」というBOSの戦術は有効で、バムが居る時のオフェンスをしばしば機能不全に陥らせていた。

2020-10-02 16:55:23
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・BOS側の戦術に対し、MIA側は「バムによるPNR Slip」、そして「バムを外してスモールラインナップにし、イグダラにピックさせる」というカウンターを用意し、それぞれ有効に機能した。特にイグダラはハンドラー、スクリナー、コーナーマンを状況に応じて演じ分け、MIAのオフェンスを円滑化。

2020-10-02 16:57:28

②BOSのMatch Up MakingとMUMエラー

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MIAvsBOS Game 6から、BOSのMatch Up Making。 ケンバ/タイスのPNRでケンバvsバム、タイスvsドラギッチのMUM。 アングルを変えながらサイズミスマッチを狙う中、バトラーがポストに軽く寄ってややPost Doubleっぽい構え。 その隙をジェイレンが突いて、ネイルフラッシュからのドライブで得点。 pic.twitter.com/1ODaWeUJ2Y

2020-10-02 18:19:22
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以下のシーンでは、先程と同様にケンバ/タイスのピックでタイスvsドラギッチを作り、Angle Change Passでタイスにボールを入れる。 MIAがPost Doubleを組んだ瞬間にジェイレンがダイブ、クラウダーがダイブをケアしたことでテイタムがオープンになるというDive & Openの形になり、3ptをアテンプト。 pic.twitter.com/WD7JX5G1zr

2020-10-02 18:35:44
Modern Basketball Tactics Research (MBTR) @MBTResearch

ケンバ/カンターのPNRでカンターvsバトラーのミスマッチ。 バトラーはカンターに入らないようにフロントを取る。 これに対しBOSはAngle Change。さらに意表を突いて、パスではなくドライブ&Clearoutを選択。 MIAはスモールな上、イグダラがアウトサイドに引き出されており、カンターが悠々Put Back。 pic.twitter.com/x2GlYWxe8Y

2020-10-02 18:53:58
Modern Basketball Tactics Research (MBTR) @MBTResearch

興味深いのが、MIAのスモールラインナップにより、BOSもMIAと似たMUMエラーを起こしていたこと。 カンターはイグダラがマークした状態で普通にピックし、ケンバvsイグダラのいまいちなマッチアップに。 カンターは即座にAngle Changeで自身のvsヒーローのミスマッチに入れるように指示したが通じず。 pic.twitter.com/dvsVVFE7rA

2020-10-02 19:05:14
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ここもBOSの中々悲惨なミスで、カンターは自身をマークしているのがヒーローであるにも関わらずピックし、わざわざvsクラウダーというより不利なマッチアップを作ってしまう。 先程のPNR Switch → ミスマッチのシーンが念頭にあったのだろうが、自身やハンドラーのマークを確認しないと無為に終わる。 pic.twitter.com/TiqqhBphS7

2020-10-02 19:10:26
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BOSのMUM総評: ・vsドラギッチ、vsバムなどを意識的に作っていた。イグダラ、クラウダー、バトラーといったDF巧者を可能な限り避けることをかなり徹底していた。 ・MIAのBlitzに対しては、togetter.com/li/1594956#h0_0togetter.com/li/1595740#h0_0 で示したようにAngle Changeでアプローチした。

2020-10-02 19:25:24
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・個人的にはBlitzには"浅い"Short Rollで対応することを推奨するが、BOSはそれを採用せず、Angle Changeしか手札がないことでそのデメリットに苦しむこともあった。 ・MIAがスモールラインナップを多用すると、BOS(特にカンター)もMIAと似たようなMUMエラーを起こしていたところが示唆的だった。

2020-10-02 19:27:16

③MIAの2-3 ZoneとBOSのゾーンオフェンス

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MIAvsBOS Game 6から、MIAの2-3 ZoneとBOSのゾーンオフェンス。 Side PNR起点のBOSのゾーンオフェンスは、ここに至ってほぼ完成に至っていたといえよう。 Weakside Kickからの展開、RollへのAngle Change Pass、中央を割るPenetrationなど、SPRからの多彩な崩し方をこのゲームで披露した。 pic.twitter.com/bIk8sjpPTO

2020-10-03 00:15:23
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以下のようなSide PNR + Flare ScreenのパターンもBOSは多用していた。 2-3 ZoneのガードDF2枚を一度に引き剥がして、そこから崩すパターン。スクリーンでDFエリアを制約して崩すというゾーンオフェンスの基本を突き詰めた形の1つにあたる。 pic.twitter.com/C6SJtYSl3w

2020-10-03 00:23:25