62式機関銃の故障についてしばしば言われるように『ヘビーバレル化したら問題は解決したのではないか』という疑問を見つけて
銃尾機関をロングストローク式に改めねばならないけど、それをすると復座バネ回りと尾筒底の緩衝器とガス喞筒と揺底を大改修せねばならない (それは74式しゃさいなのでわ?)
2020-10-22 19:50:25なぜかというと揺底とピストン瓦一体化する場合、合成質量が変わるから復座バネ回りが受けるべき力の大きさが変わるもんで、そのままではダメなんよ ガス喞筒も当然変わる(そのままだとピストンが下がれる距離が短すぎる) ほんで揺底も力の受け方が微妙に変わるんで当然改修せねばならない pic.twitter.com/gmPPWy4V2N
2020-10-22 19:54:15ロングストローク式に改修された62式機関銃と呼べる物は日本でないところで試作までされている 韓国の試作機関銃がそれである ガス喞筒の孔の位置は相当に後方までなく、その位置までほぼ確実にピストンを後退させ、概略確実に揺底を逆鉤に鉤させることができるだろう (実際日特から指導者が出てる) pic.twitter.com/LrMwN2AA2a
2020-10-22 20:02:04実際62式機関銃の問題はほぼ『ガス喞筒等のパワー不足他に伴う揺底の後退不良』である (他、がミソ) 62式機関銃はショートストロークピストン方式であり、揺底とピストン桿が別体である 発射ガスにて一気に押し出されたピストン桿が揺底を蹴り出し、揺底と遊底は慣性によって後退するものである pic.twitter.com/GXi0mbWM6x
2020-10-22 20:07:15よって多少の条件変化で後退不良が生じやすい 62式機関銃の弾送り機関はこのような構成になっており(説明はしないから、気になった場合は62式を撃ったことがある人にこの図を持っていって話を聞いてきてくれ)、ある程度まで揺底が後退しない限り弾は正常な位置に来ない そして62式の有名な故障は基本 pic.twitter.com/YQkpY0MS2I
2020-10-22 20:11:06揺底の後退不良である (故障の名前は『十一年式軽機関銃』の取説に基づく) 次の弾が送られるより先に後退が止まり揺底が前進してしまえば 『不発(薬室内に弾なし)』 中途半端に送られた状態で揺底が後退をやめ前進してしまえば 『突込』 ほとんど正常に弾が送られてかつ揺底が逆鉤に鉤しないとき
2020-10-22 20:14:01『単発不能』 となる 十一年式軽機関銃における『単発不能』とは、引金より指を放つもなお射撃が止まらないことをさす 概ね理解いただけだろうか つまり、62式機関銃の故障を絶無とするような改修は本質的に言えばこの後退不良を解決することであり、その手段としてロングストローク式に改める
2020-10-22 20:16:48ということが考えうる 74式車載にせよ先の韓国の試作機関銃にせよ、実際にロングストローク式とすることによってそれを解決したものである
2020-10-22 20:18:29ちなみに62式機関銃だけでなく、すべての機械に言えることであるが、以下のことは心がけたい 量産された機械は個体差があり、あるものは扱っていて楽しいようなご機嫌な個体、あるものは作ったものを呪いたくなるような不機嫌な個体、というものも存在する そして、標準的な個体を扱った場合
2020-10-22 20:25:02その印象は残りにくいのだ つまり、印象に残りやすい『扱っていて楽しいようなご機嫌な個体』か『作ったものを呪いたくなるような不機嫌な個体』の話が世の中に伝播しやすい 現に私の手元にある62式機関銃に関する噂はまるで正反対なものがたくさんある
2020-10-22 20:25:03ある人によれば 『泥まみれの演習で小隊の小銃が撃てなくなるなか、62式機関銃だけがまともに撃ってた』 ある人によれば 『62式機関銃は真っ先に撃てなくなった』 このような話はたくさんある つまり、ここで言いたいのは『人口に膾炙している噂は参考にはなるがそれが普遍的でない場合もある』
2020-10-22 20:28:23誰か62式機関銃の弾送りの説明して これ説明するのめんどい(いや、分かりやすい構造はしてるんだけどね?) twitter.com/C11katao/statu…
2020-10-22 20:36:23フォロワーさんから日特15型の写真提供を受けて
62式機関銃の昭和三十五年度試作品『日特15型』の詳細な写真が手に入ったため、その写真で遊ぶ houndさんは本当にいい写真を撮る方だ… 昨晩は興奮しすぎて情緒不定に至っていたので今まで待った形になる 概形であるが、制式のものと殆ど同じに見える なので、制式のものと比較をしつつ話をしたい pic.twitter.com/7gSVDag35B
2020-10-23 08:00:17以降は断りがない場合houndさんの写真である 基本的に左側が日特15型らしきもの、右側が制式のものという並びとする 第一に銃身およびガス喞筒 日特15型らしきものの銃身は照星座を境に外径が異なる他は概して同じ径のままに提把まで連なっているように見える (別角度のものは後に掲げる) 一方で pic.twitter.com/P16AMP1aAP
2020-10-23 08:11:21制式のものは銃身の外径は三段階に薬室側が太くなるようになっている 右図は制式のものの図から抜き出した銃身の図であるが、実際に三段階に変わっていることがわかるだろう もし放熱フィンの外径が変わっていない場合、制式のものは日特15型に比して薬室付近の銃身外径を増したものと考えられる pic.twitter.com/c9HcEYxhNc
2020-10-23 08:11:38次にガス喞筒 私はこれまで日特15型について、ガス喞筒の尾筒との結合部分があまりに細いため、繋がっていないとみていたが、どうやら繋がっていたようである その部分の太さが(強度的な都合か内部でピストン桿が当たってしまうというようなことがあったかは定かでないが)太くなったことと、さらに pic.twitter.com/1oIcWo5kLx
2020-10-23 08:20:15ピストン桿の後退量が減少したように見えることが外部からうかがえる 脚桿の変化も大きな見た目上の差異だ 恐らく強度上の都合と畳んだときの全長の都合であると考える (前方にに畳む場合、脚のぶんだけ長くなるから収納もスペースを余計に食ってしまう) こう見ると全体的に銃身は太くなって見える pic.twitter.com/sYyhyqojy5
2020-10-23 08:20:34次に尾筒前方についた銃身固定部の回り止めである(三つ目に制式のものの断面図を付) 元来この回り止めがあるため、銃身の固定部は弾送り機関を内蔵した尾筒覆いが開いていない限り回転することができないようになっている 日特15型のものはそれが効いているときの状況が分かりやすい写真となっている pic.twitter.com/fFYJhpugVk
2020-10-23 08:28:40