LAMP法は偽陽性の問題があるのでRT-PCR検査(確定診断)の代用にはならない。だが使い道(単独では使わない)はある(2020.10.14作成) #新型コロナウイルス

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Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

【重要】10月13日付で京大病院からLAMPの偽陽性(FP)について提言。 kuhp.kyoto-u.ac.jp/~ict/clm/?p=417 ①疑い例唾液の1.7%(陽性者のうち18%)がFP ②疑い例鼻咽頭スワブの0.3%以上(陽性者のうち100%)がFP ③無症候性者の唾液の全体の5%(陽性者のうち100%)がFP 臨床検査として使用しないことを提言。

2020-10-13 23:59:15
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

以前から繰り返し書いているように、現在市場に出ている、モディファイしていないLAMPを単独で運用することは、院内防疫として非常に危険なことでであると考える。 9月にも、くどいくらいにLAMPについて否定的に述べた。 twitter.com/kakeashi_ashik…

2020-10-14 00:06:00
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

③LAMPは蛍光プローブのリアルタイムPCRの【補助になりこそずれ代用にはならない】。PCRには偽陽性が出ないことを前提に行動できるアドバンテージがあるが、LAMPは偽陽性の可能性が否定しきれないため、それが無い。LAMP陽性例には同一検体でPCR追検が必要と考える。

2020-09-06 22:28:05
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

9月初頭の段階での私のPCRについての見解は以下のとおり。※長文です ①商品として確立された蛍光プローブのリアルタイムPCRキットを使用すれば、試料の誤混入やデータ取り違えといったヒューマンエラーでしか偽陽性は出ない。特異度はかぎりなく100%に近いと考えて良い。100%と言い切る文献もある。

2020-09-06 22:28:04
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②特異度を100%と仮定できることは、人類が置かれた状況に照らせば「地獄に仏」とも言える。尤度比から導かれるprobabolity curveは事前確率(有病率)の低い左端から天井に張り付く。臨床検査のモデルとしても異例中の異例である。

2020-09-06 22:28:04
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③LAMPは蛍光プローブのリアルタイムPCRの【補助になりこそずれ代用にはならない】。PCRには偽陽性が出ないことを前提に行動できるアドバンテージがあるが、LAMPは偽陽性の可能性が否定しきれないため、それが無い。LAMP陽性例には同一検体でPCR追検が必要と考える。

2020-09-06 22:28:05
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④LAMPは蛍光プローブのリアルタイムPCRに比べて10倍近い量のウイルスがなければ検出できない。PCRでも検査のタイミングや体内分布(ウイルスが上気道に来ない)のために偽陰性は珍しくないと理解して行動するが、LAMPではその取りこぼしの可能性がさらに上がる。医療機関の水際対策には不向きである。

2020-09-06 22:28:05
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

⑤上述のようにLAMPは偽陽性が出うること、検出可能閾値が高いこと、から無症状者のスクリーニングにも向かない。プーリング・ストラテジーによる大量スクリーニングに使おうものなら、偽陽性による掘り下げ個別検査の手間と、希釈による取りこぼしの増大が考えられ、それこそ大変な目に遭う。

2020-09-06 22:28:05
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

⑥こうしたことは蛍光プローブのリアルタイムPCRで偽陽性が事実上ゼロだからこそ言えることに留意。【比較対象が絶対的に強すぎる】のだ。私の考えるLAMPの使いどころは、粗くても早く結果が欲しい緊急時と、微量のウイルスを検出しないことを逆手にとって退院時の安心用(その分PCRを診断に回せる)。

2020-09-06 22:28:06
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

⑦話をリアルタイムPCRに戻すと、人員の疲弊と質の管理を考えれば、RNA抽出を要しない1stepのキットが望ましい。さらに自動化できればさらに良い。但し、唾液や喀痰でmucinous(粘い)検体は1setpだろうが全自動だろうがDTTによる前処置を要し、実はこれが結構手間である。

2020-09-06 22:28:06
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

⑧新しい話題として書いたが、米国CDCが新コロとインフルを同時に検出できる4色蛍光プローブのリアルタイムPCRの系を確立して設計を公開した。世界は既に偽陽性の無いPCRを前提に動いていて、新コロ単独なら全自動、新コロとインフル同時なら多色蛍光同時PCRという使い方も見えてきた。

2020-09-06 22:28:06
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

⑨行政など大規模に検査をする機関はスループットの高い全自動装置を、医療機関はリアルタイムPCRもしくは小型全自動装置を備えることが望ましい。全自動装置の中にはカートリッジ方式など完全閉鎖系で行うものは、アプリケーションの進化についていけない可能性があるので注意。

2020-09-06 22:28:07
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

⑩最後に強く言いたいのは、院内の水際対策に失敗してスタッフに感染が及ばないよう、医療機関の管理者は最善の手法を採るべきだということである。ひとたび起こればスタッフの心身を傷めるのはもちろんのこと、モティベーションの低下、運営萎縮による診療クオリティの低下と収益悪化をきたす。(了

2020-09-06 22:28:07
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

「LAMPがrRT-PCRの代用になる」と認識しておられる医療者や行政の方がおられるようでしたら、京大病院からの提言を御覧になって、改めていただきたい。 twitter.com/kakeashi_ashik…

2020-10-14 00:09:17
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

rRT-PCRとLAMPの性能について、説明のための模式図。これは地元医師会向けに作成したものの一部。 rRT-PCRは網戸のメッシュ、LAMPは漁網と考えると分かりやすい。 pic.twitter.com/euSocSQHQ3

2020-08-29 18:30:22
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

rRT-PCRとLAMPの性能について、説明のための模式図。これは地元医師会向けに作成したものの一部。 rRT-PCRは網戸のメッシュ、LAMPは漁網と考えると分かりやすい。 pic.twitter.com/euSocSQHQ3

2020-08-29 18:30:22
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LAMPにも使い途はある。【単独で使ってはいけない】だけ。 阪大病院のレベルでrRT-PCRのバックアップが可能なら、院内防疫上は武器になると考えている。 当院はこのレベルを目指して整備を進めていたが、本日の京大病院からの提言に、面食らっているのが本当のところ。 twitter.com/kakeashi_ashik…

2020-10-14 00:15:11
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

①LAMPの偽陽性について、かなりインパクトのある資料が出てきたので紹介。特に、同志である医療者、そして設備導入の決定権を持つ方に御覧いただきたい。 感染症専門家である阪大教授が、地元の吹田市から依頼を受けて実施された講演のハンドアウトPDF。注目は8ページ目。 city.suita.osaka.jp/var/rev0/0461/… pic.twitter.com/EtnxgNvf0Z

2020-09-12 22:09:24
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

①LAMPの偽陽性について、かなりインパクトのある資料が出てきたので紹介。特に、同志である医療者、そして設備導入の決定権を持つ方に御覧いただきたい。 感染症専門家である阪大教授が、地元の吹田市から依頼を受けて実施された講演のハンドアウトPDF。注目は8ページ目。 city.suita.osaka.jp/var/rev0/0461/… pic.twitter.com/EtnxgNvf0Z

2020-09-12 22:09:24
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Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

②LAMPを単独で使用することが、いかに院内防疫においてリスキーであるかお分かりいただけると思う。 偽陽性を陽性と信じ込んで入院診療を続けることの人的物的負担や病床占拠は大きな問題である。これは偽陰性を入れてしまうことによる院内感染と同様、病院の内部から体制を崩す端緒となりうる。

2020-09-12 22:09:24
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

③そこへきて阪大はLAMPの限界を理解したうえで正しく使用されている。しかも、隙のない完璧な検証。さすがである。これが科学的態度だろう。 裏を返せば、こういう使い方ができるのであれば、LAMPを導入することに意味が出てくる。なお、阪大は全自動PCR(ロシュのcobas)も保有している。

2020-09-12 22:09:25
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

④rRT-PCRは「満員になったら出発するバス」なのに対し、LAMPは「オンデマンドで使えるタクシー(※だが時として目的地を誤る)」のようなものだ。 かくして、ウチではrRT-PCRに加えてLAMPも併用することとなった。

2020-09-12 22:09:25
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

⑤対比に挙げて申し訳ないが、日野市立病院。LAMP陽性を重視。PCR検体を後日に採り直したのなら陽性としての対応も理解できるが、最初の検体を残していなかったことは問題。 rRT-PCRとLAMPを科学的に理解して運用することが如何に重要であるかを、再確認いただきたい。(了 hospital.city.hino.tokyo.jp/topics/detail0…

2020-09-12 22:09:26
リンク hospital.city.hino.tokyo.jp 日野市立病院外来部門における職員の新型コロナウイルス感染についてのお知らせ|病院からのお知らせ|日野市立病院 | 日本医療機能評価機構認定病院 東京都日野市の日野市立病院へは豊田駅よりお越しください。当院は日本医療機能評価機構認定病院です。市民に信頼され選ばれる病院を理念として地域医療をサポートします。 31
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【追記】お気づきの方も多いと思いますが、資料7ページ目の特異度99%は、今回は論点ではありませんので目をつぶっています。私が特異度100%論者であることは、過去ツイを見ていただければ容易に御理解いただけるものと思います。

2020-09-13 11:13:05
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

こんなの、地獄の入口でしょ。 パカァ、って口開けてるワラ jiji.com/jc/article?k=2…

2020-10-14 00:26:28
リンク 時事ドットコム コロナ感染、1日4500人判定 既存装置を大型化―キヤノン系:時事ドットコム キヤノン子会社で、医療用機器を製造・販売するキヤノンメディカルシステムズ(栃木県大田原市)は9日、新型コロナウイルス感染の有無を1日当たり4500人分判定できる改良型検査装置を12日に発売すると発表した。短時間で結果が分かる「LAMP(ランプ)法」の試薬に対応。既存装置を大型化し、一度に検査可能な検体数を6倍の約100に増やした。 改良型装置の価格は約1000万円。キヤノンメディカル社は9月1日にランプ法の試薬を医療機関向けなどに販売。主流のPCR法に比べ、検体採取後、比較的短時間で判明するため… 34
Cheeman M.D.,Ph.D. @kakeashi_ashika

このスレッドで実務家が意見交換しておられる。とても参考になる。 twitter.com/leukerbad_/sta…

2020-10-14 00:31:40
ロイク@ピッコロ虫 @leukerbad_

最近、LAMP法で、唾液での偽陽性に振り回されている感じがする😰 偽陽性率高すぎないか⁈

2020-09-24 18:09:21